天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

11年一般教書演説より

2011年01月25日 | オバマ

 チューソンにおける悲劇が私たちを立ち止まらせました。私たちの議論のあらゆる雑音、情熱、そして憎しみの中において、チューソンは、私たちが誰で、どこから来たのかは大きな問題のひとつではなく、私たちそれぞれが、政党や政治的な優先度よりもっと大きなものであるということを私たちに気づかせてくれたのです。私たちはアメリカという家族の一員です。私たちは信じています。あらゆる人種、信仰、ものの見方がある国において、私たちは同じ人間として共に決意を持ち続けていると。共通の希望や信念を分かち合っていることを。チューソンの一人の少女が持っていた夢は、子どもたちそれぞれが持っている夢と何ら変わらなかったことを。そして彼らは皆、満たされるチャンスを持っているのだと。そのことはまた、私たちをひとつの国として固めていることでもあります。(Applause.)

 世界は変わりました。そして多くの人にとって変革は痛みでした。まるでゲームの途中でルールが変わってしまったようだという誇れる男女の不満が聞こえてきました。彼らは正しい。ルールが変わったのです。そう、世界は変わったのです。しかし落胆すべきではありません。挑戦すべきなのです。
 アメリカは、私たちがそれぞれの良い運命を形作るのにふさわしい思想を見つけるための最適な国家なのです。アメリカの生徒たちは単に数式を暗記するのではなく、このような質問に答えるのです。「その考えについて君はどう思う?」「君は世界の何を変えようと思う?」「大きくなったら何になりたいと思う?」
 未来の勝利は私たちのものです。しかしそれを得るには、ただじっとしていてはできません。ロバート・ケネディは言いました。「未来は贈り物ではありません。勝ち取るものです。」と。意見を変えようとしないならば、アメリカン・ドリームは決して実現できません。各世代間の犠牲、苦闘、そして新たな世代の欲求に触れることが必要なのです。今は私たちの番です。私たちはアメリカを、ビジネスを行う上でまさに最高の場所にしなくてはなりません。そしてアメリカの道徳的な模範は、自由、正義、そして尊厳に憧れるすべての人たちにとって常に輝いていなくてはなりません。この取り組みを始めたことで、今夜私たちは、アメリカのリーダーシップは復活した、アメリカの地位は回復していると言うことができるのです。

 最近の出来事は、私たちを固めているものはまさに力だけではなく、それに隠れた決意でもあるに違いないことを示してきました。南スーダンにおいて、私たちの手助けもあって、人々は長年の戦争の後、ついに独立のための投票をすることができたのです。(Applause.)夜明け前から、たくさんの人々が列をつくりました。人々は通りで踊りました。戦争で4人の兄弟を失くした一人の男性は、彼を取り巻く状況をこう要約しました。「私の人生は、ほとんどが戦場だった。」彼は言いました。「今、私たちは自由になりたい」(Applause.)
 そして自由への同じ願望がチュニジアにありました。そこでは人々の意志が独裁者の令状よりも力があることを証明しました。そして今夜明らかにしましょう。アメリカ合衆国はチュニジアの人々を支持すると。そしてすべての人々の民主的な大志を支持すると。(Applause.)

 未来を勝ち抜くための最初のステップは、革新の奨励です。次にどんな大きな産業が興るか、どんな新たな仕事がやってくるのかを正確に予言できる人は誰もいません。30年前、私たちはインターネットと呼ばれるものが経済革命をリードするようになることを知りませんでした。私たちは何ができるでしょうか。アメリカが他の何より優れているものは何でしょうか。それは人々の創造と想像の閃きです。

 ロバートとアレンは、小さなミシガンの屋根ふき工場を経営する兄弟です。9.11以降、彼らはボランティアで最良の屋根職人を使って国防総省の修理を手伝ってくれています。しかし彼らの工場のうち半分は使われておらず、不況が彼らを直撃しているのです。今日、政府借り入れの助成と空きスペースがソーラー屋根板の製造に使われ、世界中の国に売られています。ロバートの言葉です。「私たちは自己改革しました。」

 それはアメリカの人たちが200年にわたり行ってきたことです。私たち自身が再び始めなければならないことです。そしてアレン兄弟のようなサクセスストーリーをより促すために、私たちはエネルギー政策の改革を始めたのです。ただお金を配っているのではありません。挑戦をしているのです。

