エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

夫婦久しぶりの再訪も・・・徳舜瞥山(1309m)

2021年02月25日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
吹雪で途中敗退もぱふぱふ満喫、今季最高!・・・
夫婦共に久しぶりの再訪・・・徳舜瞥山(1309m)
■ 山 行 日     2021年2月25日(木)  日帰り くもり~吹雪
■ ル ー ト     西尾根ルート(牧場ルート) 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №10
■ 登 山 形 態      山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図 「蟠渓」「徳舜瞥山」
■ 三角点・点名    三角点無し  ホロホロ山は一等三角点 点名「徳心別山 トクシンベツヤマ」
■ コースタイム    登り 2時間35分 (C1050まで)    下り 40分
<登り>
08:40         登山口P帯
11:15         C1050付近 登行中止 (吹雪、視界不良のため)

<下り>
11:20         下山開始
11:30         C960付近 林道終点のやぐら
12:00         登山口P



GPSログを元に地形図に移行したものです・・・

★ 今日だけ晴れる?・・・
連日、大雪が降っている石狩や空知地方だが、24日岩見沢では56㎝、新篠津では50㎝降った
と報道があり驚いた。これは2月の観測史上として最多を更新したらしくJRなどの交通機関にも
大きな影響を及ぼした。
そして、今日も同じような場所で雪が降っているが、他人事のように晴れている地域を探している
ノー天気な夫婦はここに居る・・・。

2月も末が近づき未踏1000mシリーズの選択に悩みながら、決められない状況でちょっと焦り
気味。遠征が必須で1泊2泊の計画ばかりだから天気が最大の決め手になる。しかし、今日は日帰
りしか出来ず、晴れそうな苫小牧、室蘭地区の山に登る事にした。

徳舜瞥山とホロホロ山は、すでに夫婦で登頂済みだが、今回の西尾根ルートは初めて。以前から興
味を持っていて地形図を見る限りスタートから終始緩斜度の長い尾根が続き、最後の標高差300
mの登りだけハイマツ帯の急登と読んで一応アイゼンを持って臨んでみた。



駐車地から林道を辿り「村有牧野」と呼ばれる牧場の中に入って行く・・


小高い丘のような牧場の南端へ・・風があり風紋が厳冬の厳しさを物語る・・・

★ 960mやぐらまで林道歩き・・・
スタートして最初の林道には古いトレースが残っていたが、牧場に入るとノートレースとなり現地
判断でルートを定めた。とは言っても、辿るルートは牧場の南端に絞られ、そこは広い林道になっ
ていた。林道の北側には広大なエゾ松の人工林で埋め尽くされているので必然とルートが定まるよ
うだ。林道はところどころで分岐に出合うが進む方向を定めると悩むことなく高度を稼ぐことが出
来た。
地形図上の林道終点となる標高960m地点には、単管で作られた立派な櫓 (やぐら)があり驚いた
が、天気が良ければ櫓の上に登り頂上の展望台なのか?と思えるものだった。
ここまで緩斜度ながらずっと登り斜面で、新雪はぱふぱふだった。ラッセルも10㎝ほど沈む程度
なので下りのスキーが楽しみだった。



林道から正面に徳舜瞥山が見えて来た・・・周りの松は人工林


広い林道は歩き易く、微かに登り勾配があるので下りが楽しみだ・・・しかし、天気が。


松やダケカンバの枝に積もった雪の造形が見事でつい足が止まる・・・


林道終点、標高約960mに立つ「やぐら」

★ 視界の無い樹林帯へ・・・
やぐらに到着してGPSで現在地を確認する。
すでに雲行きが悪くなっていて雪も降り始めていた・・。ここで思案するところ。頂上はまったく
見えず上空の雲も晴れる兆しは感じない。夫婦の協議で「ここで登行を中止するか!?」と顔を見
合ったが、時間もまだ10:30過ぎなので「樹林帯を抜けるところまで行って見るか!」と前進
で決まる。

ここでも方向を定めて樹林帯に入りフカフカの新雪に足跡を残す。すると偶然にも古いトレース痕
を発見。樹林帯の中は風が弱かったのでラッキーなトレースとなり見失わないように辿る事にした。

天気が目まぐるしく変わり、時折青空も出るのに1分と持たずに雪雲で消されてしまった。
標高1040m付近が森林限界となり樹林帯から抜け出した。正面に徳舜瞥山が聳え立っているは
ずだが、なかなか見せてくれない。空模様は増々怪しくなり完全に吹雪になって来た。下界の天気
予報は夕方まで晴れのはずだったが、山天気は気まぐれだ。

初コースをここまで来れたのでピークが踏めずとも満足だった。仮にピークを踏んでも展望は無く
厳しい寒風に曝されるなら写真も撮れないし、辛いだけなので無理は禁物・・・。

C1050付近で登行を中止した。



たまには被写体・・・チーヤンに撮ってもらった唯一の一枚


松の造形美・・・もっと雪が付けばモンスターなのだが。


登行を中止したC1050付近から徳舜瞥山を望む・・・見えているのは麓部分だけ頂上は雲の中だった


風が強かったので三脚を出さず、チーヤンだけ。

★ 今季最高のぱふぱふ満喫!・・・
下山開始後、風の弱い樹林帯に戻ってスキーのシールを外した。
片道約4㎞で登山口までの標高差は約500mだ。ほとんど林道だが辿って来たトレースに乗ると
ぱふぱふのパウダーは面白い程滑った。大斜面のオープンバーンと言う訳には行かないが、一歩一
歩残したトレースとは言え、自動運転で戻れるのは楽だし楽しい。雪質は本当に良く私たちにとっ
ては今季最高のパウダーだった。



下りはすぐに樹林帯に入る・・・


神秘的な風景に飲み込まれるようだ・・・


ひょっこりはん・・・


ここでシールを外す・・・

★ 僅か40分・・・
スキーを使った登行の度に思う・・・それは、下りの速さ。
今回も登り2時間30分掛かったところに下りは僅か40分で降りてしまった。最後の牧場では少
しだけ登り返しがあり、吹雪でトレースが消えてしまったので時間を食ったが気になるロスではな
かった。

晴れていれば、コース途中からニョロニョロのある「大滝百畳敷洞窟」にも寄りたかったが、吹雪
だったので下山を優先した。

登山口に着くと別の車一台が停まって居て、中から外国人の男女二人が出て来た・・。
これからニョロニョロを見に行くと言うが、雪は本降りで少し風もある。帰り支度している内に彼
らはスノーシューで向かったようだ。駐車地からニョロニョロのある洞窟までは片道30分強らし
い。次回があれば是非私たちも行きたい場所である・・・。



写真では、面白さが伝わせないがそれなりにスピードも出て楽しい下りだった。



★ 納得した下山・・・
登行を中止して下山を決めたC1050地点。すでに吹雪も予報は晴れだった。
それを期待して登頂を選べば更に1時間は掛かったと思う。山頂部は風も強いだろうしきっと視界
も無かっただろう・・。下山してから本降りの雪を見て、車の中で顔を見合う。
「あそこで止めて良かったね!」・・・本当は、ちょっと心残りも降りてから納得の下山だった。
冬山は、やっぱり無理は禁物。改めて感じた教訓だった・・・。ルートとしては面白くまた天気の
良い日にニョロニョロとセットで再訪したいと帰路に就いた。