天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

桜とハナミズキの頃

2010年04月30日 | Weblog
 今から150年前の3月17日、日米修好通商条約の批准書を携え、咸臨丸がサンフランシスコ港に入港しました。日米の架け橋が繋がったのは150年前の今頃です。

 「大事なのは人々が世界に目を向けて大きく心を開くことだ」と教えたホイットフィールド船長と「私はこの世界が変わりうることを信じています。そしてこの世界には人間の善意があることも信じています」と応えたジョン万次郎は、この時再会し固く抱き合ったといいます。

 「アメリカでは どこの国の人でも困っている時には手を差し伸べるべきだと考えられています。遭難した人さえ助けない日本のやり方は大変不快に思われており、それを改めるよう求めているのです」と開国を進言した万次郎。

 150年後の今、沖縄に駐留する海兵隊の将兵は、自分たちが「負担」と言われ続けることに相当傷ついているといいます。日本を守っているのに、邪魔者扱いされているのです。

 幾多の困難を乗り越え、相互理解のもと解決の目途がつきかけた普天間移設問題を、わざわざ混乱させ右往左往する民主党連立政権は、人の心がわかっていないのです。

 明治の末、日本から桜、アメリカからハナミズキが贈られ、今年も「人間には善意がある」と信じて咲きました。

あと一人残っています

2010年04月14日 | スポーツ

ヤンキースの本拠地開幕戦の試合前、催されたチャンピオンリングの授与式。

“トリ”のはずのキャプテン、ジーターが受け取った後、「あと一人残っています」との場内アナウンス。

「Hideki Matui!」とコールされると、超満員の場内から、自然発生的にMVPコールが起こり、スタンディングオベーション。ヤ軍ナインが総出で“赤ゴジラ”を出迎えた。

松井がチャンピオンリングをジラルディ監督から受け取ると、一二塁間に整列していた元同僚たちが松井のもとに一斉に駆け寄って、次々と肩を抱き合い、最後に最も心を通わせたジーターとしっかりと抱き合った。

「そのときだけは一瞬だけでも喜びに浸りたい。リングを取るためにヤ軍で7年間戦ってきたわけですから」「ファンからどんな反応がかえってくるかは想像できない」と語っていた松井は帽子を何度も高く掲げてファンの声援に応えた。記者席でも目をぬぐっていた米国人記者は1人や2人ではなかった。

ヤンキースタジアムの興奮はそれでも収まらなかった。1打席目に松井が打席に入ると再びスタンディングオベーション。左腕ペティットも投球できず、松井が打席を外して赤ヘルメットを掲げ、ファンの声援に応えたほど。

「最初は違和感があったが、打席に出たら打ってやろうという気持ちになった」と言うが、さすがに平常心で挑めなかったのか凡退を繰り返した。それでもスタンドのファンは、敵陣の赤ゴジラが登場するたび、変わらぬ声援を送ってくれた。エンゼルスがアブレイユの満塁弾で2点差まで迫った九回。松井が2死で打席に立つと、やっとブーイングが。

試合後の会見で松井は「非常に感動した。おそらく一生忘れられない瞬間。幸せでした」と語った。ジーターは、「松井は私にとって最もお気に入りのチームメートの1人。プロフェッショナルという言葉がぴったりで、毎日必ず準備を整えてスタジアムに来てくれた。何があろうと言い訳をするのを聞いたことはない。手首を故障して同僚たちに謝罪するような選手にはこれまで出会ったことがない。ホーム開幕戦の場に彼がいることは適切に思えるし、ファンからオベーションを受け取るにふさわしいよ」 

見守るファンも複雑な心境だった。ヤンキースの55番のユニホームを着た男性は「松井を慰留しなかった球団の判断は今でも間違いと思っている」と話すと、「今日も縦じまを着て戻ってきてほしかった」と寂しげな表情を浮かべた。また、別のファンは「彼の謙虚な姿勢がずっと好きだった。今日のファンの反応が、彼がニューヨークのヒーローだということの証明」と話した。


おもしろいと思う気持ち

2010年04月10日 | 林成之
感覚は、脳の深い所へ情報が行ってA10神経群を通ると、感情がひとりでに生まれます。感情には、「好き」とか「おもしろい」とかの正の感情と、「嫌い」とか「おもしろくない」とかの反対側の負の感情が必ずついています。負の情報は前頭葉へ行くと、忘れる仕組みになっています。神経細胞は3日目まで機能しているので、4日たつと忘れるようになっています。ところが、「おもしろい」とか「好き」と思うと、自己報酬神経群で「やってみたい」という気持ちが生まれてきます。ここで、感情から気持ちに変わります。理解することによって感情が気持ちに変わってきます。「おもしろい」とか「こうしてみたい」と思った瞬間に、頭の中に素晴らしい気持ちが生まれる仕組みになっています。「おもしろくない」と言うだけの場合は、感情だけで終わります。達成したいという気持ちが生まれると、そこから考える仕組みが生まれてきます。それについて考えると、そこに心がはぐくまれてきます。心というのは考えることで生まれてくる現象なのです。
記憶力がいいということは、どれだけおもしろく興味を持ったかということが引き金になって起こるひとつの現象です。「好き」になることが、人間の感情から気持ち、気持ちから考えとか記憶を生み出していく、そういう仕組みになっています。その手順が大事です。
人間の脳は、新しいことを考えると新しい神経シナプスができます。シナプス形成によって新しい神経伝達の伝動路が出来てくるので、脳はどんどん若返ってきます。脳は新しいものを生み出すときに新しい回路も生まれます。同じものをワンパターンにやってると衰えてきます。若返るには、新しい趣味を持つことなどが有効です。

