福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

流氷への旅(4)

2006-10-20 08:47:22 | 流氷への旅シリーズ

美砂:「仁科さんは立派な秘書だったと、先生は口癖のように仰言っています」
杏子:「先生は退屈しのぎに、ご冗談を仰言ったのでしょう」
美砂:「いえ、本当です。昨夜もあのあときかされたのです」
杏子がそっと紅茶を飲む。

美砂:「秘書の仕事というと、どんなことをするのでしょう」
杏子:「わたくしのときは、先生への電話を取り次いだり、文献を揃えたり、タイプを打ったり、大体そんなことでした」
美砂:「わたし、タイプは苦手なのです」
杏子:「簡単な文献をうつだけですから、そんなに上手にできなくても平気です」
美砂:「時間は?」
杏子:「一応、朝9時から夕方5時までということになっていますが、先生はあの通り暢気な方ですから、とても気楽です」

    (渡辺淳一・「流氷への旅」より)

30年前は時間がゆっくりと流れていたのですね。

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時代は過ぎ、現在は?

4つの研究グループを一手に引き受けている秘書さんは、大忙し。