CALL ME

ライブレポートとCD評

THE QUARTET

2007-10-31 00:44:21 | ライブレポート
10月14日(日)
ハービー・ハンコック(P)
ウェイン・ショーター(Ts,Ss)
ロン・カーター(B)
ジャック・デジョネット(Ds)
於:パシフィコ横浜 国立大ホール

このコンサートがある事を知った時、値段を見て行くのはやめたと思った。
また、何となくあまり行きたいなと思わなかったのも事実だ。
だが、ウェイン・ショーターを聴くチャンスも少なくなるかな?と思い行く事にした。
9月の中旬頃、1割引のチラシが横浜のジャズ関係の店に配られた。
ひょっとして招待券が手に入るかな?と期待した時期もあったが、手に入るという保障もないなと思い、1割引のチラシを見てネットで買うことにした。9末の時点でかなり空席があった。一番安いB席を買った。
前にも書いたが、東京と同じコンサートが横浜であった場合、東京では満員だが横浜では空席が目立つ事がよくある。

桜木町駅から歩いてランドマークタワー、クイーンズタワーを通り抜け、パシフィコに着いた。クイーンズタワーが出来た時に勤めていた会社があったので、この辺りはよく来たのだが、パシフィコまで来たのは初めてだ。(あの当時、まだパシフィコはなかった)

エスカレータで3階席に行く。何と、ど真ん中だったが、3階席の後ろから2番目だった。やはり3階席はほとんど空席だった。
ただ、1階席は満席だったようだ。(2階席はわからない)
余談だが、ダウンビートに回ってきた招待席は1階席の前から数列目の真ん中だったようだ。

最初はマイルスのソーホワットから始まった。マイルスのライブ盤より遅いテンポで、ロン・カーターが自分のリーダーアルバムで演奏していたテンポだった。


このメンバーだとVSOPを想い出すが、VSOPとは明らかに異なっている。
VSOPは実はマイルスの曲は演奏しなかったのだが、今日は途中、「処女航海」等もあったが、ほとんどがマイルスの曲だった。
今日のリーダーはもちろんハービーだが、わりとロンが引っ張っている様な印象を受けた。(ロンのベース自体は想像通りだったが・・・)
勿論、ハービーらしいひねりが随所に聴けた。VSOPはよくも悪くもフレディハバードがいたおかげで派手さがあったが、このバンドはそんな派手さとは無縁な演奏を繰り広げた。
それにしてもショーターのSAXは一見何を吹いているかわからないが、妙に納得させられる。特にソプラノが素晴らしかった。
ただ、やはり年齢の問題なのか音程が少し安定していなかった。

コンサートが終わった後、Kacoさん、松本からわざわざ来られたHagiさんと3人でクイーンズで食事をした。
色々お話がはずみ、コンサートよりこちらの方が楽しかった。

横濱JAZZPROMENADE2007(2日目)

2007-10-16 00:26:13 | ライブレポート
10月7日(日)
川上さとみ(P)トリオ
上村信(B)田鹿雅裕(Ds)
於:関内ホール小ホール

鬼武みゆき(P)トリオ+ストリングス・カルテット
グレッグ・リー(B)ヤヒロ・トモヒロ(Perc)
石橋尚子(Vi)加藤千晶(Vi)島岡智子(Vla)森谷佳奈(cel)
於:関内ホール小ホール

今田勝(P)トリオ
稲垣護(B)守新治(Ds)
於:開港記念会館

渋谷毅(P,Key)オーケストラ
峰厚介(Ts)林栄一(As)津上研太(As,Ss)松風鉱一(Bs,Fl)
松本治(Tb)石渡明彦(G)上村勝正(B)古澤良治郎(Ds)
於:開港記念会館