 問題は、私たち皆が、市民が、両親が、すべての子どもたちに成功へのチャンスを与えるために必要なことをやろうとしているかどうかなのです。そうした責任ある行動が教室でなく、家庭や地域社会で始まっています。子どもに愛ある学びを最初に教えるのは家族です。両親だけが確実にTVを消し、宿題をさせることができるのです。私たちは子どもたちに教える必要があります。スーパーボウルの勝者だけではなく、科学の学会における勝者も祝福されるに値するのだと。(Applause.)そしてその成功は名声やPRの効果ではなく、一生懸命な仕事や訓練の成果なのだと。学校もこの責任を共有しています。

 デンバーのブルースランドルフを例としてあげましょう。3年前はコロラドでも最悪の学校のひとつとみなされていました。二つの敵対するギャングの縄張りに位置していたのです。しかし昨年5月には最上級生の97%が卒業証書を手にしました。彼らの多くが、大学に進学する最初の一人となるでしょう。そして学校変革元年、変革を成し遂げた後、校長は涙を拭いました。ある生徒がこう言ったのです。「ありがとう、ウォーターズさん、僕らは賢い、僕らにはできるということを示してくれて」と。(Applause.)

 先月私は、ノースカロライナのフォーシステックで、こうした学校の兆しを見ました。そこでは多くの学生たちが、街を離れた工場付近で働いていました。2人の子どもの母親の、キャシーという女性は18歳の頃から家具の会社で働いてきました。彼女が私に語ってくれました。55歳にして現在、生物工学の資格を目指していると。そしてそれはただ家具の仕事を無くしたからではなく、夢を追い求める彼女の子どもたちを奮起させたいとも思うからだと。キャシーは言いました。「決して諦めない、というメッセージが彼らに伝わって欲しい」と。

 私たちの民主主義は争いを起こしたり、失望させたり、不快である場合も時にはありますが、私は知っています。ここの人は地球上の他のどの国の人にも代えられないということを。(Applause.)私たちは政策に違いがあるかもしれません。しかし私たちは、憲法に記されている権利を信じています。私たちは異なる意見を持っているかもしれません。しかし私たちは、アメリカは努力すれば成功できる場所であると(憲法が)述べている同じ約束を信じています。私たちは異なる素養を持っているかもしれません。しかし私たちは、ここは何でもできる場所であると述べている同じ夢を信じています。あなたが誰であろうと。あなたがどこからきたのであろうと。
 その夢のおかげで、私は今夜皆さんの前にこうして立っているのです。その夢のおかげで、スクラントンから来たひとりの労働者階級の子どもが私の後ろに立っているのです。(Laughter and applause.)その夢のおかげで、シンシナチの父親のバーでのフロア掃除から始まった者が、地球上で最も素晴らしい国家の下院議長を務めることができるのです。(Applause.)
 その夢、アメリカン・ドリームとは、アレン兄弟が自身の屋根ふき工事の会社を新たな時代に向け考え直したことです。それはフォーシステックの生徒たちが将来に向け新しい技術と仕事を学んだことです。

 そして、その夢とはブランドン・フィッシャーという名の小さなビジネスオーナーの物語のことです。ブランドンはベルリン、ペンシルベニアで新たな掘削技術を専門にする企業を、ベルリンとペンシルバニアに立ち上げました。そして昨夏のある日、彼は遠く離れた世界でのニュースを目にしました。33人の男性がチリの鉱山で閉じ込められ、誰も彼らを助ける術を知らなかったのです。しかし、ブランドンは自分の会社なら、助けることができると考えました。なので、彼はプランBとして知られることになる救出を計画していました。彼の従業員たちは穴を掘るのに必要な装備を製造するため24時間中働きました。そしてブランドンはチリに向かって出発ました。他の従業員たちと共に、彼は地面に2000フイートの穴を掘りはじめました。3,4日、少しも眠らずに働きました。37日後、プランBは成功し、鉱夫たちは救出されました。(Applause.)しかし、彼はすべての注意をそこに注ぎたくなかったので、鉱夫たちが救出されたときそこにはいませんでした。彼はすでに国に帰り、次のプロジェクトにとりかかっていました。その後、彼の従業員のひとりが救出について語りました。「センターロックは小さな会社ですが、私たちは大事を為すということを証明した」と。(Applause.)

