古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十一章 濱着口上書・その五十二

2012年07月04日 07時14分35秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

濱着口上書第十五ページ、上の画像の最初の宛名欄

解読     惣荷主

        積問屋 中

        尚々本文難舩残り荷物も過半濡沢手ニ

読み 総荷主、積み問屋中

    尚々本文難船残り荷物も過半濡れ沢手に

解説 最初はこの手紙の宛名欄です。「惣荷主」・・・全ての荷主様。 「積問屋」・・・海運問屋。 下の「中」は荷主と問屋の両方にかかっています。「荷主と問屋の御連中の皆様」。 一行目の初めのひらかなの様な字は「尚々」の崩し字です。手紙で言えば「追伸」の様な言葉になります。 「残り」・・・崩し字辞典で調べてもこんな「残」の崩し方は見つけられませんが、矢張り「残」です。 「過半」・・・これも注意深く見なければ分かりません。「過半」が繋がっていて一文字に見えますが、よく見ると、真ん中の太い横棒が「過」のしんにょうになります。 「濡沢手」・・・この言葉を知らないと、読むのは困難な崩しです。本来「沢手」という言葉だけで、船で輸送途中に海水や雨水で荷物が濡れて、価値が無くなる事を言います。「濡れ沢手」と言えば強調語と言えます。年貢の米が輸送途中、濡れ沢手になると、代わりの米を納めさせたほど、厳しい武士の政治だったと言う事です。 


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1 コメント

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貴ブログを拝見させていただいてのお願い (iisaka)
2018-09-10 17:04:34
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私、株式会社スプリックスの飯 坂と申します。
突然のご連絡で大変失礼致します。

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年貢米は当時、大切に納めれれていたことがよく分かりました。

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ご不明な点も多々あるかと存じますので、何なりとご質問頂ければと存じます。
この度は突然の不躾なお願いとなり、大変申し訳ございません。
ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

ご連絡いただける際は下記のメールアドレスまでお願い致します。
m.iisaka@sprix.jp

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