エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

菅原靖彦氏著書 「ゆったりハイキング」

2019年09月19日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
菅原靖彦氏著書
札幌から日帰り
  「ゆったりハイキング」
 ポロト自然休養林周遊
■ 山 行 日    2019年9月19日(木)  日帰り
■ ル ー ト    ビジターセンター~自転車道~望岳台~もみじ平
                    ~白老林道~自転車道周遊コース

■ メ ン バ ー     夫婦登山 №28
■ 登 山 形 態     遊歩道ハイキング
■ 地 形 図    1/25000地形図  「森野」「白老」
■ コースタイム   一周 約7㎞   3時間
<タイム>
10:55     ポロト湖キャンプ場P発
11:15     緑化遊歩道分岐
11:35~45  望岳台
12:10     送電線下(樽前山の眺め良し)
12:35~45  もみじ平
          白老林道
13:05     自転車道分岐
13:25     自転車道経由し緑化遊歩道分岐
13:35     キャンプ場出合
13:55     P着


★ 日帰りハイク、いい本出ました!・・・
今年の4月に出版された菅原さんの著書「札幌から日帰り ゆったりハイキング」は、
直ぐに買い求めて興味深く読ませて頂いた。私たち夫婦もそろそろ重荷を背負っての縦
走には限界もあるし、厳しい藪漕ぎや沢登りも徐々に辛く感じるようになって来た。
常に1000m超峰の未踏峰を意識しながら計画は進めているが、一日だけの休日なら
未踏狙いが難しい山行も多くなっているのは事実だった。そんな時、この本の活用がと
ても気分転換になって新鮮だったのが嬉しかった。

44コースの内、すでに訪ねていたコースも幾つかあったが、近くにありながらまった
く知らなかった休養林遊歩道や公園内の遊歩道に始めて訪れて見ると色々新たな感動も
あり登山とは一味違うハイキングの楽しさを教えてくれる一冊だなぁ~と購入後はすで
に幾つかコースを訪ねて愛用し始めたところだった。

私たちが「里山」と呼んでいる長沼町の「瀞台」で菅原さんご夫妻と偶然出会ったのは
もう5年も前になるなんて、時の経つのが余りにも早いなぁ~と思った。
コツコツと札幌近郊の山々をご夫婦で調査(取材)しながら登り、膨大なデーターをまと
めた一冊であることは間違いないと思う。
これまでに「北海道夏山ガイド」を始め、「北海道ファミリー登山」「札幌・小樽ゆっ
たりハイキング」や「北海道雪山ガイド」「北海道スノーハイキング」の編集にも関わ
って来たし、わがHYML(北海道の山メーリングリスト)所属会員としても多くの仲間
たちと親睦を深めながら時に、取材山行と称してオフミ登山も数え切れないと思う。



2014年11月に再会した菅原さんと奥様・・瀞台にて



ビジターセンターで頂いたパンフレットの案内図から・・・


GPSログを元に地形図に移行したルート図です・・


ポロトの森キャンプ場駐車場


駐車場入り口にある標識

★ ビジターセンター~もみじ平まで・・・
まずまずの天候に恵まれて自宅から1時間半ほどで着いた。
ポロト湖入口周辺は、来年完成予定の「民族共生象徴空間」(国立アイヌ民族博物館)施
設工事の真っ盛りで、休養林入口が分かり難かったが通行は可能だった。ポロト湖を右
手に舗装された細い道路を走るとすぐにインフォメーションセンターが左手にある。
くねくねした道路を更に進むとやがて高速道路の下を潜り程なく遊歩道とキャンプ場の
ある「ポロト自然休養林」入口に到着した。
駐車場も広くキャンプ場も整備されていてとてもきれいに管理され驚いた。ログの立派
なビジターセンターにはまだ常駐しているスタッフも居て作業をしていた。11/30
まではインフォメーションセンターとビジターセンターは営業していて、キャンプ場は
通年使用出来ると言う。ただし、バンガローは冬期間使用不可らしい。

ポロト湖はアイヌ語で「大きな沼」の意らしい。周囲約4㎞、33㏊あり自然休養林ポ
ロトの森に触れる機会に感謝したい気持ちになった・・。



入口に建つビジターセンター


センター前に設置された案内図


キャンプ場にある立派なロッジ


各分岐に設置された案内標識、地形図には遊歩道の詳細な表示が無いのでガイド本必須です。

★ 初秋の散歩道・・・
菅原氏の著書「ゆったりハイキング」でのおすすめコース、馬の背遊歩道~もみじ平は
一周約7㎞で所要2時間半とされていた。山登りとは違うハイキングなら7㎞の距離は
それ程長くは無く2時間~3時間の歩きもまったく気にならない時間だ。

