8月3日、農林水産省は秋に収穫期を迎えるコメについて、収穫の前後2段階で放射性セシウムを調査する方針を発表した。
収穫後の本調査で暫定規制値(500ベクレル/kg)を超えた地域のコメはすべて出荷停止として廃棄処分を義務づけ、農家の損害は東京電力に損害賠償請求する。
他の食品より綿密な二重チェック体制を敷き、主食であるコメの安全を確保したいとしている。
予備調査は福島県など14都県のうち、土壌調査でセシウム濃度が1キロあたり1000ベクレル以上あった市町村や、空間放射線量率が平常時(毎時0.1マイクロシーベルト以下)を超える市町村などを対象に実施する。
次に収穫約1週間前に玄米の状態で調べ、1キロあたりの濃度が暫定規制値の半分程度の200ベクレルを超えた市町村を重点調査区域に指定、収穫後の本調査を15ヘクタールにつき1カ所(おおむね集落ごとに1カ所)で行う。
その他の地域は1市町村あたり7カ所程度で調べる。
その調査で暫定規制値を超える所が1カ所でもあれば、政府は知事に出荷停止を指示する。
市町村全域では広すぎる地域もあり、旧市町村単位を原則とする。
出荷停止地域で生産されたコメは自治体が全量を管理して廃棄処分する。
農水省が指定した調査対象地域は、福島▽茨城▽栃木▽群馬▽千葉▽神奈川▽宮城▽山形▽新潟▽長野▽埼玉▽東京▽山梨▽静岡、の14都県。
【この方式の問題点】
「集落ごとに1カ所」、「1市町村あたり7カ所」しか調べないのでは、その地域のいわゆるホットスポットの田んぼをわざと避けることができる。
牛と違って全粒検査でないので、消費者は検査していない米を食べることになる。 こずるいJA職員なら、地域のコールドスポットを探してサンプルを採るはずだ。 東電に買い上げてもらうにしても、地元米が「セシウム米」と呼ばれるのは耐えられないだろう。
放射性ヨウ素131とセシウム137は、β線とγ線を出す。
一方、半減期24000年、角砂糖数個分で日本人を全滅させる猛毒プルトニウムはα線を出す。
体内に取り込まれると肺がんを起こす。
現在検査されているのは主にγ線であり、プルトニウムは測定対象となってもいない。
東電、政治家はどちらもプルトニウムについては触れたくないのだろうが、まちがいなくプルトニウムは飛散している。
これからあちこちでプルトニウム検出のニュースが聞かれるだろう。
α線は体内被曝すると発癌作用がきわめて強い。