西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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音:継承される伝統音楽と民衆音楽

2017年07月14日 | 芸術・音楽・演劇、オペラ、舞踏など


 今年もノアンでは賑やかに音楽祭が開催されているようです。

 皆様、どうぞよきQuatorze Juillet パリ祭をお過ごし下さいますよう!

Le Son continu, encore

http://www.lanouvellerepublique.fr/France-Monde/Actualite/24-Heures/n/Contenus/Articles/2017/07/12/Le-Son-continu-encore-!-3165053


 6月の中旬のパリの地下鉄で、ひどくもの悲しく心惹かれるメロディが聞こえてきて、何かと思ったら、それはなんと中高年の男性達の演奏と美しい歌声でした。なぜそっと小銭を置いていく通行人が何人もいたのか、その理由が理解できる心持ちのする、そんな美しい調べの局でした。




 実は、今回はフランス革命200年を記念して革命が起こった地バスチーユに建てられたモダニズム様式のオペラ・バスチーユに赴き「カルメン」を鑑賞しました。舞台装置はコンピューター制御と外観、設備とも現代建築の粋を集めたものと言われるだけあって、非常に現代的な舞台でした。闘牛の代替物なのか、壇上に9台もの高級車が登場して並び、衣装も超現代的で、フィナーレは割れんばかりの拍手喝采が起こっていました。確かに歌唱そのものは素晴らしく、素人ながらソプラノもアルトもテノールも見事だと感じもし、音楽評論家の間では大好評を博しているとのことでしたが、音楽学部の学生たちとDVDでカラヤンなどの演奏による伝統的なオペラのカルメンを鑑賞してきた古い人間にとっては、どうにも好きになれない舞台で残念な気持ちが残りました。
 とはいえ、幕間には、思い思いの衣装に身を包んだ大勢の観客が場内からあふれ出てきて、シャンペンを片手に感想を述べ合いオペラの雰囲気を存分に楽しんでいる様子は、さすがパリのオペラ座と印象深く、果ては、彼らと同じように泡立ちきらめくお酒を所望してみたい欲望に抗しきれず、ご一緒して頂いた先生と女二人で一杯のシャンペンを分け合い、ちょっとしたいい気分に浸ってみたりしたのでした。







写真はオペラ・バスチーユの会場内の様子です。

コメント
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