古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十五章 御達 其の五

2015年09月12日 06時26分28秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「御達」第二頁、日付・署名・宛名欄

 

解読             田并上村庄屋 常蔵

      子九月      同所 肝煎   才助

         浦 義太郎殿

読みは省略。

解説 署名欄の「田并上村庄屋」、これも難解です。「并」は現在の「並」と同じ。ここの「庄屋」も読めたものではありませんが、一つの形として読みましょう。 次の名前は、中で折れ線が入っていて読めませんが、「常蔵」です。 作成日付は、「子九月」だけですから、何年か判りません。庄屋・肝煎と大庄屋の名前から推定すると、元治元年(一八六四年)という事が考えられます。とすれば、蛤御門の変とか、第一次長州征伐の年で、和歌山藩としても、血気盛んな若者が欲しかったのではないかと推定されます。(串本町教委編・潮崎荘八十三頁から。) 「同所 肝煎」も読むのは困難です。 「才助」は何とか判ります。 宛名の「浦義太郎殿」は判りやすい。と言っても「義」は二文字に見えます。「郎」は縦長に書いています。「郎」の崩し方も他種類あり、難しい字です。 「殿」は宛名の下だから「殿」と推定出来ますが、この一字だけでは読むのは困難。