E表現研究所の「Eから始まる」

E表現研究所所員の、E生活やE活動を自由に語り合うサロンです。

印象派めぐり

2010-11-27 23:55:14 | Education

S市美術館の開館記念展が開催されています。
ポーラ美術館コレクション展「印象派とエコール・ド・パリ」

大好きなモネやルノワールなど、オープニングにふさわしい作品がずらり。他に、ピカソ、シャガール、キスリング、モディリアーニ、ゴッホ、シスレー、セザンヌ、ゴーガン、ルドン、ユトリロ、それに今回気に入ったレオナール・フジタ。

①生涯学習センターの主催で、楽しみ方と鑑賞の講座があり、鑑賞だけでしたが、参加しました。学芸員の方の説明を聞きながら、一通り回り、その後、自由時間にもう一度広い館内を観て廻りました。
そのとき疑問に思ったこと・・・モネやゴッホ、セザンヌが日本の浮世絵の影響を受けたとのこと。どこが?どんなふうに?私は日本人でありながら、浮世絵をちゃんと知らないのでは?

②T市で開催されていた「モーリス・ユトリロ展」
友人が近くに住んでいたので一緒に鑑賞。印象派の多くの画家が他国からパリに移ってきたのですが、ユトリロはパリ生まれのパリ育ち。母親はルノワールなどのモデルをしていたそうです。アル中で入退院を繰り返したり、幽閉されて絵を描かされたりと、波乱万丈な人生ですが、具合の悪いときほど良い作品を描いたとか・・・
一人の画家の人生をたどるようにして鑑賞するのは面白いですね。


③娘と二人で2回目の鑑賞。前回の説明などを思い出しながら。

④さて浮世絵を観てみたいという思いが膨らんでいたころ、開館応援企画として、東海道広重美術館では「浮世絵とジャポニズム」という企画展を開催していました。
さっそく車を飛ばして鑑賞に。浮世絵はイメージ通りではありましたが、いろんな作品があることを知りました。雑誌や広告、表紙絵など、日本独自の印刷の技術が発達したのもこの幕末の時代です。小さいころ図工でやった、あの版画です。
もっと高級なものは肉筆で、ふすまや屏風などの一点物。
肝心の印象派の画家たちのことも紹介されていました。特にゴッホは歌川広重の浮世絵を模写しています。同じような絵でありながら、やはり筆のタッチや色使いはゴッホなんだと感激しました。素人の感想ですが。
モネは自宅のあらゆるところに浮世絵を飾っていたのだそうです。 

⑤印象派とエコール・ド・パリに戻り、もう一度鑑賞。今度は個人用のヘッドフォンで解説を聴きながら観て廻りました。これいいですね。自分の内側に語られているような感覚。自分の世界に浸りながら楽しみました。
そうやってもう一度ゴッホやモネを観ると、なるほど睡蓮の太鼓橋は浮世絵にあるもの。モネの天気や季節、時間の移り変わりを追求した画風は、歌川広重が得意とする描き方だったこととつながります。
そして、レオナール・フジタの油絵なのに繊細なタッチが日本人らしく絶賛されたということ・・・浮世絵の線の細かさや表情や人物の動きの多様さなど、さすが日本人なんだと、素人ながらの発見でした。  

残念ながら、11月28日(日)で終わりですが、機会があればまた、訪れてみたいと思います。
これから図録をじっくりと読んでみたいと思います。

          (M.H)