「旅行記」のブログ記事一覧-福井　学の低温研便り

夏から秋へ

2013-08-29 18:11:00 | 旅行記

今週は、大学院入試。その後、神戸にて新学術領域「ゲノム支援」拡大班会議。小島久弥さんとともに出席。私たちの研究課題もメタゲノム解析の支援を受けている。支援研究者の多大なご努力のおかげで、「じぇじぇじぇじぇ」の結果が得られている。期待以上のもので、今後の解析が楽しみ。

神戸では、いわゆる「カンヅメ会議」。早朝、ホテルの部屋の窓からハーバーを眺める。ここ神戸は、やはり暑い。

会議終了後、急いでサイエンスの街つくばへ移動。明日、日本進化学会で発表。

つくばは私にとって特別の場所。大学院を修了して初めての就職先がここにあった。「つくばのメモリー」は多々あり。あれから２４年。この街も大分変わった。私の白髪も大分増えたし。

きゃりーぱみゅぱみゅとリンネ

2013-03-07 23:10:34 | 旅行記

羽田に向かう夕方の日本航空便。機内誌をパラパラめくると、「リンネ」という文字列に目が留まる。スウェーデン特集記事で、「ニルスの不思議な冒険」をたどる紀行文（文・梨木香歩）だ。ストックホルムから大学街ウプサラを訪れ、こじんまりとした植物園を紹介している。この植物園は、分類学の父と称されるカール・フォン・リンネ（1707-1778、スウェーデンの植物学者）の邸宅跡。

リンネは生物の学名を属名と種小名のラテン語で表す二名法を体系だてた。大学で生物学を学ぶ学生ならば、必修項目jだ。例えば、ヒトはホモ・サピエンス（Homo sapiens）。新潟県民には馴染みの深いトキの学名はニッポニア・ニッポン（Nipponia nippon）なのだが、その学名からはトキをイメージすることは困難かもしれない。

そんなことを考えながら、機内誌でスウェーデンを旅する。バーチャルな北欧の旅を終えた頃、小島さん（当研究分野助教の先生）に言い出せないでいる或る事が頭を悩ます。

それは、、、、

東岡由里子さん（現在高知高等工業専門学校助教）が東京湾の三番瀬干潟から新属の硫酸還元バクテリアを発見。粘り強く、かつ、注意深く単離作業を重ねた東岡さんの成果なのだが、その学名がDesulfatitalea tepidiphila。カタカナ読みすれば、「デサルファチタレア・テピジピラ」。このブログの読んで下さっている皆さんに是非とも声に出して学名を読んでみて欲しい。

いかがでしょう。私にとっては、昨年の紅白歌合戦で稲垣君がうまく言えなかった「きゃりーぱみゅぱみゅ」よりも難しい。何度も何度も口にしてみたのだが、未だに舌を噛んでしまう。

「デサルファチタレア・テピジフィラ」。暖かさを愛する~~精悍な~~悍状の硫酸還元バクテリア、って言う意味。

来週の初めには、小島さんの前で舌を噛まずに「デサルファチタレア・テピジフィラ」と軽やかに言えるようになりたいものだ。

Yuriko Higashioka, Hisaya Kojima, Miho Watanabe and Manabu Fukui. Desulfatitalea tepidiphila gen. nov., sp. nov., a sulfate-reducing bacterium isolated from tidal flat sediment. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology 63: 761-765. 2013.

帰心

2012-12-16 12:22:11 | 旅行記

国立台湾大学へ移動。数理生態学者達と打ち合わせ。

大学の正門から伸びる椰林大道（Royal Palm Blvd.）。北大のイチョウ並木を思い出す。帰心。さあ、小島さんとともに札幌へ戻ろう。

ブレーメン再訪

2012-08-09 21:57:00 | 旅行記

アフリカのガボン共和国。あまり馴染みのない国名なのだが、インターネット時代到来前にヨーロッパで暮らしたことのある方ならば、懐かしい地名であろう。それは、NHK国際ラジオ放送『ラジオ日本』の中継局が置かれた場所だからだ。その日の電離層の状況等によって、短波ラジオから聴こえる放送は鮮明の時もあれば、雑音甚だしくほとんどを聞き取れないこともあった。可能な限りクリアに受信しようと、外部アンテナ（ワイヤーアンテナ）の向きなどを工夫したり、涙ぐましい努力の連続。苦労に苦労を重ねて、ラジオから流れて来たあの歌謡曲『Dream Navigator（ドリームナビゲーター）』は今でも忘れられない。

