福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

甑島(こしきじま)、そして櫻島

2009-08-06 19:27:09 | 研究

鹿児島県の甑島は、コミック『Dr.コトー』のモデルとなった島。この島には、海岸沿いに湖水がピンク色に染まる貝池があります。この現象は、紅色硫黄光合成細菌(クロマチウム)のブルームなのですが、湖底泥及び湖水の深層で微生物学的硫酸還元が進行して、大量の硫化水素が発生します。この硫化水素を通常の光合成の水のかわりに用いて活発な光合成を行うのが、紅色硫黄光合成細菌です。

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かつて、私たちは、JAMSTECの大河内さん小栗さんたちと共同で、部分循環湖である貝池の物質循環に関する調査を行ったことがあります。

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その成果は、下記の通り。

1. Nakajima, Y., H. Okada, K. Oguri, H. Suga, H. Kitazato,  Y.Koizumi, M. Fukui and N. Ohkouchi (2003) Distribution of chloropigment in suspended particulate matter an benthic microbial mat of a meromictic lake, Lake Kaiike, Japan. Environmental Microbiology 5: 1103-1110.

2. Koizumi, Y., H. Kojima, and M. Fukui (2004) Dominant microbial composition and its vertical distribution in saline meromictic Lake Kaiike (Japan), as revealed by quantitative oligonucleotide probe membrane hybridization. Appl. Environ. Microbiol., 70: 4930-4940

3. Koizumi, Y., H. Kojima, K. Oguri, H. Kitazato, and M. Fukui (2004) Vertical and temporal shifts of microbial communities in the water column and sediment of saline meromictic Lake Kaiike (Japan), as determined by a 16S rDNA-based analysis, and related to physicochemical gradients. Environ. Microbiol., 4: 622-637

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4. Koizumi, Y., H. Kojima, and M. Fukui (2005) Potential sulfur metabolisms and associated bacteria within anoxic surface sediment from saline meromictic Lake Kaiike (Japan). FEMS Microbiol. Ecol.,52: 297-305

上甑島へは、鹿児島県の串木野港からフェリーで2時間弱。港から貝池へは、車でないとアクセスできませんが、一般微生物学上極めて貴重なフィールドと言って良いでしょう。

貝池の調査を終えて、鹿児島空港へ向かう途中に鹿児島ラーメンをいただいたことがあります。豚骨味でとてもコクがあるのですが、不思議とさっぱりとした食後感を今でも覚えています。

鹿児島ラーメンへの郷愁からか、大学院生の皆さんに誘われて、櫻島へ行くことになりました。そして、名物『櫻島ラーメン』をいただくことに。ボリュームたっぷりのチャーシュー3枚。

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若い人が羨ましいですね。

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結局のところ、私はチャーシュー1枚を残してしまいましたが、大学院生のAさんのお腹におさまりました。

普段、食事は弧食が多いのですが、こうして大学院生の皆さんから食事に誘っていただくのも嬉しいですね。さあ、今度は、笠原先生もお誘いして櫻島へ行きましょうか。

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