 大事を為す。大陸発見の最初期から、アメリカは夢に向かって行くことが普通の人々の物語であり続けています。それこそが未来を勝ち取る方法なのです。私たちの国はこういう国です。「たくさんのお金は持っていないかもしれない。けれども、新たな会社への大きなアイデアを持っている。」「大卒の家の出ではないかもしれない。けれども、自分が学位を得る最初の一人になるつもりだ。」「人々が困っているのは知らないかもしれない。けれども、彼らを助けることができる、助けようと考える。」「地平を越えてより良い場所にいかに近づくか確信はないが、ここに得るだろうとわかっている。私たちはそうなるとわかっている。」
 大事を為す。(Applause.)アメリカの思想は続いています。私たちの運命は、私たちの選択にかかっています。そして今夜、2世紀もの後も、未来は希望に満ちていると信じる人たちのおかげで、私たちの旅は前進し、そして合衆国は強いのです。


落胆ではなく、挑戦を ~11年一般教書演説より

2011年01月25日 | オバマ

 今夜ここにいる皆さんが、この2年にわたって意見の相違を抱えてきたことは公然の事実です。議論は異論を呼び、私たちはその信念において激しく闘ってきました。そして、それはよいことです。健全な民主主義が求めていることです。そのことは私たちをひとつの国として固める手助けとなります。しかしこれらのことはチューソンにおける悲劇が私たちを立ち止まらせた理由でもあるのです。私たちの議論のあらゆる雑音、情熱、そして憎しみの中において、チューソンは、私たちが誰で、どこから来たのかは大きな問題のひとつではなく、私たちそれぞれが、政党や政治的な優先度よりもっと大きなものであるということを私たちに気づかせてくれたのです。私たちはアメリカという家族の一員です。私たちは信じています。あらゆる人種、信仰、ものの見方がある国において、私たちは同じ人間として共に決意を持ち続けていると。共通の希望や信念を分かち合っていることを。チューソンの一人の少女が持っていた夢は、子どもたちそれぞれが持っている夢と何ら変わらなかったことを。そして彼らは皆、満たされるチャンスを持っているのだと。そのことはまた、私たちをひとつの国として固めていることでもあります。(Applause.)

 今、この簡潔な認識、それ自体によって、新たな協調の時代の幕が開けることはないでしょう。この瞬間に何がやってくるかは、私たち次第です。この瞬間に何がやってくるかは、今夜私たちが共に座すことができたかどうかではなく、明日私たちが共に働けるかどうかにかかっているのです。(Applause.)私はできると信じています。そしてしなくてはならないと信じています。それが私たちをここへ立たせた有権者の人々が、私たちに期待していることなのです。彼らの投票とともに、彼らは政治運営は政党間で共有される責任であるとわかっています。新たな法律は、民主党員と共和党員の支えでのみ成立します。私たちが共に前へ進むのか、まったく進まないのか、それは私たちが直面している、政党よりも政策よりも大きな挑戦なのです。喫緊の課題は、誰が次の選挙で勝つかではありません。なぜなら私たちには選挙は常にあるものなのですから。課題は、新たな仕事や産業がこの国に根付くのか、あるいは他のどこかに根付くのかなのです。ハードな仕事に就く人たちが報いられるかどうかなのです。アメリカを単なる地図上の場所ではなく、世界を篝火たらしめてきたリーダーシップを維持できるかどうかなのです。

 私たちは進化の準備が出来ています。私たちの多くがよく知る最悪の不況から2年、株式市場は活気を取り戻してきています。協働利益は上がっています。経済は再び成長しています。しかし私たちはひとりひとりの尺度によって進化を測ってきたのではありません。私たちの成功によって進化を測っているのです。彼らが見つけた仕事によって、そしてその仕事が提供した生活の質によって。いい考えを夢に変えられる、小さなビジネスオーナーの可能性によって。私たちが子どもたちに、よりよい人生の機会を与えることによって。私たちが過去の2年間引き継いできたステップは、この不況を打破したかも知れません。しかし未来を勝ち抜くためには、私たちは長年進行している挑戦を続ける必要があるのです。今夜(この演説を)見ている多くの方々は、すぐ近くの工場やビジネス街にあったよい仕事を見つけたときのことをたぶん思い出すことができるでしょう。あなた方はいつも資格や称号を必要とはしないし、仲間との競争はおよそ制限されました。もしあなた方が一生懸命に働いたなら、相応の報酬、よき利益、そして時折昇進を伴った人生のための仕事のチャンスを得ていたでしょう。同じ会社で働く子どもたちがいれば、おそらく誇りを持って見つめるでしょう。

