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「安保理の正統性」を第二次大戦の結果に求める”中国”

2011年03月06日 18時34分10秒 | 外交問題
いくら戦後の時間経過が長かったからといって、歴史を歪めてはならないだろう。牽強付会の最たるもののように思われる。

「安保理の正統性は第2次大戦の結果」 中国、G4主張に断固反対 - MSN産経ニュース

(一部引用)

2日のニューヨーク国連本部で開かれた安全保障理事会の改革に関する政府間交渉で、中国の王民国連次席大使が「安保理の正統性は、第2次大戦の結果に関わるものだ。中国は、安保理改革の名の下に第2次大戦の結論に疑問を呈する試みに断固として反対する」と主張していたことが5日、分かった。



もしも第二次大戦の結果、ということを最重要視するというのなら、今の中華人民共和国には「安保理常任理事国」の席に着く理由などないように思われる。それは、中華人民共和国が終戦当時には存在してない国だったからだ。しかも政府を引き継いだというものでもないからである。


毛沢東は他の連合国首脳との会談には呼ばれていなかったのではないか?
米英中の連合国指導者の会談で、ルーズベルトやチャーチルと共に参加していたのは、「中華民国の蒋介石」だったのではないのか?
国連次席大使ともあろうお方が、そんな初歩的な歴史を知らないわけがないだろう。

カイロ宣言に代表されるように、当時の正統性ある中国政府とは中華民国であり、国民党率いる蒋介石がその指導者であった。つまりは、今でいう台湾政府じゃないか。戦勝国は中華民国であり、連合国側のChinaとは蒋介石率いる国民党政府だった。毛沢東率いる共産党ではなかったし、中華人民共和国でもなかった。これが真の「第二次大戦の結果」である。連合国側の会談に一度も呼ばれてない毛沢東が、戦勝国の側にいたわけではない、というのが歴史の事実である。戦勝国はあくまで「中華民国」である。

そして、旧ソ連政府の後を引き継いだ現ロシア政府のように、今の中華人民共和国が中華民国政府の正統性を引き継いだのかといえば、そうではないはずだ。本来は中華民国政府は台湾に存在しているままであり、中華人民共和国とは違う国である。


こういう微妙な立場でしかない中華人民共和国が、「安保理常任理事国は第二次大戦の結果」という理屈を持ち出して、わざわざ正統性を主張してくれるとは恐れ入る。それは、今の中国の、常任理事国としての正統性を危うくするような理屈である、ということである。連合国側だった、或いは戦勝国だったから、ということを理由として、現在の常任理事国の正統性を主張するのは困難である。そんな理由を持ち出してきたことこそが、G4にとってはむしろ有難いということである。