中牟礼貞則(G)カルテット
三木俊雄(Ts)岡田勉(B)池長一美(Ds)
於:関内ホール小ホール

井上ゆかり(P)
北浪良佳(Vo)里見紀子(Vi)
於:ダウンビート

今日は何を聴くかさんざん迷ったが、普段Dolphyでは聴けない演奏を聴く事にした。いつもだったら、必ず行ったFUSEははずす事にした。
今日は早目に家を出て、12時からの演奏に間に合うように行った。
川上さとみさんはジャズプロムナードに書いてあるプロフィールによればピアノの音が非常にきれいだとのこと。
確かにきれいで澄んだ音だ。でも、自分の好みではないな。
1曲目で自分には合わないと思ったが、真ん中の列近くに座っていたので、出るのは悪いと思いずっと座っていた。
それでも、最後の曲が始まる前に出て、近くの喫茶店に入り昼食をとった。

鬼武さんのトリオはDolphyでよく聴くのだが、前からストリングス入りを一度聴いてみたいと思っていたので、FUSEをやめてこちらを聴く事にした。
ストリングスは半分位の曲で入った。
前からトリオだけでは物足りなく、ストリングスや管を入れたら面白いのではないかと思っていた。この人の音楽はTVドラマの主題歌にすればいいのにと思っていたが実際TVドラマで使われているらしい。
今日の演奏で鬼武ファンは増えたかな?

関内ホールから開港記念会館に移動した。
音がしたのでひょっとしてと思って会場に入ると何とFUSEがまだ演奏していた。「ノース・ライダー」の最後だった。会場はぎっしり満員状態で私は入り口の扉の所に立っていた。大きな拍手がおき、これで終わりかなと思っていたら、井上さんの「アンコールに答えて」(ステージにいたまま引っ込まなかったが)に続き、「ずっと・・・」が始まった。紅介さんのアルコによるイントロから始まり、井上さんがメロディを吹く。この曲は日本的な香りがするメロディだが、とてもいい曲だ。
静かに始まった曲はだんだん盛り上がっていき、最後はフォルテで終わりだ。
結局、この曲しか聴かなかったが、妙に身に染み入り、涙が出てきた。

今田さんを聴くのは25年ぶり位だ。
フュージョン全盛の頃、今はなき「シカゴ」でよく聴いていた。
あの頃は1部が4ビート、2部がサンバだった。
また、ピットインの昼の部でスタンダードを演奏していた。
守新治さんは70年代後半の渡辺貞夫グループのドラマーだ。
生を聴くのは1976年?のマイディアライフ公開録音以来だ。
あの頃とはすっかり風貌が変わってしまった。
守新治さんのドラムセットを見て、凄くこじんまりとしたドラムセットを久しぶりに見たような気がした。最近のドラマーは太鼓やシンバルを一杯並べるが、守新治さんのは凄くシンプルだ。
今田トリオはベテランらしく派手なところは全然ないが、手堅い4ビートジャズだった。

開港記念会館にそのまま残り、渋谷オーケストラを聴いた。
渋谷オーケストラは昨年のピットイン40周年記念コンサート以来だ。
横浜JPのパンフレットによると、このバンドで演奏する曲は渋谷さん作曲の曲はないそうだ。今日も石渡さん作曲の曲から始まった。
数曲演奏を聴いて、カーラブレイを想い出した。
すると、次はカーラブレイ作曲の曲をやるとMCがあり、思わずにやりとしたくなった。
最後はいつも演奏する林さん作曲の曲だった。
こういうユニークで元気のいいバンドはいつまでも続けてほしいものだ。

最後はこのまま残ってチンさんのBASS TALKを聴こうか、中牟礼さんを聴こうか迷ったが、ここ数年中牟礼さんを聴いていないので、中牟礼さんを聴きに関内ホールに行った。
中牟礼さんは相変わらず真空管のアンプだった。
この人のギターはとにかく渋い。シングルトーンはあまり使わず、コードを押さえた演奏が多いのだが、何か納得させられる。
人柄がそのまま演奏に現れているようだ。
途中、マイクを回しメンバーが一人一人あいさつしたところが面白かった。
最近、Dolphyに出なくなったが、たまには出演してほしいものだ。

12時から各ホールで始まったが、これで終わった。
結局、今日は5グループ聴いた。全ての枠を聴いたのは初めてだ。
さすがに疲れた。
それから野毛まで歩いていき、ジャズ喫茶「ダウンビート」に行った。
立ち見の人もいたが、カウンターの奥に空きがあったので座った。
ステージはまるで見えない。今日は美女3人なので残念だ。
ラベルの「なき王女のためのパバーヌ」を演奏していた。
結局演奏を30分以上聴いた。