 世界は変わりました。そして多くの人にとって変革は痛みでした。かつて隆盛していた工場の窓が閉められ、かつてメインストリートで繁盛していた店が空き家になっている光景に、私はその痛みを見てきました。報酬が落ち込み、仕事を失い、まるでゲームの途中でルールが変わってしまったようだという誇れる男女の不満が聞こえてきました。彼らは正しい。ルールが変わったのです。独身世代において、技術革新は私たちの生活方式、仕事やビジネスを一変させました。鉄鋼工場でかつて1,000人の作業者が必要だった仕事が、今は100人居ればできるようになっています。今日どの会社においても、店を構え、労働者を雇い、インターネットのつながりで製品をどこへでも売ることができます。一方、中国やインドのような国々が、自分たちが変わることでこの新たな世界で競争できるということに気がつきました。なので彼らは子どもたちを数学と科学においては特に重点を置いて、早期に、そして長期にわたり教育し始めました。彼らは研究と科学技術に投資をしているのです。つい最近中国は、世界最大の非公開の太陽研究機関と世界最速のコンピュータの本拠地となりました。そう、世界は変わったのです

 職の競争は現実に存在します。しかし落胆すべきではありません。挑戦すべきなのです。思い出して下さい。この数年に受けたあらゆる打撃を、すべての反対者たちが私たちの衰退を予言したことを。しかし今なおアメリカは、世界で最も大きく繁栄した経済を有しているのです。(Applause.)私たちほど生産的な労働者はいません。これほど成功した企業を持ち、発明家や起業家に特許が与えられている国は他にありません。アメリカは世界最高の単科大学と総合大学の拠点であり、地球上の他のどの場所よりも多くの生徒たちが勉強のためにやって来ています。さらに言えば、私たちがそれぞれの良い運命を形作るのにふさわしい思想を見つけるための最適な国家なのです。開拓者たち、移民たちはあらゆるリスクを負ってこの地に来たのです。アメリカの生徒たちは単に数式を暗記するのではなく、このような質問に答えるのです。「その考えについて君はどう思う?」「君は世界の何を変えようと思う?」「大きくなったら何になりたいと思う?」

 未来の勝利は私たちのものです。しかしそれを得るには、ただじっとしていてはできません。ロバート・ケネディは言いました。「未来は贈り物ではありません。勝ち取るものです。」と。意見を変えようとしないならば、アメリカン・ドリームは決して実現できません。各世代間の犠牲、苦闘、そして新たな世代の欲求に触れることが必要なのです。今は私たちの番です。私たちの時代において、仕事や産業で競争するためには何が必要かを私たちは知っています。より優れた改革、より優れた教育、そしてより優れた建築、その他すべてが必要です。(Applause.)私たちはアメリカを、ビジネスを行う上でまさに最高の場所にしなくてはなりません。私たちは赤字と政府の再構築に責任を負う必要があります。そうすることで私たちは成功できるのです。未来を勝ち抜くことができるのです。(Applause.)そして今夜、私はどうすればそれを得ることができるのかを話したいと思います。


