エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

身近な一等三角点・・・「姨失山(うばうしやま)」

2019年11月30日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
                 うば  うし  やま
身近な一等三角点・・・姨失山(252.1m)
久しぶりの夫婦山行は、プチ冬山ハイキングだった・・
■ 山 行 日    2019年11月29日(金)  日帰り
■ ル ー ト    奥地林道幌内宇隆線ルート
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №37
■ 登 山 形 態     旧作業道&笹藪 (長靴)
■ 地 形 図    1/25000地形図  「厚真」
■ 三角点・点名   一等三角点 点名「姨失山 オバウシナイヤマ」
■ コースタイム    登り 20分   下り 12分
<登り>
09:52   駐車地出発(標高175m)
10:12   姨失山(252m)頂上

10:20   西峰へ
10:30   西峰(235m)頂上・・笹の中
10:33   東峰へ

11:00   東峰(262m)頂上・・広場がある

<下り>
11:08   下山開始
11:20   駐車地



GPSログを元に地形図に移行したルート図です・・・

★ 意外に登られていた・・・
何気にリンクしている岳友のHPを覗くとつい先日登っていた「姨失山」の記録が目に
留まった。標高は252mと低いが、一等三角点で余りにも近くにある山なので気にな
って来た。色々調べ始めるとHYMLのメンバーだけでなくYAMAP、ヤマレコでも
記録をアップしていて「知らなかったのは俺だけか・・」とプチショックを受けた。

山名もなんと読むのか判らなかったが、姨(おば)と書いてうばと読んだり、姨失となれ
ば、おばを失った山=姨捨て山と重なってしまい、どんな山かと尚更気になってしょう
がない。今月は妻のチーヤンとも休みが一緒の日が多い割には、夫婦登山の機会が少な
く私自身も家でゴロゴロの日が続いていた。それは、つい先日までわが家の修復工事で
業者が来ているので家を空ける事が出来なかった事が主な理由になっていた。
昨年の胆振東部地震と今年2月の大きな余震でもわが家は再び被害を受けてしまい、ず
っと工事の発注と順番待ちの状態が続き、ようやく終わった・・・ところである。

さて、山名は、山の北側に流れるオバウス沢川が由来のようだ。この沢にも平行した林
道があり北側から姨失山に登る事も可能と読むが、南側の石油沢川沿いの奥地林道幌内
宇隆線を利用した記録が多いので、今回はこちらを利用する事にした。



奥地林道出合から約2.5㎞入った所に地形図に載っていない林道出合が登山口となる

★ 復旧工事中・・・
厚真町は、昨年の胆振東部地震で震源地となった町。
広大な範囲で山が崩れ多くの方が亡くなった被災地でもある。そして今もなお避難生活
を余儀なくされ二度目の冬を迎えようとしている現実を忘れてはいけない。町内外では
復旧工事もずっと続けられているが、余りにも広大なため林道の復旧にはまだまだ時間
が掛るのかも知れない。ただ、この奥地林道は、復旧工事が進んでいてかなり整備され
ている印象だ。登山口となる標高約175m付近もきれいに整備された林道で駐車出来
る広いスペースもあり登山するものにとってはありがたいものだ。



樹林はほとんどカラマツで覆われ、その中に旧作業道が伸びている・・・


正面のポコが姨失山。ほぼ頂上付近まで作業道が伸びている感じだ・・


所々、作業道からの眺望は良い。低山ながら複雑な地形の中に縦横無尽に走る作業道が目立つ


右の小高い山が「東峰262m」だが、この時まだルートは不明だった・・

★ 散歩でした・・・
駐車したのは、林道脇だが余りにもきれいに整備されたところに先ずは拍子抜けした。
そして、狭い旧作業道と言っても立派な林道に近く、落葉したカラマツが朝陽に照らさ
れ、飾りを付ける前のツリーがキラキラ光ってるように見えて不思議だった。
駐車地の標高は約175mだったので、頂上までの差は77mしかなく、歩く道が作業
道であれば、まさに散歩感覚で快適な登行だった。もしやこのまま頂上までと思ったが
ほんの少し手前で道が切れて笹藪に突入・・・とは言っても、しっかり踏み跡とピンテ
があり迷う事はなかった。HPで見た写真と同じ頂上に着き、周りが笹に囲まれた暗い
イメージの中に三角点があり景色は皆無だった。
早々写真だけ撮って、次は西峰に行く事にした。



