エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

屋久島遠征・・その① 宮之浦岳(1936m)

2012年11月01日 | 山紀行 (本州)
屋久島遠征・・その①
百名山・九州最高峰 宮之浦岳 (1936m)

■ 山 行 日   2012年10月26日(金)  日帰り
■ コ ー ス    淀川登山口コース
■ メ ン バ ー   団体約300名
■ 登 山 形 態  登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図  「栗生」「宮之浦岳」「永田岳」

■ コースタイム  登り 4時間  下り 3時間50分
<登り>
淀川登山口5:35--淀川小屋6:15--花之江河7:30--投石平8:15--宮之浦岳9:35

                                     (登り 4時間・・休憩含む)
<下り>
宮之浦岳下山開始10:10--投石平11:18~35休--花之江河12:05
--淀川小屋13:15~25休--登山口14:00
  (下り 3時間50分・・休憩含む)

★ 始めての屋久島・・・

屋久島って?・・・どんなところ
と聞かれると九州の南にある暖かい島、世界自然遺産に登録された「縄文杉」のある島、
そして九州最高峰・日本百名山「宮之浦岳」のある島くらいが精一杯のエバでした。

今回チャンスを得て計画を練るために色々と屋久島の勉強(ガイド本を読むだけ・・汗)をしていると
増々興味が湧いてあっちにもこっちにも行きたくなってしまう魅力溢れる島となりました。

始めての屋久島、不安と期待を抱きながら人のお世話にもなり少しでも楽しい旅になればと
興奮気味の準備期間でした。


★ 格安旅行パック・・・

10/24~26までは、団体行動で自由な時間は僅かでした。行程も決められた格安パックを利用
するため24日は鹿児島市内ホテル泊、25日午後にようやく屋久島へ上陸して登山大会開会式に
臨む計画となりました。(ちょっともったいない1日がありましたねぇ~・・・)

鹿児島港から高速フェリー「トッピー号」に乗船し、時速70キロで1時間45分、飛行機と同じように座席
にはシートベルトがあってずっと座ったままの船旅でした。
そして、始めての屋久島上陸は宮之浦港です。
大会スタッフが用意したバスに案内され大会会場となる安房地区安房体育館まで移動。
開会式に参加して全国から集まった仲間たちと出会いました。

宿泊は民宿
屋久島の美味しい料理と芋焼酎「三岳」は絶品でした。


10/27~30は、フリーとなり温めて来た屋久島のそれぞれをパック期間一杯を使って楽しみました。

★ 太古の森が広がる世界遺産の島・・・

ほとんどガイド本からのパクリですが・・・
標高1936mの宮之浦岳を主峰とする島。亜熱帯から冷温帯までの植物が垂直分布し、
特に標高500mを超える森には樹齢1000年以上の屋久杉をはじめとする特異な生態系
が見られ、平成5年12月に世界自然遺産に登録された。

標高1000m以上の山は46座その内1500mを超える山は20座も集まっている、洋上の
アルプスとも言われている。
全島が花崗岩からなり島の骨格を成す稜線は、宮之浦岳と永田岳を中心に南に栗生(くりお)岳、
翁(おきな)岳、安房(あんぼう)岳、投石(なげし)岳、黒味(くろみ)岳が連なり四方に尾根を延ばしている。

樹齢数千年の屋久杉、巨大な瀑布、清らかな渓流など深く美しい自然が展開している。

森の主と言われいる「縄文杉」。幾千年もの時を経て島一番の大木となったその姿を見ようと往復8時間
以上を掛けても多くの人が歩んでいく。

太古からの生き証人に出会う「縄文杉」登山はエバ夫婦にとっても夢だった。



★ 登山大会・・・

【10/26(金)】

起  床  2:50
民宿出発  4:00
体 育 館  4:20 (送迎バス)
淀川登山口 5:00着

登山開始 5:35

昨夜興奮気味に飲み過ぎたエバ、初日から体調の良くない朝を迎える。
バスに乗ってから特に具合が良くなく吐き気を我慢しながら脂汗を掻くも何とか登山口までもった。
登山口のトイレは行列となりようやく用を足した時登山口には妻チーヤンしか居なかった。(アレレ・・)

