江戸観光案内

古地図を片手に江戸の痕跡を見つけてみませんか?

仙台坂

2014-02-08 | まち歩き

南麻布に在る韓国大使館の前の坂が仙台坂です。仙台坂の南側一帯に仙台藩伊達家の下屋敷が在ったことから名付けられました。古地図[1]を開き、仙台坂の南側に目をやると、「松平陸奥守」と記されています。ここが仙台藩伊達家の下屋敷です。伊達家の屋敷なのに、なぜ「松平陸奥守」と記されているのかを疑問に思う人もいるかもしれませんが、それは徳川幕府が伊達家に与えた「松平」の名字と陸奥国を治めていた伊達家の役職「陸奥守」が記されているからです。


仙台坂を上りきり、右に折れて道なりに行った先が暗闇坂です。鬼平犯科帳(二十二)(文藝春秋、池波正太郎著)の中では、平蔵を陥れようとする浪人・安藤玄丹が、この道筋をたどり、他の浪人がたむろする暗闇坂下の道場に向かう場面が登場しています。


東京で「仙台」の名の付いた地名は、仙台坂以外には京急本線の青物横丁駅と鮫洲駅の中間付近にもう一つの「仙台坂」が在るほか、深川と御茶ノ水にそれぞれ「仙台堀」が在ります。


仙台坂が登場するその他の作品

  • 百田直樹著、影法師、講談社

[1]麻布広尾辺絵図 嘉永二年(1849年)


仙台坂(麻布山入口交差点) 東京都港区麻布十番3-9-5

東京メトロ南北線麻布十番駅から約400m 徒歩約5分


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