NHKドラマ『こんにちは、母さん』で、児玉清演じる荻生直文(国文学の元大学教授、75歳くらい?)が会社のリストラ担当人事部長(直文の恋人の長男、50歳くらい?)に向かって語るシーン。これが印象的です。
学徒出陣で戦死した2番の兄が果たせなかった夢。それは、言葉の解釈ばかりに終始していた古くさい学風を抜け出して、社会思歴史的な立場から古典を見直そうと。そこに新しい意義を見いだそうとした兄の意志を受け継ごうと直文は、学問の道を歩む。そんなストーリー展開での直文の台詞です。
「そこで僕は、兄の意志を継ごうと思った。彼がやり遂げられなかったことを。そして、やらなかった。人の顔色の研究に時間をとられて、大学の有力者の力関係に引き連られて生きた。講義も、古典の解釈に終始した。やらなかった、なんにも。」
児玉清さんの、切なく懺悔に近い思いを抱きながら、リストラ人事部長に切望する演技には、説得力があります。
この後、直文は長男の文彦に電話する。そして、文彦に電話越しで叫びながら、突然倒れる直文。
えっ? もしかして直文さんは、、、、、?
今晩9時からの最終回が楽しみです。でも、ちょっとドキドキ、ハラハラ。