5分程前に他の仲間には出発してもらったらしい。

どこが登山口かも判らずスタッフに聞いて登る始末・・。

真っ暗な登山口をヘッドランプを点けて登り始めた。

具合の悪さは、チーヤンも気付いているようだったが・・・

淀川小屋 6:15

ヘッデンを点けて暗闇の登山道を40分ほど進むと淀川小屋に着く・・休憩は取らずに進む

最初は二人きりもヘッドランプを点けて暗闇の登山道は順調に登る。

用を足したことで遅れたスタートもスッキリした分足取りは軽くなったようだ。(単純なエバ)
10分ほどで前の列に追い着き一緒に登れるようになっていた。

淀川小屋ではまだ暗さも残っていたが後に明るくなりヘッドランプを消して歩くと次第に世界は
変わって来た。



日が昇り明るくなって来た登山道を見て北海道との違いに高揚する・・

★ 自主登山・・・

高磐岳展望所
団体登山も北海道チームは個々人の自主登山を重んじている。
参加者それぞれの責任で歩き、隊から離れても途中で待つことは無い。
エバ夫婦は隊の最後部だったが途中から何人か仲間を抜き他の隊の途中を歩いていた。
一行の流れで道から外れるように何人か脇道に入った。
どうしたのかな・・と私たちも続くと山の上にひこっと乗っかった豆腐?が見える。

まさにトーフ岩と言われた花崗岩が頂上に鎮座する「高磐岳(1711m)(こうばんだけ)」らしい。


登山道から少し外れた踏み跡を辿るとお山のてっぺんに豆腐が乗っていた・・・不思議な光景だった

登山道に戻って再び歩き始めるもまた別の脇道のある展望所があり勝手に立寄る。
朝日が登り気持ちの良い青空が広がる屋久杉の原生林が非常にすばらしい展望所だった。
お腹も空いて来たので頂いた「登山弁当」を食べながら暫しの休憩で景色を堪能する。



小花之江河手前の「展望所」に立寄る・・・屋久杉の原生林が広がる

★ 小花之江河(こばなのえごう)・・・

小花之江河からさっきの豆腐を見つけた。高磐岳(こうばんだけ)(1711m)だった。

★ 花之江河・・・

花之江河 7:30~35
ここはコース中間地点に当たり、参加者のチェックポイントにもなっている。
スタッフへ氏名を報告しチェックを済ませる。
湿原には屋久鹿がのんびりと草を食べている。大勢の登山者を気にする事無くマイペースの鹿だ。
エゾシカとはひと回り以上小さく一見小鹿?と間違えるほどだ。でも声はエゾシカと同じだった。



小花之江河から5分程で「花之江河」に到着。泥炭層湿原とも言うそうです。


花崗岩の露出部分が多くなり始め大岩の急な登りにロープがあった・・

★ 大展望・・・

投石平(なげしひら) 8:15~20
花之江河からしばらく歩くと鬱蒼とした樹林帯を抜けていて花崗岩が露出した登山道を歩いている事に
気が付く。そして、先発していた多くの参加者が休んでいる場所は巨大な花崗岩の上だった。
四方に山々が連なる大展望の場所でスタッフからここは「投石平だよ」と教えて頂く。
地図を広げて現在地を確認すると南西方向の高い稜線上のピークが「黒味岳(1831m)」と分かる。
すでに何人もの人が頂上に立っていたが私たちは登る事を許されていなかった。 (残念・・・)



登りたかった屋久島三岳の一つ「黒味岳(1831m)」 投石平から望む


投石平を出てすぐの登山道からもう一度黒味岳と投石平を振り返る

★ 三岳・・・

芋焼酎 「三岳」
主峰「宮之浦岳」をはじめ「黒味岳」「永田岳」を屋久島三岳と呼んでいるそうです。
その名を取って作られた屋久島の銘酒「三岳」は島民をはじめ九州でも親しまれているお酒と聞きました。



栗生岳手前の鞍部から栗生(くりお)岳(1867m)を望む


栗生岳頂上(登山道に頂上標識あり)から念願の宮之浦岳を背に一枚・・

★ 宮之浦岳登頂!!・・・

宮之浦岳 9:35
念願の宮之浦岳、感動の登頂です。
まず大会スタッフに拍手で出迎えられチェックを受ける。頂上には多くの参加者で溢れ各々に
良い笑顔で賑やかだった。先着していた北海道チームのメンバーとも握手をして登頂を喜ぶ。

