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ライブレポートとCD評

FUSE復活ライブ

2010-10-24 18:22:57 | ライブレポート
10月17日(日)
井上淑彦(Ts)
田中信正(P)
坂井紅介(B)
つのだ健(Ds)
於:Dolphy

3年前の横浜ジャズプロムナードが終わった後、リーダーの井上さんが長期休養に入り、このグループも活動休止状態になった。
私は3年前のプロムナードは普段聴かない人を中心に聴いたので、年に数回聴いていたFUSEもはずした。ただ、スケジュールがおした関係でアンコールの「ずっと・・・」だけ聴けた。まさか、その後3年間もFUSEが聴けないとは夢にも思わなかったが。

98年に結成して以来、だいたい年3~4回ライブを聴いていたが、この3年間はぽっかり穴があいたようだった。井上さんが昨年あたりから活動がだんだん本格的になってきたので、そろそろやるのではないかと思っていた。
実際、今年の5月に1回決まったのだが、つのだ健が腱鞘炎になったので、延期になっていた。そして、そのつのだ健も復活し、紅介さんの日記にFUSE復活の事が書いてあるのを見て以来、この日が来るのを本当に楽しみに待っていた。

17時過ぎに桜木町に着き、10月8日から今日まで限定で復活したちぐさに行ってコーヒーを飲もうと思ったのだが、17時からクロージング・パーティになっていたので、行くのを止めた。それから時間つぶしにJUNKの近くの立ち飲みやに行って、軽く呑んだ。
18時半に着いたら、まだあまりお客さんは来ていなかった。いつものようにカウンターに座る。お客さんもだんだん増え、満員になった。

19:30に演奏がスタートした。
1stアルバムの「Flood」だった。
快調にスタートした。
2ndステージの最初に新曲を演奏したが、「Breath in-out」、「Kuresaka」、「I Kin ye」等、久しぶりに聴いた曲もあった。
アンコールは「Witchi-Tai-To」に続き、「ずっと・・・」。
あまり期待が大きすぎると、がっかりという事がよくあるが、今日は本当にいいライブだった。井上さんも「FUSEっていいね」と自分で言っていた。
メンバーもお客も本当にいい夜だった。

今日は久しぶりに会った人がたくさんいた。
私のブログをみてFUSE復活を知り、西武池袋線から来た人もいた。
森山威男ファンの女性にも久しぶりに会った。
地方から来た人もいたそうだ。皆、この日を待っていたのだろう。
ラストの「ずっと・・・」が家に帰ってきても、ずっと耳の中で鳴っている。

来年1月の3連休にDolphyで3夜連続ライブをやる。
もちろん、3日連続で通うつもりだ。今から楽しみだ。

横濱JAZZ PROMUNADE(2日目)

2010-10-11 10:39:10 | ライブレポート
10月10日(日)

今日はプロムナードの2日目。朝まで降っていた雨は10時過ぎに止んだ。
今日は街角ライブも行われた。
街角ライブがないと、プロムナードという気がしない。
今日も家を9時半に出た。
10時20分頃に関内ホールに着いたら、まだ開場していなくて、並んだ。

<増田ひろみ(As)カルテット>
竜野みち子(P)
カイドー・ユタカ(B)
力武誠(Ds)
於:関内ホール小ホール

増田ひろみという名前は初めて聴いた。最近、女性のアルト奏者が増えており、興味があったので、聴いてみた。プログラムには「リーコニッツを彷彿させる」と書いてあったが、ようするにパワーがない。とても綺麗な音色なのだが、音に力が無い。CDだといいかもしれないが、ライブでは厳しいな。
力武さんは非常にムラが多いプレイヤーだが、今日は悪い方に出た。時間が早過ぎるせいかもしれないが。ピアノはなかなか良かった。カイドーさんのベースは力強くて良かった。

関内ホールはこの後のバンドも若い女性アルトSAXだったが、早坂さんが聴きたくなった。

<Naked MAU>
永田利樹(B)
早坂紗知(AS,SS)
神村晃司(Key,p)
コスマス・カピッツア(Ds)
ママドゥ・ロー(Perc,Vo)
於:ヨコハマNEWSハーバー

