古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の二百五十四

2017年01月31日 08時49分55秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第七十二ページ、上の三~五行目

解読 ノノチと申たら、家内中大笑ひ致し、夫より内ニ這入候所

    ボイナシノノチを前ニ云ふ遍゛き越、跡でいふたるゆへ、皆々

    大笑ひニ逢ひ申候。

読み ノノチと申したら、家内中大笑い致し、夫れより内に這入り候所

    ボイナシノノチを前に言うべきを、跡で言うたる故、皆々

    大笑いに逢い申し候。

説明 「家内中大笑ひ」・・・家中大笑い。「笑」は難しい。 「這入候所」・・・

入り候ところ。 「云ふ遍゛き越」・・・言うべきを。「遍゛」は変体仮名の「へ」、

「越」は変体仮名の「を」。「遍」も「越」も読むのは困難です。 「跡で」・・・「あとで」。

「跡」は形で覚える字。難解文字の一つです。 「大笑ひニ逢ひ」・・・大笑いに合い。

「笑う」も「逢う」も読むのは困難です。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百五十三

2017年01月30日 08時39分24秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第七十二ページ、上の一~二行目

解読 共壱人いふたらよ以でない可と申ニ付、太吉江任せ

    置、太吉入口ニ而「シノベダン「コモデアグステン「ボイナシ

読み (言わず)とも一人言うたらよいでないかと申すに付き、太吉へ任せ

    置き、太吉入口にて「シノベダン「コモデアグステン「ボイナシ

説明 「共」・・・言わずとも。「共」は宛て字です。 「よ以でない可と」・・・良いでないかと。 「申ニ付き」・・・申すにつき。 「太吉江任せ」・・・太吉へ任せ。最後は「て」と書いているのかも判りません。「任せ置き」か「任せて置き」か。 次の「置」も読むのは困難です。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百五十二

2017年01月29日 08時36分07秒 | 古文書の初歩

 


 


 

「漂流外国物語」第七十一ページ、上の六~七行目

解読 合して道々茂稽古致しながらチョウサの入口へ参

    り候處、太吉申ニハ私ハもふ覚帝居る、皆々い王づ

読み (誘ひ)合いして、道々稽古致しながらチョウサの入口へ参

    り候処、太吉申すには私はもう覚えて居る、皆々言わづ

説明 「合して」・・・誘い合いして。 「道々茂」・・・道々も。道の途中でも。 

「稽古致しながら」・・・「稽古」が難しいですが、あとは判ります。 

「入口へ参り候處」・・・「参」は欠けていてよく判りません。 

「私ハもふ」・・・私はもう。私は既に。 「覚帝」・・・覚えて。「帝」は変体仮名の「て」。

 「い王づ」・・・言わず。「王」は小さくて分かりにくいですが、変体仮名の「わ」。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百五十一

2017年01月28日 08時40分51秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第七十一ページ、上の三~五行目

解読 なり。戻る時ハ誰ニ而も手を握り合い互ひ尓リヤウス

    ト申事なり。

    一、夫より皆々挨拶の稽古を致置、又或日夕方過ニ誘ひ

読み なり。戻る時は、誰にても手を握り合い、互いにリヤウス

    と申す事なり。

    一つ、夫れより皆々挨拶の稽古を致し置き、又或る日夕方過ぎに誘い

説明 (言う)也。 「誰ニ而も」・・・誰にても。誰でも。 「手を握り」・・・「手」が難しい。 

「互ひ尓」・・・互いに。「尓」は変体仮名の「に」。 「ト申事なり。」・・・「事」は

「古」の下に「又」と書いています。 「挨拶の稽古」・・・「稽古」も難解。 

「致置」・・・致し置き。しておき。 「或日」・・・「日」が判りません。

 「夕方過ニ」・・・「過ぎ」も難しい。 「誘ひ合」・・・これも読むのは困難です。


第五十九章 漂流外国物語 其の二百五十

2017年01月27日 08時33分54秒 | 古文書の初歩

 


 


「漂流外国物語」第七十一ページ、上の一~二行目

解読 此内儀何角と言葉を教へ呉申候。誰ニ而茂内江這入立而

    居ると、「センタセンタ」と申て、曲録江腰越懸よと言ふ

読み 此の内儀、何かと言葉を教え呉れ申し候。誰にても内へ這入り立って

    居ると、「センタセンタ」と申して、局録へ腰を懸けよと言う

説明 「内儀」・・・今度は義にニンベンがあります。奥さん。 「何角と」・・・何かと。 「言葉を教へ呉申候」・・・「言葉」も難しい。 「誰ニ而茂」・・・誰であっても。「茂」は真ん中で切れています。 「立而」・・・立って。 「センタセンタ」・・・英語ならば「シット・シット」。 「曲録江」・・・椅子。イス。本来の曲録とは、葬儀などの時、禅僧が座る椅子の事。「椅子へ」。 「腰越」・・・腰を。 「懸よと言ふ」・・・掛けよと言う。懸けよと言う。最後は「ふ」。