演奏が全て終わり、演奏者3人がカウンターの一番奥に座ったので、少しお話をした。この3人でDolphyにも出たことがあるらしい。
今度機会があったら行ってみよう。

11時頃までダウンビートで呑んでいて、それからDolphyに行った。
ライブのお客は帰った後だった。
しばらくすると、来週結婚式をあげる女性が来たので、2時頃まで一緒に呑んだ。

土、日と音楽漬けになり、また睡眠時間も少なかったので、とにかく疲れた。





横濱JAZZPROMNADE2007(1日目)

2007-10-13 14:17:31 | ライブレポート
10月6日(土)
高田ひろ子(P)トリオ
ベンツ・オースター(B)池長一美(Ds)
於:情文ホール

峰厚介(Ts)クインテット
秋山一将(G)大口純一郎(P)
岡田勉(B)古澤良治郎(Ds)
於:横浜開港記念会館

Nervio
新澤健一郎(P,Key)音川英二(Ts,Ss)
鳥越啓介(B)岩瀬立飛(Ds)
ヤヒロトモヒロ(Perc)
於:ヨコハマNEWSハーバー

昨年は父親の法事で行けなかったので、2年ぶりだ。
でも、2日共行くのは久しぶりのような気がする。
今日は情文ホールの越智順子から聴くつもりだったが、家を出たのが12時近くだったので、あきらめ、その次の高田さんから聴く事にした。
東戸塚の駅で電車を待っている間にビッグバンドの音が聞こえてきた。
これもジャズプロムナードの一環か?

関内駅前でチケットとバッチを交換し、地図を見ながら横浜球場横を通り情文ホールに向かった。日本大通りでバンドが演奏していた。

高田さんを聴くのは久しぶりだ。
高田さんのカルテットは好きなのだが、最近Dolphyに出なくなり5年くらい聴いていないような気がする。今日はレギュラーグループではなく、スイスからベーシストを迎えてのトリオだ。ベーシストとは昔からの知り合いだそうで、スイスでも演奏を何回もした事があるそうだ。
後から知ったのだが、1stアルバムにはベンツが作曲した曲が入っている。この曲は私が好きな曲だ。ただし、今日は演奏しなかった。
今日は高田さんのオリジナルは1曲だけで、スタンダードが多かった。
やはり、レギュラーグループではないからか?
久しぶりに聴く高田さんのピアノは相変わらずECM的なサウンドだった。
決してスイングするピアノではないのだが、好きなピアノだ。
情文ホールは初めて行ったが、ステージはない。というよりステージが一番低く、固定イスがステージから後ろに行くにしたがって上になるように並べてある。
音が変に反響する。

次に開港記念会館に向かった。
峰さんはDolphyでよく聴くが、最近は岡田さんのグループで出たり、秋山さんのグループで出たり、渋谷さんとのデュオだったりで、クインテットでは何年も出ていない。今日は久しぶりに聴く。
演奏した曲は以前から演奏している曲で、初めて聴く曲はなかった。
去年の演奏をCATVで見たが、あまり変わらないように思った。
でも、久しぶりに聴いたが、たまにはこのグループでDolphyに出演してほしい。秋山さんも今日は元気にギターを弾いていた。

それから関内ホールに行った。関内ホール前では神奈川大学のバンドが演奏していた。アルトが凄く上手く、私が知っているサックスの人に似ていたので、彼がOBとして入っているのかと思ったら、人違いだった。
7時から穐好さんを聴くつもりだったが、5時だというのにもう並んでいる人がいる。6時にいったん会場のお客を出し、6時半から入れるようだ。
この分だと1時間以上並ばないとイスに座れそうにない。というか入れないかもしれない。しかし、今日は3時間しか寝ていないし、1時間以上も並ぶ体力はないなと思い、あきらめてNervioを聴く事にした。