ヒトの本能

2010年04月10日 | 林成之
 人間の神経核は動物の4倍くらいあって、人間の考え、記憶、感情の仕組みは、動物とは違います。脳に神経細胞は150億。150億1個1個の神経細胞がみんな自分が生きたいとか、まわりの細胞と仲間になって機能したりとか、情報を知りたいという機能を持っています。ひとつひとつの細胞から本能が生まれています。
 本能というのは3層になっています。1番目は細胞から出てくる本能。赤ちゃんが最初に生まれて好きになるのがお母さん。赤ちゃんの目が見えるようになって、表情が出てくるのは生後3ヵ月。3ヵ月たつとお母さんを好きになります。人間の考える回路が生まれたときに、最初に好きになるところで機能するのが「これは危ない」とか「おなかが減った」とかいう扁桃核。赤ちゃんはおなかがすくと生きていけないので、泣きます。その泣き声を聞きわけながらお母さんは、判断して、意志疎通をはかる。そのときに、赤ちゃんは自分を守りたいという本能が生まれます。そうすると、2番目に、考えるときに筋が通っていないと嫌なので、一貫性という本能が生まれます。こうやって次々に組織由来の本能が生まれてきます。この自分を守りたいという本能と仲間でありたいという本能が合わないときがあります。ここで考える仕組みが動き出して、核が集まって機能する脳の仕組みのところに、3番目の本能が生まれてきます。違いを認めて、ともに生きる仕組み、愛という現象です。こうして、脳の機能のバランスが取れるようになっています。違いを認めて、その人たちも満足するように考えるという脳の仕組みになっています。「ともに幸せになる幸せ」というのは、人間の本能ですから、それは当たり前のことで、これがわからない人は頭がおかしい。本能がおかしい。そういう仕組みになっているのですから、そのことを私たちはよく理解していくと、人間というのはあっという間にすごい力を発揮するようになっています。発揮するかどうかは、私たちの努力次第です。
 本能っていうのは、人間の本能なので、鍛えられます。本能のままに生きている、などというのは、動物と同じ。人間は本能を基盤としてものを考えたり行動したりしています。細胞由来と組織由来とその間のバランスを取る3つの本能によって機能するようになっています。それに逆らうと、うまく力を発揮できない現象が起こってきます。緊張してだめだったとか、失敗したとか……。頭がよくなりたいと学校や塾で勉強をします。でも思ったようにはなかなかなりません。脳が考える仕組みにおいて何を求めているかを知らないからです。やっていることと脳がマッチングしないため、やってもやっても頭がよくならないということが起こってきます。相手を知らないと正確に機能を発揮することができません。

よい習慣

2010年04月10日 | 林成之
よい習慣を身につけると、ものすごいことをやっていても本人はものすごいことをやっていると思わなくなります。他の人がそんなこととてもできないと思っていても、本人は当たり前だと思っているようになります。人間の脳は、そういうふうにして力を発揮するためによい習慣を身につけます。悪い習慣は絶対身につけません。よい習慣は、A10神経群でよい感情を生みます。まず、例えば、先生をとにかく好きになるように子どもに教育してあげてください。先生にほめてもらうようにお願いしてください。子どもは、先生を好きになった途端にすごい力を発揮するようになります。2番目には、人の話を感動して聞くようにすること。何を聞いても「知ってる」「おもしろくない」では、すぐぼけてくることになります。3番目、人間の考えはぐるぐるまわって鍛えられるので、繰り返し考えることが大事です。失敗を失敗だと思わず、繰り返しがんばることがステップアップになります。そして、繰り返し考えるときに大事なのは素直な性格を磨くこと。何事にも興味を持つ習慣を身につけるだけで、子どもの能力はあっという間に伸びていきます。そうすると、自己報酬神経群が働いて、「自分からヤッテやる!」という概念が生まれてきます。

何事も自分からやるって言わせるいい質問をしてあげます。言われたとおりにばかりやっている子は、「自分から!」という概念が生まれてこないので、考える力が弱くなってきます。いま、世の中で弊害が起きているのは、マニュアル人間。それは確かに効率がいいけれども、マニュアルどおりにやっている人は、「自分から考える」というのが生まれてきません。考える能力が落ちていってしまいます。 自分からヤッテやるという概念が育つようにいい質問をしてあげること、決して叱ってはだめです。叱ると嫌いになります。そうやって、仲間を大切にして、ともに生きるという感情を育てると、子どもはどんどん能力を発揮する仕組みになっています。脳の神経核で同期発火を起こします。「気持ちを込めて話す、相手に興味を持つ、相手を好きになる、相手を尊敬する」ことで、考えが伝わっていきます。どれひとつ外してもだめだと思います。人間の考える仕組みは、お母さんからかわいがられ、お母さんを好きになることから形成されます。お母さん、お父さんを好きになる、先生を好きになる、何事にも興味を持つ習慣、話は感動して聞く習慣、おもしろい、好きになる習慣を身につけ、前向きな明るい素直な性格にする。たとえ、いま成績が悪くても、大人になったら必ず光ってきます。損得抜きに、必ず全力投球する人。その人は必ず光ってきます。北島 康介選手は、素直です。どういう方とでも対話できます。ところが、5m先のスタート台にのった瞬間に人間が変わります。素直に集中します。練習が練習じゃありません。もう全力投球。だから土壇場ですごい力を発揮します。