いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

「予測の専門家たち」は日本にいるのか

2009年02月14日 19時58分24秒 | 経済関連
岩本先生の見解です>5兆円財政出動すると何が起こるか - 岩本康志のブログ - Yahooブログ

この中で、次のように述べている。

財政出動の考えは人によって違うが,私は,
(1)財政による経済安定化政策の役割はまずは自動安定化装置にまかせる
(2)ギャップが小さい場合には効果が弱まり,弊害が生じることも考慮して,裁量的財政出動には最低でも2%以上の幅のギャップが確認されることを前提とするべき
と考える。ただし,2%という数字は科学よりも芸術の領域である。
 GDPギャップの水準を理論的な均衡所得からの乖離とみなせるかどうかは注意しなければいけないが,日本の場合はほぼ問題ないと思われる。OECDの推計では,2008年中に約2%の幅でギャップが拡大したが,景気の山(2007年末)では潜在GDP水準を超えていたと考えるのが妥当であり,OECDのGDPギャップ推計値がほぼゼロとなる2008年末を均衡水準に近い時期と考えても悪くはないだろう。
(中略)
大規模な財政出動が必要だと主張する人は,予測の専門家たちの見解を覆す根拠を示すことが必要だ。

=====


率直に、今すぐ「看板を降ろせ」と言ってあげたい。
「専門家たち」というその言葉こそが、大笑いなのではないだろうか。恥を知らない専門家たちは大勢いる。そして、多くの場合に「分析ごっこ」をやっているだけで、それは「戦艦大和の主砲を何インチにすべきか」みたいなことを研究するのとあまり違いがないように見えることもある。流行りの言葉で言えば、「ただ呆れて笑っちゃう」というヤツだ。

第3Qよりも状況が酷いのではないか、ということはおおよそ推測できるのだから、ギャップが拡大したであろうことも当然推測可能なのだ。


08年9月25日時点での見解>財政赤字を心配する前に

この中で、次のように指摘した。
『今の状況を考えてみると、これまでよりも今期は景気が良くないので、①消費が減少する、②投資が減少する、更には円高の影響や世界経済不振などで③輸出が減少する、原油高などの資源価格上昇で④輸入が増加する、ということが考えられるであろう。そうなると、()式において、消費、投資、純輸出は全て減少し、政府支出が不変の場合には「所得は減る」ことになる。すなわち、マイナス成長は避けられない、ということだ。』

あと、こちら>今週の指標 No907

ざっとですが、08年第3Q時点でも、GDPギャップがかなりの落ち込みになっていることが推定されている。


自分自身、ここまで輸出企業の猛烈な落ち込みがあるとは思ってなかったが、これは円高ばかりのせいではなく世界需要の急減が起こった為であろう。企業の損失も、為替損の域をはるかに超えているものだ。
岩本氏の提示している「2%」という水準が科学ではなく芸術だ、と言ってはいるのだが、個人的な基準のようなものがきっとあるはずであり、その根拠というのが一体何なのか気になるところである。

スタビライザーの話は、異常な経済運営が続く国~ニッポン・2の中で書いたように、OECD平均の半分くらいでしかないので、あまり期待できないだろうと思うが。


大体、学者自身が「財政出動が必要と主張をする人は、専門家たちの見解を覆す根拠が必要」と要求しておきながら、「ギャップが2%」という水準を出すのには「芸術」ってのも奇妙な話ではある。ギャップ幅が2%を超過していることを確認する必要がある、と主張している人間がその根拠の提示を求められたら「芸術」と答えているのと同じではないか(笑)。こんなのが学者と呼ばれる人間の見解なのである。「財政出動が必要な根拠とは何か?」と問われれば、「科学ではなく芸術」という答えで事足りてしまうのである。

だが、「専門家たちの見解」を覆す必要性もなく、簡単に覆ってしまったみたいだが。どうやら自分勝手にひっくり返ってしまったみたいですが。後日、ギャップ幅の推計がなされるであろうから、その時になってからおもむろに「財政出動をしましょうか」ということを言うのかもしれないね、財政学者というのは。

これでは、火事で全焼してから消防が出動するようなものではないか。
火事で燃えているから出動せよ、と要求しているのに、「いやいや、燃えてる根拠を十分確認してからだ」と言って手遅れにしているのと変わりない。こうした机上で理屈を弄ぶだけの人たちの見解というのは、聞くだけ時間の無駄である、と思わずにはいられない。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。