Nervioは一昨年出演時の演奏をCATVで観ただけで、生は聴いた事がない。
会場に入ったら、いきなり飲食はされますか?と聴かれ、ここはそういう会場なのかと思ったが、前の席では飲食できないが、後ろ(と言ってもステージからの距離はあまりない)は飲食ができるようだ。
私は一瞬迷ったが、前の席に座った。
このバンドは変拍子の曲が多く、岩瀬立飛とヤヒロさんが大活躍だ。
立飛ちゃんも久しぶりに聴いたが、相変わらず凄いリズム感だ。
このバンドではボイスもやる。
途中、ジョー・ジャビヌルが亡くなったからという事でイン・ア・サイレント・ウエイをテーマだけ演奏した。
音川さんはソプラノを吹く曲が多かったが、音川さんのソプラノは峰さんがネイティブ・サンの頃に吹いていたソプラノと同じ形(つまりアルトサックスをそのまま小さくした形)をしていた。
リーダーの新澤さんはジョー・ザビヌルの影響を強く受けているのがよくわかり、ウエザー・リポートというよりザビヌル・シンジケートみたいなサウンドがした。
また、聴いてみたいと思うグループだった。

演奏が終わったら7時頃だった。とりあえずお腹がすいていたので、伊勢佐木町の新風亭で広島風お好み焼きを食べた。
寝ていないせいか、とにかく疲れきってしまい、そのまま帰る事にした。
今日は早く寝て明日にそなえよう。

パット・メセニー ブラッドメルドー カルテット

2007-10-06 23:27:51 | ライブレポート
9月29日(土)
パット・メセニー(G)
ブラッドメルドー(P)
ラリー・グレナディア(B)
ジェフ・バラード(Ds)
於:鎌倉芸術館大ホール

パットメセニーのライブは約10年前の8月にDolphyで行われたシークレット・ライブ以来だ。あの時はトリオだったのだが、その時のベースが今日のベースらしい。
あの時のライブは机、イスを外に出しブルーシートを床に敷いてお客を座らせ、ブルーシートに座れない人はその後ろに立ち、さらにカウンターの中に入った。
私はカウンターの中で立っていたが、カウンターの中に30名も入り、身動き1つできなかった。8月だったので、とても暑かった。
その中で20分の休憩を挟み、1部1時間30分、2部1時間のライブが行われた。
演奏の内容より目の前でパットメセニーがギターを弾いているんだという感激だけだった。実際、ドラムは4ビートが叩けない人であまりよくなかった。

メルドーは雑誌ではよく見るが、実は彼の演奏は全然聴いた事がない。
したがって、今日のライブは予備知識ゼロで行った。
出てきたサウンドは想像に反して非常に聴きやすかった。
パットメセニーはギターシンセを初めエフェクターを多用しており、メセニーグループに近いサウンドが随所にした。
ベースとドラムは初めて聴いたとおもっていたが、最初に書いたようにベースは10年前に聞いているらしい。随分進歩をしたものだ。
あの時はベースの印象が皆無なのだが、今日聴いていてとにかく音程がいい。早いパッセージでも全然音をはずさない。
メルドーは思っていたより随分大人なしい。
正直、あまり印象に残っていない。
パット・メセニーはギターを10回位変えた。(10種類という意味ではない)
ギターシンセで弾いたソロがとても熱かった。
Dolphyで見てビックリしたピカソギターも弾いていた。
Dolphyの時は東洋的なサウンドを感じたのだが、今回はエフェクターをかけていたのでとても宇宙的なサウンドがした。

今日はジャズにしては珍しく途中休憩がなかった。
コンサートは大体派手な曲で終わる事が多いのだが、今日はとても静かな曲で終わった。(NHKホールではベラ・クルーズで終わったようだ)
アンコールを2回やった。
ステージの灯りが消え、客席の灯りがついたにもかかわらず、拍手が鳴り止まない。ついに3回目も出てきた。でも、さすがに礼をしただけだった。(前日の大阪ではアンコールを3曲やったようだ)
ほとんどのお客が立ち上がって拍手をしている。
大満足のコンサートだった。

今日はもう他の音楽は聴きたくない。
と思っていたが、大船駅に着いたときには最近よく聴いているエリス・レジーナの歌が頭の中で鳴っていた。