闘った目的 ~11年一般教書演説より

2011年01月25日 | オバマ

 21世紀の政府はオープンで適格なものです。政府は収入の範囲で存在します。経済は新しい技術と考えで運用されます。この新しい、変わりゆく世界での成功には、必要な改善と責任と改革が必要です。私たちは外交において、新たなレベルの取り組みでアプローチすることも必要です。今日仕事やビジネスが国境を越えて競争することは、ちょうど新たな脅威と挑戦でもあります。東側と西側とを隔てる壁はありません。私たちに並び立つ超大国はありません。なので私たちは、それがどこであれ明らかな敵は負かさねばならず、地域や人種や宗教の境界線を越えた提携を築かなければなりません。そしてアメリカの道徳的な模範は、自由、正義、そして尊厳に憧れるすべての人たちにとって常に輝いていなくてはなりません。この取り組みを始めたことで、今夜私たちは、アメリカのリーダーシップは復活した、アメリカの地位は回復していると言うことができるのです。
 イラクを見てください。10万人近くの男女が勇敢に胸を張って離れました。(Applause.)アメリカ軍の巡視は終わり、暴力行為は減り、そして新政府が樹立されました。今年、アメリカ軍のイラク撤退完了と同時に、アメリカ市民はイラクの人々と永続的な友好を築くでしょう。アメリカの公約は守られます。イラク戦争はもうすぐ終結します。(Applause.)もちろん私たちが言っているように、アルカイダとその支部は私たちを攻撃する計画を続けています。私たちは諜報機関と法施行の専門家たちのおかげで彼らの陰謀を粉砕させ、私たちの街と空は守られています。そして過激派が国境付近での戦闘を引き起こすような活動を試みていますが、私たちは集団社会の力、法の支配への敬意とアメリカのイスラム教徒はアメリカの家族の一員であるという確信で応えています。(Applause.)今年私たちは、アフガニスタン主導に切り替えていくための取り組みを50近くの国々と共に行います。そして今年7月にはアメリカ軍の帰国を開始させます。(Applause.)

 最近の出来事は、私たちを固めているものはまさに力だけではなく、それに隠れた決意でもあるに違いないことを示してきました。南スーダンにおいて、私たちの手助けもあって、人々は長年の戦争の後、ついに独立のための投票をすることができたのです。(Applause.)夜明け前から、たくさんの人々が列をつくりました。人々は通りで踊りました。戦争で4人の兄弟を失くした一人の男性は、彼を取り巻く状況をこう要約しました。「私の人生は、ほとんどが戦場だった。」彼は言いました。「今、私たちは自由になりたい」(Applause.)
 そして自由への同じ願望がチュニジアにありました。そこでは人々の意志が独裁者の令状よりも力があることを証明しました。そして今夜明らかにしましょう。アメリカ合衆国はチュニジアの人々を支持すると。そしてすべての人々の民主的な大志を支持すると。(Applause.)

 私たちは決して忘れてはいけません。私たちが奮闘し闘った目的は、あらゆるところの人々の心の中で、生きていることを。そしていつも思い出さなくてはなりません。この苦闘の中でこの上ない辛苦に耐えたアメリカ人は、私たちの国に貢献した男女であるということを。(Applause.)今夜、私たちの国は隊員たちと彼らの家族の支えがあって団結しているということの再確認において、声をひとつにしましょう。彼らが私たちに貢献してくれたのと同じくらい、私たちも彼らに貢献しましょう。彼らが必要な装備を与え、彼らが骨折ったケアと利益を与えることによって、そして私たち自身の国家を作り上げるという偉大なる任務によって。


自己改革 ~11年一般教書演説より

2011年01月25日 | オバマ
 未来を勝ち抜くための最初のステップは、革新の奨励です。次にどんな大きな産業が興るか、どんな新たな仕事がやってくるのかを正確に予言できる人は誰もいません。30年前、私たちはインターネットと呼ばれるものが経済革命をリードするようになることを知りませんでした。私たちは何ができるでしょうか。アメリカが他の何より優れているものは何でしょうか。それは人々の創造と想像の閃きです。アメリカは道路に車を走らせた国であり、オフィスにコンピューターを据えた国です。エジソンとライト兄弟を生んだ国です。グーグルとフェースブックを生んだ国です。アメリカにおいて革新は私たちの人生自体を変えるのではありません。生計の立て方を変えるのです。(applause)
 私たちの自由な企業組織は革新をもたらします。しかし基礎研究への企業投資はいつも利益が出るとは限らないため、歴史の至るところで政府は最先端の科学者と出資者を提供し、彼らが必要とする援助を行ってきました。それがインターネットの種を植えることとなったのです。それが半導体やGPSのような物をつくることを可能にする手助けとなったのです。それらすべての偉業を考えてみると、製造から小売までの進展に起因しているのです。