当初おすすめコースを忠実に歩くつもりだったが、馬の背遊歩道の入口が分からずビジ
ターセンター横の遊歩道に入ってしまった。少し歩いてから本を出してコースを確認す
るとどうも「自転車道」を歩いているようで「緑化遊歩道」分岐の標識を見て確信した。
右折して緑化遊歩道を辿り「鹿追遊歩道」と「馬の背遊歩道」の分岐をそのまま直進す
ると程なく「望岳台」に到着した。ガイド本には、樽前山の眺めよしとあるが、木々の
葉が邪魔をして眺め悪しだった・・。

望岳台から目的のもみじ平までは「望樽遊歩道」を歩き、休養林最高点である標高13
0mを通過し少しずつ高度を下げながら直線的な遊歩道をすすむ。見応えのある巨木の
多さに驚いたり、整備された遊歩道には落葉した葉がジュータンとなってそこにどんぐ
りが沢山落ちている様は正に初秋のハイキングだった。
やがて送電線の下を通過するが、北側に樽前山がクッキリと眺められ足を休め所だ。
そこを過ぎると尾根上の遊歩道を下って自転車道の分岐に出合い更に進むと「ウツナイ
川源流湧水地」の標識があり立ち寄って見た。遊歩道から少し降りた場所にウツナイ川
の源流があり湧き出ているのが確認出来る場所だった。

遊歩道に戻りもみじ平までは500mほどで着いた。
広い休憩地でトイレもあるが、使う気にはなれなかった・・。



「望岳台」


望岳台の案内図


送電線下から望む「樽前山」は眺めがいい


望樽遊歩道を歩く・・・


もみじ平のトイレ・・・掃除はされているが、ちょっと使う気にはなれなかった。


休養林遊歩道の一番奥にある「もみじ平」 


広いもみじ平の休憩地・・・


なるほどなるほど・・・

★ 帰路は白老林道・・・
休養林の一番奥に当たる「もみじ平」までは1時間半ほどで着いた。
汗も掻かず快適な森林浴の散歩は気持ちが良い・・・ただ、遊歩道には熊の糞が何ヶ所
かあり、終始ルンルン歩きとはならないかも知れない。鹿やタヌキにも出会い驚かされ
たが帰路の林道歩きは左手に流れるウツナイ川ともみじの木が連立していて紅葉の時期
にもう一度訪れたいと思うほどである。

1㎞ほど歩くと自転車道に繋がる分岐標識があり100m程なので、ルートを変更し左
折した。清流ウツナイ川は、冷たく美味しい水でそれがポロト湖に流れている。

自転車道からキャンプ場に戻る道中、整備された植林帯に出合い興味深く見学する。
ここはイオルの森(アイヌ語で猟場の森の意)と名付けられた植林帯で白老町と財団法人
アイヌ文化振興・研究推進機構が昔のアイヌの人たちの猟場を蘇らすために木々を植え
育てている場所らしい。未来のアイヌの人たちがその木々を色々な用途に使えるなら嬉
しくかつてのアイヌの人たちの生活や知恵を学べる場所になれば嬉しい。と書かれてい
た。



白老林道から自転車道へはウツナイ川に架かる木道橋を渡るが、清流のウツナイ川は冷たく美味しい水だった


一本一本丁寧に保護された植林・・色々な種類の木が植えられていた


イオルの森


最後に立ち寄った「植物観察浮橋」・・駐車場から


ポロト湖と樽前山・・・札幌の某小学生一行がボートで楽しんでいた  

★ ぐるっと一周・・・
周囲約7㎞、約3時間のハイキングだった。

身近なところでも訪ねる事も無く存在すら知らぬまま人生を終える場所は沢山あるんだ
ろうなぁ~と変な思い付きである・・・。
北海道の全山1594座を登った故・児玉保則氏でも山を離れたら知らない世界は沢山
あった事だろう・・。いや自分の住む街でさえ行っていない場所は沢山あり、家の周り
でさえそうであるから「知ら無い事尽くし」を今更考えること自体可笑しいかも知れな
い。

今回のゆったりハイキングは、初山に登る感動に似ていて新鮮で気持ちの良い散歩が出
来たと来た事に満足した結果だった。これからも知らない場所を訪ねて夫婦仲良く歩け
たらいいなぁ~と締める事にしよう。
次は、紅葉のポロトの森に再訪出来ればと思う・・・。