そんな想い出がいっぱいのブレーメン（ドイツ）を再訪する機会を得た。世界遺産に登録されている『市庁舎』の前に立てば、あの頃の私（33歳）に出会える。

白髪が増えたな（写真は、地球環境科学研究院のAさん撮影）。

当時のオフィスがあったBITZ（ブレーメンイノベーションセンター）。

市庁舎の横にある『ブレーメンの音楽隊』像。その前肢をつかめば、願いが叶うとか。私は一度もそれをしていない、敢えて。なぜか？　それは胸に秘めて、さあ、札幌へ帰ろう。

ポートランドにて

2012-07-21 07:53:00 | 旅行記

ランチブレーク。会議場から徒歩数分で、ポートランドの中心地であるパイオニアスクエアへ。あちらこちらにオブジェなどが置かれている街なのだが、郷愁を誘うものを発見。どこかで見かけたことがあるような。

さあ、札幌へ戻ろう。

AKB

2012-07-01 13:37:34 | 旅行記

つくばエキスプレス（TX）が開通して、東京からつくばへは近くなった。始発駅である秋葉原は、いつも独特な雰囲気を醸し出している。

柏で用務。ちょうど同じタイミングで柏在住の卒業生から連絡が入る。近々投稿する論文の件だ。ご本人と直接会って、内容を詰めたいところだが、叶わず。出来るだけ短期間のうちに受理させたいと思うのだが。

秋葉原。柳澤さんの姿を探すも見つけられず。残念。さあ、札幌へ戻ろう。

霧深い釧路の朝

2012-04-26 01:23:00 | 旅行記

夜が明けても霧深し。しかも、風も強し。まあ、そう言うこともあるさ。

霧深い釧路の夜

2012-04-25 22:22:36 | 旅行記

この時期の釧路は霧深い。10m先も視界不良になることもあると言う。

波の数だけ抱きしめて

2011-09-04 21:14:28 | 旅行記

台風の中、やっと湘南に到着。ムッと湿った、強い風。荒れ狂う波。

押し寄せる波を数え始める。その数だけの愛情は素晴らしい。しかし、過ぎれば、、、、

そう言えば、２０年前に「波の数だけ抱きしめて」って言う映画がありましたね。湘南は、昔も今もオシャレですね。うーむ、今晩はコンビニ弁当かな？

北海道限定

2011-07-13 04:40:27 | 旅行記

隣の研究室の方に教えて頂いたのですが、北海道限定の食品と言うのがいろいろと存在するとのことです。その代表格は、「やきそば弁当」。いわゆるカップ焼きそばなのですが、北海道限定品は湯がき用のお湯で粉末スープを溶かしてカップスープにできます。残りのお湯はもちろん湯切り口から捨てるのですが。

さて、海外出張で困ることの一つ。どこで食事をするかです。特に、一人で行動していると、雪国出身の悲しい性か、レストランに入ることが億劫です。宿泊しているホテルが中心街から離れている場合は尚更です。こうしたケースを想定して、サバイバルフードを携行することにしています。普段は食べないのですが、カップラーメン。加えて、ビスケット、せんべい、あさげ、緑茶ティーバックなどです。これらさえあれば、何とかなります。

ある時、北海道限定の「やきそば弁当」を持参すること。湧かした湯500mlを乾燥かやくを加えたカップ麺に注ぎ、待つこと３分間。湯切り口から150mlをカップスープに。残りを洗面台へ流し捨てる。そうそう、湯切り口の小さな３つの穴からはゆっくりと広がりながら湯が流れ出るのですね。

できあがった捨て湯で作ったスープとやきそば。３分もせずに無くなります。容器に残ったソースなどは、トイレットペーパーで拭き取り、ゴミ箱へ。

食後、ゆっくりと緑茶を楽しみながら、翌日のアジェンダを考える。おっと、うがいを忘れてしまった。イソジンを水で20倍希釈して、ゴロゴロッとうがい。そして、洗面台へ流す。すると洗面台が紫色に変化。

は、はーん。洗面台表面上で、ヨウ素でんぷん反応が生じたんですね。カップ麺捨て湯に含まれているでんぷんが洗面台に固化して残ったのですね。カップ麺由来のでんぷんのらせん構造内部にヨウ素が入り込んで呈色。

この「ヨウ素でんぷん反応」は、初等理科からおなじみの現象です。大学では、１年生の基礎実験等で学ぶ「中和滴定」でも。我が研究室に入ってからも、水中の溶存酸素濃度を測定するためのウィンクラー法で「ヨウ素でんぷん反応」のお世話になります。さらに、硫化水素測定のための標準溶液の検定にも、この反応を利用しています。

