アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

ブレードランナー2049

2018-02-23 23:54:21 | 映画
『ブレードランナー2049』 デニ・ヴィルヌーヴ監督   ☆☆☆☆  去年映画館で観た時は話がよく分からなかったので、iTunesのレンタルで再見した。あの伝説的な名作の続編ということで、評価も色々と割れているようだ。私の感想は、かなり頑張っているし悪くはないけれども、やはり前作よりは劣るなあ、というものだ。  前作『ブレードランナー』の第一の魅力はなんといってもあの壮麗なビジュアルだったが、 . . . 本文を読む
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ドクター・スリープ

2018-02-20 22:30:57 | 
『ドクター・スリープ』 スティーヴン・キング   ☆☆★  ニュージャージーの紀伊国屋書店に文庫本が並んでいたので、つい買ってしまった。もはや私はスティーヴン・キングの新刊にほぼ何の期待感も抱けなくなってしまっているのだが、やはりあの『シャイニング』の続編といわれると血が騒いでしまう。『呪われた町』『シャイニング』『ファイアスターター』『デッドゾーン』『クージョ』と、あの頃のキングの魔法の如き光 . . . 本文を読む
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ローサは密告された

2018-02-17 11:09:13 | 映画
『ローサは密告された』 ブリランテ・メンドーサ監督   ☆☆☆★  米国版DVDで鑑賞。話し言葉が英語でなくフィリピン語だと気づいたのは買った後だったが、まあセリフは簡単なものが多いのでノープロブレムだ(私は英語以外の言語の映画はなるべく日本語字幕で観たい人なのである)。一言で言うと、ドキュメンタリー風トラブルものである。国も文化も違うが、手法としては『サンドラの週末』『The Lesson』な . . . 本文を読む
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かなわぬ想い―惨劇で祝う五つの記念日

2018-02-13 21:34:13 | 
『かなわぬ想い―惨劇で祝う五つの記念日』 今邑彩/小池真理子/篠田節子/服部まゆみ/坂東眞砂子   ☆☆☆☆  この本は自分で買ってきたのではなく、誰かが持ってきたか何かでいつの間にか本棚に紛れ込んでいたのだが、ためしに読んでみたら思いの他良い。要するにホラー・アンソロジーなのだが、現代の女流作家ばかり集めてあるのが特徴。それぞれ個性があって、微妙に異なる味わいを楽しめる一方で、やはり女流作家な . . . 本文を読む
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女は二度生まれる

2018-02-10 22:04:54 | 映画
『女は二度生まれる』 川島雄三監督   ☆☆☆☆★  『不信のとき』に続いて若尾文子先生出演作品をDVDで鑑賞。1961年公開。これも『不信のとき』に匹敵する面白さ、完成度の高さだった。こちらは堂々たる若尾文子の単独主演である。  「みずてん芸者」という言葉はこれまで知らなかったが、芸がなくて男と寝ることで生計を立てる芸者のことだそうだ。若尾演じる小えんはこのみずてん芸者で、色んな男に天真爛漫 . . . 本文を読む
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水族館の殺人

2018-02-07 23:41:28 | 
『水族館の殺人』 青崎有吾   ☆☆☆★  『体育館の殺人』がよかったので二作目『水族館の殺人』を読んだ。今回は新聞部員たちが取材に行った水族館で事件が起きる。職員の一人がサメの水槽に落下して喰われるという派手な事件だ。人の出入りが監視カメラその他できっちり分かるので簡単な事件と思われたが、犯行可能な職員たちの行動をチェックすると全員に犯行時刻のアリバイがあることが分かり、行き詰る。そしてまた、 . . . 本文を読む
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殺しのリハーサル

2018-02-04 12:43:53 | テレビ番組
『殺しのリハーサル』 デヴィッド・グリーン監督   ☆☆☆★  アマゾンPrimeで発見し、珍しいものがあるなと思って鑑賞。アメリカのテレビ映画で、画質は信じられないくらい悪い。昔のVHSビデオテープ(しかも二度ぐらいダビングしたもの)並み。結構きつかったが、頑張って最後まで観た。これは『刑事コロンボ』の生みの親の脚本家コンビ、リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンクが手掛けたミステリ・ドラ . . . 本文を読む
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1941年。パリの尋ね人