 半世紀前、ソビエトが私たちに先んじてスプートニクと呼ばれる人工衛星を宇宙に発射した頃、私たちは「月への道」においてどうすれば彼らを負かすことができるのかわかりませんでした。科学はまだそこにありませんでした。NASAはまだありませんでした。しかしよりよい研究と教育への投資を経て、私たちはソビエトを越えただけでなく、革新の波の鎖を解いて新たな産業と仕事を創り出したのです。これが私たちの世代の「スプートニク期」です。2年前に私は、研究開発のレベルを宇宙開発競争以来見たことが無いレベルに到達させる必要があると言いました。数週間以内に、私はそこに向かわせるための予算案を議会に提出します。私たちは生物医学の研究に、情報技術に、そして特にクリーンエネルギーの技術に投資を行い、(applause)投資はセキュリティーをより強固にし、私たちの地球を守り、そして数え切れない程の新たな雇用を創出するでしょう。既に私たちは再生可能なエネルギーに期待を寄せています。

 ロバートとアレンは、小さなミシガンの屋根ふき工場を経営する兄弟です。9.11以降、彼らはボランティアで最良の屋根職人を使って国防総省の修理を手伝ってくれています。しかし彼らの工場のうち半分は使われておらず、不況が彼らを直撃しているのです。今日、政府借り入れの助成と空きスペースがソーラー屋根板の製造に使われ、世界中の国に売られています。ロバートの言葉です。「私たちは自己改革しました。」

 それはアメリカの人たちが200年にわたり行ってきたことです。私たち自身が再び始めなければならないことです。そしてアレン兄弟のようなサクセスストーリーをより促すために、私たちはエネルギー政策の改革を始めたのです。ただお金を配っているのではありません。挑戦をしているのです。私たちはアメリカの科学者と開発者たちにこう言っているのです。もし彼らの分野における最高の頭脳を持ったチームを組めば、そしてクリーンエネルギーにおける最も困難な問題に集中すれば、私たちは私たちの時代の「アポロプロジェクト」に投資するだろうと。

大事を為す ~11年一般教書演説より

2011年01月25日 | オバマ
 研究と科学技術におけるリーダーシップの維持は、アメリカの成功に向け欠かせない重大な要素です。しかし未来を勝ち抜きたいと思うなら、海外ではなくアメリカに雇用を生み出すための革新を望むなら、子どもたちの教育の競争にも勝たなければなりません。なので問題は、私たち皆が、民衆が、両親が、すべての子どもたちに成功へのチャンスを与えるために必要なことをやろうとしているかどうかなのです。そうした責任ある行動が教室でなく、家庭や地域社会で始まっています。子どもに愛ある学びを最初に教えるのは家族です。両親だけが確実にTVを消し、宿題をさせることができるのです。私たちは子どもたちに教える必要があります。スーパーボウルの勝者だけではなく、科学の学会における勝者も祝福されるに値するのだと。(Applause.)そしてその成功は名声やPRの効果ではなく、一生懸命な仕事や訓練の成果なのだと。学校もこの責任を共有しています。子どもが教室に入るとき、そこは高度な期待と実行の場所であるべきです。しかしこうした訓練に触れていない学校があまりに多いのです。周知のように、改革は単なるトップダウンの命令ではなく先生や校長、教育委員会や自治体の働きですから、子どもたちのために何ができるのかを私たちはわかっています。

 デンバーのブルースランドルフを例としてあげましょう。3年前はコロラドでも最悪の学校のひとつとみなされていました。二つの敵対するギャングの縄張りに位置していたのです。しかし昨年5月には最上級生の97%が卒業証書を手にしました。彼らの多くが、大学に進学する最初の一人となるでしょう。そして学校変革元年、変革を成し遂げた後、校長は涙を拭いました。ある生徒がこう言ったのです。「ありがとう、ウォーターズさん、僕らは賢い、僕らにはできるということを示してくれて」と。(Applause.)
 このことはいい学校はできる、すべての地域を通していい学校を必要としていることを示しています。子どもの成功における最大の影響は、親に次いで教室の人たちからもたらされることも思い出してみましょう。韓国において教師は「国の建設者」と言われています。アメリカにおいても、子どもたちを教育した人たちを敬意をもって扱うべきときです。(Applause.)私たちはよい先生には報いたいし、悪い先生を容赦しません。(Applause.)
 先月私は、ノースカロライナのフォーシステックで、こうした学校の兆しを見ました。そこでは多くの学生たちが、街を離れた工場付近で働いていました。2人の子どもの母親の、キャシーという女性は18歳の頃から家具の会社で働いてきました。彼女が私に語ってくれました。55歳にして現在、生物工学の資格を目指していると。そしてそれはただ家具の仕事を無くしたからではなく、夢を追い求める彼女の子どもたちを奮起させたいとも思うからだと。キャシーは言いました。「決して諦めない、というメッセージが彼らに伝わって欲しい」と。