ということで、７月１２日付けのエントリー「旅の発見」のからくりでした。Aさんの推理は正しかったでしょうか？

旅の発見

2011-07-12 06:04:05 | 旅行記

海外出張、特に国際会議で海外に出かけることは体力を消耗する。欧米ならば時差に苦しみながら、朝早くから興味ある発表を丹念に聴きあさる。時に、懇親会に参加したり、久しぶりの友人達と夕食をともにすると、ホテルの部屋に辿り着くと夜更けだったりする。

こんな時が危ない。体調を崩してしまう。できるだけ、感染予防のため、うがいを励行することにしている。

ある海外出張時のこと。いつものように、ホテルの洗面台にてイソジンでゴロゴロッとうがい。そして、洗面台にむけて吐き出す。すると、白い洗面台表面が紫色に変色。ギョ！　

さてさて、なにが起きたのだろう？

Aさんへのヒントです。ウィンクラー法を思い起こして下さい。

帰札

2011-07-01 23:30:00 | 旅行記

成田から札幌への国内線乗り継ぎゲートにて、歩センセイにばったり。互いに国際会議の概要を報告。そして、新千歳空港までご一緒することに。

いのちの根、そして志

2011-06-19 23:02:26 | 旅行記

小島さんと東京出張。用務先へ向かう途中、相田みつを美術館を発見。

「第４７回企画展」のポスターに少しだけ釘付け。

「いのちの根」

なみだをこらえて

かなしみにたえるとき

ぐちをいわずに

くるしみにたえるとき

いいわけをしないで

だまって批判にたえるとき

いかりをおさえて

じっと屈辱にたえるとき

あなたの眼のいろが

ふかくなり

いのちの根が

ふかくなる

　　　　　みつを

さて、思いがけず、かつての同僚AさんとBさんにお会いする（特に、Bさんの毒舌は相変わらずで、「福井さんの頭のハードディスクはまだ壊れていませんでしたね」と）。お二人とも、お元気の様子で、新たな研究の展開に情熱を燃やしておられる。我が身のことのように嬉しくなる。

札幌に赴任して、もうすぐ７年になる。北の地で研究と教育を始めるにあたり、心に決めたことがある。むしろ、志と言った方が良いかもしれぬ。その基盤づくりがようやくできた。これからが飛躍のフェーズである。

微生物生態学の根がふかくなり

あなたの眼のいろがふかくなる

　　　　　　　　まなぶ

せんちゅう

2011-06-10 10:43:02 | 旅行記

スタバ（スターバックスのこと）好きの研究員Aさんの話は面白い。関西方面に明るいと言うことで、大阪のライフセンターへの行き方を教えて頂きました。

「せんちゅうへは、伊丹空港からすぐですよ」とAさん。

生物学者にとって、「せんちゅう」と言えば、線虫のことで、瞬間に強烈なイメージが湧いてくる。Aさんの「せんちゅう」は、その線虫ではなく「千里中央駅（せんりちゅうおうえき）」のこと。今時の若い人たちが使うように、短縮した通称なのです。ところが、現地に赴いてみると、あちらこちらに「せんちゅう」という看板を見かけるのです。関西では、「せんちゅう」は定着しているようです。

大阪は蒸し暑いですね。汗が吹き出るように流れてきます。さてさて、「せんちゅう」の「スタバ」で「レイコ」（関西では、アイスコーヒーのこと）を飲んで、心身をクールダウンしましょうか。

聖橋（ひじりばし）

2011-06-01 19:00:10 | 旅行記

立川での会議を終え、夕方、羽田空港へ向かう。中央線の快速電車に乗り、東京経由で浜松町、そして羽田空港を目指す。

少々くたびれた頭を癒すために中野あたりからiPodにおさめている「私花集」を聴き始める。新宿駅を過ぎ、まもなくお茶の水駅といったところで、「檸檬＜レモン＞」に曲が変わる。

♫喰べかけの檸檬　聖橋から放る　　　　快速電車の赤い色がそれとすれ違う♫

電車の窓からは、向こうに聖橋が見えた。おお、何と言うタイミングの良さか。

８年くらい前だろうか。研究室にお茶の水女子大学出身の学生が院生として入った時、「檸檬＜レモン＞」の話題を彼女にしたことがある。湯島聖堂、聖橋、スクランブル交差点、青春の姥捨山などの言葉が出てくる歌なんだよ、と彼女に対して自慢げに説明しても、彼女の反応は冷ややかだったかな。ところが、翌日、彼女から一言、「うちのお母さんがその唄を良く知っていました！」。

今時の大学院生はどんな音楽を聴くのであろう？　今度教えてくださいな。　まさか、「ハートのエースが出てこない」じゃないよね。

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北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野 大学院：環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

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