天候が安定しているこの時期と言ってもこれだけの晴天と景色はなかなか無いと地元スタッフの話。
初登頂でこの絶景は奇跡に近い幸運なのかも知れないと感激する。

360度見渡す展望は正に洋上のアルプス。北の利尻山とは一味違う景色が新鮮だった。

西隣の「永田岳」も登行意欲に駆られる岩峰群の山であるがここも今日は行けない・・のが残念だった。
しかし、そんな贅沢な事は言えまいと自分に言い聞かせながら次々に登って来る参加者にそろそろ
場所を提供する時間になって来た。

感謝、感激の宮之浦岳に別れを告げて下山を開始する。


下山開始 10:10


ついに登頂!  宮之浦岳(1936m)


頂上から望む屋久島三岳の「永田岳(1886m)」


頂上から望む北側・・縦走路を辿ると「縄文杉」に出会える


登山大会の参加者で賑わう宮之浦岳山頂・・・


帰路再び「黒味岳」の東斜面をズームで撮る・・・巨大な花崗岩が印象的だ


登山道脇で時々屋久杉の大木と出会うもまだ若い?樹齢300年とか・・・


苔むした森の登山道は神秘的・・これが屋久島の山なんですね

★ 堪能・・・

淀川小屋 13:15~25 休憩
快晴の宮之浦岳を後に山々を見下ろす形で下山するのも楽しかった。
後続の参加者もまだまだ沢山いて途中で何度か道を譲る場面があった。それはまた景色を楽しむ時間
にもなりありがたく利用させて頂く。

暗闇で見えなかった朝の登山道と神秘的な屋久杉の樹林も楽しいし滑りにくい花崗岩の道にも慣れて
軽快に足を運ぶ。淀川小屋のすぐ横を流れている淀川にも朝は気が付かずに通過していたが、こんな
に綺麗で静かな場所だったとは・・と驚いた。
何から何まで新鮮な宮之浦岳を体いっぱいに堪能した実感が湧いてくる。



清流・淀川と心和む紅葉が綺麗だったなぁ~ (淀川橋から撮影)


登りでは暗くて良く分からなかった「淀川小屋」の外で休憩する

★ ブース・・・

淀川小屋の外には簡易トイレとトイレブースが2箇所設置されていてる。
簡易トイレは行列だったので小用だったが始めて携帯トイレをブースで使用して見た。
なかなかの優れものだが、閉じる時にしっかりと空気を抜かないとダメだ・・と分かった。(反省点です)


★ 呑気・・・

登山口下山 14:00
またまたスタッフより拍手で迎えられ最後のチェックを受けて無事下山。
往復13キロ、標高差576mの宮之浦岳を終了した。
登山口では地元観光協会の計らいかお茶とモチの提供がありがたかった。

送迎バスも来ていてあとは乗るだけ・・・
自分たちは余裕で乗れるものと登山口脇に座って呑気にモチを食べていた。
すると急にバスが動き始めて慌てるもバスは行ってしまった (バスは定員になったので発車したようだ)

次のバスは10分程で到着し、一番乗りも満員になるまで1時間も待たされてしまった・・・。

要領を得ない「呑気さ」が招いたロスタイムだった・・・(またまた反省です)



お疲れ様でした。・・と参加者の先頭グループで下山だったが・・・

★ 安着・・・

安房体育館 16:00
閉会式は17:30~なので一旦民宿に戻り汗を流す時間が出来た。
さっぱりして再び体育館へ

閉会式を終了後民宿にて北海道チームでの祝・安着の宴となる。
上げ膳据え膳で食べ飲み放題・・地元料理に地酒付はなんと贅沢な事だろう。
部屋も個室の二人部屋、築新しいきれいな民宿でした。

会社山岳部主催の登山大会とは言え関係したスタッフの努力と苦労があればこそ
参加したものすべてが気持ち良く臨めた大会だったと思いました。

始めての屋久島、感謝で一杯の大会を終えました・・。



下山して二泊目になる民宿「まんまる」の夕食席、仲間とは最後の晩餐となる



※屋久島遠征・・・目次編はこちら

※屋久島遠征・・・その② モッチョム岳はこちら
※屋久島遠征・・・その③  縄文杉はこちら 
※屋久島遠征・・・その④  白谷雲水峡はこちら 
※屋久島遠征・・・その⑤  ヤクスギランドはこちら
※屋久島遠征・・・その⑥ END ラスト3時間の島巡りはこちら







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