 私たちは目の前の取り組みに幻想を抱くべきではありません。学校を改革すること、エネルギーの利用方法を変えること、赤字を減らすことなど、どれも簡単ではありません。すべてが時間を要するでしょう。そしてより困難となるでしょう。なぜならすべてについて議論をすることになるからです。経費。詳細。すべての法律の文言。もちろん、こうした問題を抱えていない国もあります。もし中央政府が線路を欲しがれば手にするでしょう。どんなに多くの家がブルドーザーで倒されても。もし政府が新聞での悪い記事を望まないなら、それは書かれることが無いのです。そして依然として、私たちの民主主義は争いを起こしたり、失望させたり、不快である場合も時にはありますが、私は知っています。ここの人は地球上の他のどの国の人にも代えられないということを。(Applause.)私たちは政策に違いがあるかもしれません。しかし私たちは、憲法に記されている権利を信じています。私たちは異なる意見を持っているかもしれません。しかし私たちは、アメリカは努力すれば成功できる場所であると(憲法が)述べている同じ約束を信じています。私たちは異なる素養を持っているかもしれません。しかし私たちは、ここは何でもできる場所であると述べている同じ夢を信じています。あなたが誰であろうとあなたがどこからきたのであろうと
 その夢のおかげで、私は今夜皆さんの前にこうして立っているのです。その夢のおかげで、スクラントンから来たひとりの労働者階級の子どもが私の後ろに立っているのです。(Laughter and applause.)その夢のおかげで、シンシナチの父親のバーでのフロア掃除から始まった者が、地球上で最も素晴らしい国家の下院議長を務めることができるのです。(Applause.)
 その夢、アメリカン・ドリームとは、アレン兄弟が自身の屋根ふき工事の会社を新たな時代に向け考え直したことです。それはフォーシステックの生徒たちが将来に向け新しい技術と仕事を学んだことです。
 そして、その夢とはブランドン・フィッシャーという名の小さなビジネスオーナーの物語のことです。ブランドンはベルリン、ペンシルベニアで新たな掘削技術を専門にする企業を、ベルリンとペンシルバニアに立ち上げました。そして昨夏のある日、彼は遠く離れた世界でのニュースを目にしました。33人の男性がチリの鉱山で閉じ込められ、誰も彼らを助ける術を知らなかったのです。しかし、ブランドンは自分の会社なら、助けることができると考えました。なので、彼はプランBとして知られることになる救出を計画していました。彼の従業員たちは穴を掘るのに必要な装備を製造するため24時間中働きました。そしてブランドンはチリに向かって出発ました。他の従業員たちと共に、彼は地面に2000フイートの穴を掘りはじめました。3,4日、少しも眠らずに働きました。37日後、プランBは成功し、鉱夫たちは救出されました。(Applause.)しかし、彼はすべての注意をそこに注ぎたくなかったので、鉱夫たちが救出されたときそこにはいませんでした。彼はすでに国に帰り、次のプロジェクトにとりかかっていました。その後、彼の従業員のひとりが救出について語りました。「センターロックは小さな会社ですが、私たちは大事を為すということを証明した」と。(Applause.)

 大事を為す。大陸発見の最初期から、アメリカは夢に向かって行くことが普通の人々の物語であり続けています。それこそが未来を勝ち取る方法なのです。私たちの国はこういう国です。「たくさんのお金は持っていないかもしれない。けれども、新たな会社への大きなアイデアを持っている。」「大卒の家の出ではないかもしれない。けれども、自分が学位を得る最初の一人になるつもりだ。」「人々が困っているのは知らないかもしれない。けれども、彼らを助けることができる、助けようと考える。」「地平を越えてより良い場所にいかに近づくか確信はないが、ここに得るだろうとわかっている。私たちはそうなるとわかっている。」
 大事を為す。(Applause.)アメリカの思想は続いています。私たちの運命は、私たちの選択にかかっています。そして今夜、2世紀もの後も、未来は希望に満ちていると信じる人たちのおかげで、私たちの旅は前進し、そして合衆国は強いのです。