2018-01-31 23:09:16 | 
『1941年。パリの尋ね人』 パトリック・モディアノ   ☆☆☆☆☆  『さびしい宝石』を再読して自分の中でモディアノ評価が更に上がったため、次に代表作と言われる『1941年。パリの尋ね人』を読んでみた。代表作と言われるのは、モディアノがノーベル文学賞を受賞した理由である「最も捉え難い人々の運命を召喚し、占領下の生活世界を明らかにした記憶の芸術に対して」の「記憶の芸術」が、つまり本書を指している . . . 本文を読む
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不信のとき

2018-01-28 11:28:19 | 映画
『不信のとき』 今井正監督   ☆☆☆☆★  1968年公開、田宮二郎主演映画『不信のとき』をDVDで鑑賞。またどろどろのB級サスペンスかな、と思って観たらこれはかなり高品質だった。田宮二郎演じる浅井は商事会社宣伝部のサラリーマン。そこそこ出世もし、美人で社会的地位もある妻(書道の先生)にも恵まれ、子供がいないことを除けば取り立てて不満のない生活を送っていたが、ある時バーのホステスと関係を持って . . . 本文を読む
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光の子供

2018-01-25 21:50:59 | 
『光の子供』 エリック・フォトリノ   ☆☆☆★  『運命と復讐』に続きこれも新潮クレスト・ブックス。フランスはル・モンド紙元編集長による《フェミナ賞受賞作》だが、私としてはフランス映画のエッセンスをたっぷり盛り込んだ小説というところに惹かれて手に取った。語り手「わたし」はパリの弁護士、ジル・エクトールで、父親は映画の撮影技師にしてスタジオ写真家だったジャン、母親は女優というだけで誰かは分からな . . . 本文を読む
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沈黙 -サイレンス-

2018-01-22 23:46:52 | 映画
『沈黙 -サイレンス-』 マーティン・スコセッシ監督   ☆☆★  Amazon Primeで鑑賞。原作は既読。あの重苦しく息苦しい原作をスコセッシ監督がどう料理したか気になったので、かなりの鬱映画だろうなと覚悟しつつ観た。主演はアンドリュー・ガーフィールドと最近あちこちで見かけるアダム・ドライヴァー。日本人俳優も多数出演している。  上映時間も3時間弱と長く、重厚なドラマなので体力を必要とす . . . 本文を読む
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運命と復讐

2018-01-19 00:30:09 | 
『運命と復讐』 ローレン・グロフ   ☆☆☆★  オバマ大統領も愛読したというローレン・グロフの『運命と復讐』を読了。ホントなんでしょうか?  夫婦の物語である。それも二人の出会いから死別までどころじゃなく、歳月を遡って、主人公カップルの両親の出会いからおもむろに書き起こされるという、年代記風の一大大河小説である。もう大長編。本もぶ厚い。構成に特徴があって、前半が夫視点の物語、後半が妻視点の物 . . . 本文を読む
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

2018-01-16 22:47:46 | 映画
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』 ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン監督   ☆☆☆☆  Amazon Primeで鑑賞。最近遅ればせながらAmazon Primeの会員になると色んな映画がタダ見できることに気づき、さっそく加入して観まくっているが、これもその一つ。コーエン兄弟の映画だけれども、『ノーカントリー』や『ファーゴ』や『バーバー』のテイストを期待すると全然 . . . 本文を読む
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体育館の殺人

2018-01-12 22:02:28 | 
『体育館の殺人』 青崎有吾   ☆☆☆☆  平成のエラリー・クイーン、と呼ばれる青崎有吾のデビュー作を読了。クイーンばりの論理的推理という噂を聞いて以前から気になっていたが、文庫が出ているのを知ってAmazonで取り寄せた。まあクイーンばりと言ってもまだ若いしデビュー作だし、ちょっとラノベっぽいという噂もあるし、ということであんまり期待していなかったが、意外にもかなり良かった。少なくとも論理的推 . . . 本文を読む
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サクリファイス

2018-01-08 23:23:48 | 映画
『サクリファイス』 アンドレイ・タルコフスキー監督   ☆☆☆☆  タルコフスキーの遺作、『サクリファイス』を日本版ブルーレイで鑑賞。タルコフスキーは『ストーカー』を最後に母国ソ連を離れ、『ノスタルジア』と『サクリファイス』はヨーロッパで撮られた。そのせいで『ノスタルジア』以降はテンションが落ちると評するファンもいるようだが、私にはあまり分からない。もっと何度も繰り返し観れば違うのかも知れないが . . . 本文を読む
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