山頂手前で作業道は切れてしまい笹藪を少し漕いで頂上となる・・・


笹藪を刈払いした中に三角点があり、展望はゼロだ・・・


11/29 姨失山 初登頂です・・


誰が作ったのか、手作りの小さな標識が残されていた・・・

★ 西峰は笹藪・・・
西峰とか東峰と呼ぶには余りにもおこがましいと言いたくなるピークである。
それは、単に作業道を切り開いたときにたまたま残されたピークのようで、行くのもた
めらったが、地形図を見る限り西のポコには違いがないので行く事にした。ここもピー
ク直下まで作業道跡を辿り、あとは笹藪をちょいと漕ぐとポコに着いた。
姨失山からほんの10分だったが、三角点も無いしただの笹原だった。写真も撮らずす
ぐに下山となる。

次は、東峰だが標高的にはこの辺の最高点で262mのポコである。
姨失山に行く途中の作業道から望んだ時に、ここにも北側の直下に道があったが、現在
地からは繋がっておらず、別の道を探してみる事にした。



藪を抜けると西峰が目の前にあった。作業道がすぐ手前まで続く


白い帽子を被ったアザミが可愛かった・・・


西峰付近から望んだ北側の山々・・・崩れ落ちた山肌が痛々しい


東峰へのルートを探してつい笹藪に突入してしまった・・・

★ ルートミス笹藪漕いだ・・・
登って来た旧作業道を戻りながら東峰に取付く道を探したが見つからず、結局南側の笹
藪を漕いでそれらしき道を探す事にした。(本当は戻ればいいルートがあった・・)
最初は腰くらいまでの笹藪も次第に濃くなって背丈ほどの藪に突入してしまった。
笹に付いた雪で雨具を濡らしながら10分程漕ぐと、廃道化した薄い藪道を見付け更に
数分ほど漕ぐとようやく東峰の東尾根上に出て藪を出た。そこにはまた作業道跡があり
まもなく頂上だった。ここにも三角点は無くGPSと地形図でピークを確認しただけで
あるが、広く平らなスペースがあり眺望は三山の中で一番良かった。

見渡たし遠望すれば、日高の主峰「幌尻岳」を望み反対側には太平洋と苫小牧市街地の
工場煙突や厚真町市街地も望む展望台だった。同時に地震で崩れ落ちた山の斜面も目立
って複雑な心境となるが、この青空に許しを請いて下山する事にした。

下りは、北側の薄く低い笹藪を少しだけ漕ぐと作業道跡に出て西に進むと先ほど歩いた
作業道に出合いあっという間だった。あとはほんの5分で駐車地に着き終了。



結構な藪を約20程漕いでしまった・・・


ようやく藪を出て東峰の頂上に着く・・・


最高峰の東峰(262m)にて・・・右側の奥の白い山並みに幌尻岳を望む


ちょっとアップして・・・


北側の眼下に望む作業道が印象的だった・・・


北西に望む厚真市街地・・・


東峰から望む姨失山・・・


作業道に戻ればあっと言う間に駐車地に着いた・・・

★ 身近な発見は楽しい・・・
わが町の隣、厚真町の山奥に来る機会はほぼ無いと言っても過言ではない。
しかし、機会を得て来てみるとあっちこっちで工事が行われているし、奥に立ち入れば
被災した山肌を直視し自然の驚異を目の当りした思いだった。わが街もわが家も被災し
たが避難生活する事は無く見た目は平穏そのものだ。災害ボランティアや復興ボランテ
ィア活動にも参加して少しでも被災者のお手伝いと思っているが、隣町の出来事すら知
らない事ばかりで、現実何も知らない事ばかり。

それをひとつでも知る事が出来れば、それは楽しいし山以外でも興味が湧いて来る。

これからも地元を大切に、近隣の町ももっと知りたいと思った次第だ・・・。


★ とんだ姥捨て山・・・
笑い話にして下さい。
姨失山⇒姨捨て山⇒姥捨て山・・・。いったいどんな山だろうと興味津々も行って見る
と、ただの丘でした。ただの笹山でした。仮に姥を捨てる山とはどんな山が適している
のかも分からないので、姨失山と姥捨て山を重ねる事は出来ませんでした。
いわいる迷信の物語・・・。でもちょっとだけ楽しませて頂きました!