このバンドは永田さんがリーダーだ。
早坂さんはショートパンツに黒のストッキング、赤い靴を履いて出てきた。
最近、女性のアルトSAX奏者が増えてきたが、さすがに先駆者だけあり、早坂さんは抜きん出ている。私はキャンディ・ダルファーより全然好きだ。
とてもパワフルなSAXを吹き、女・林栄一みたいだが、まともに張り合うと、勝ち目がない。今日も林さんだったら、もっと面白いかな?と思う瞬間があった。
ただ、今日も1曲ソプラノとアルトを2本くわえて演奏したが、元気だ。こういう芸当は林さんは出来ない。
このバンドはセネガル人のパーカッションがいる事もあり、西アフリカの音楽を彷彿させる。とても面白い音楽だ。また聴きたい。

ヨコハマNEWSハーバーはパーティができるイベント・スペースで、飲み物、フードもある。演奏が終わった後、テーブル席でコーヒーを飲んだ。
コーヒーショップで休憩する事も考えたのだが、このまま残って聴く事にした。

<赤松敏弘(Vib)The New Quartet>
佐藤浩一(P)
澤田将弘(B)
樋口広大(Ds)
於:ヨコハマNEWSハーバー

赤松さんの事もこのグループの事もまったく知らなかったが、このグループは掘り出しものだった。
1曲目でチックコリアの「リターン・トゥ・フォーエバー」を演奏したが、この曲をチック以外で演奏するのを初めて聴いたかもしれない。
チックとゲイリー・バートンのデュオにベースとドラムが入ったような演奏で、透明感がある演奏だった。私の大好きなサウンドだ。
佐藤さんは名前は聴いた事があるが、聴くのは初めてだと思う。とてもセンスのいいピアノを弾く。ゴリゴリなジャズが好きな人は駄目かもしれない。
このグループももう一度聴きたいと思った。

<Salle Gaveau(サルガヴォ)>
鬼怒無月(G)
喜多直毅(Vi)
佐藤芳明(Acc)
鳥越啓介(B)
林正樹(P)
於:ヨコハマNEWSハーバー

今日のお目当てはこのグループだった。このグループを聴くのは一昨年2月以来2回目。
このグループはDolphyでもかなりの動員力のあるバンドのようだ。
先の2つのバンドと比較すると、お客が大勢集まってきた。
このグループはタンゴをベースにしているが、決してタンゴではない。
タンゴとプログレ・ロックをフュージョンした感じだ。それとちょっぴりフリーも入っている。ただ、曲はかっちり構成されている。
アコーディオンの佐藤さんは森山さんのグループではホーン・ライクな演奏をするが、このグループではバンド・ネオンを想い出させる。
9月からヨーロッパをツアーしてきて、2,3日前に帰ってきたばかりらしい。
とにかく面白い演奏だ。また、機会があれば聴いてみたい。
このグループではなぜか女性客が多い。

次はダウンビートだが、なか卯できつねうどんを食べた。なか卯のうどんは関西風なので好きだ。
ダウンビートの隣のビルの2Fに、伝説のジャズ喫茶「ちぐさ」を原寸大に復活させた会場が8日から17日までやっており、時間つぶしに行った。当時のイス、テーブル、スピーカーを持ち込んで再現していた。
しかし、人がいっぱいで、ちぐさの中には入れず、外の会場でコーヒーを飲んだ。
ちぐさの年表、ベイシー、渡辺貞夫、日野皓正等と店主の吉田さんが一緒に写った写真が飾ってある。また、植木等、石橋エータロー、秋吉敏子が店主に宛てた手紙もあった。 植木等はとても達筆だった。

<井上淑彦(Ts,Ss)トリオ>
佐藤芳明(Acc)
林正樹(P)
於:ダウンビート

井上さんを聴くのは久しぶりだ。去年の1月以来だ。
今日のバンドメンバーにパーカッションの仙道さおりが加わると、clepsydra(クリプシドラ)というグループになるが、仙道さんは葉加瀬太郎のツアー中のため、参加できなかったようだ。しかし、今日はclepsydraの曲が中心だった。FUSEで演奏する曲も演奏したが、FUSEと雰囲気が随分違っていた。このグループもワールド・ミュージックの匂いがする。
最後の「ずっと・・・」を聴いていると、3年前のプロムナードのFUSE最後の演奏を思い出して、熱い物が込み上げて来た。

今日はとてもいい演奏をたくさん聴けて良かった。
ただ、6時間聴いていたので疲れた。来年は前年までのように12時開始にしてもらいたい。今年で最後という噂が本当にならないように祈りたい。

来週はいよいよFUSEが3年ぶりに復活する!

横濱JAZZ PROMENADE(1日目)

2010-10-11 09:42:52 | ライブレポート
10月9日(土)

今年で18回目だ。今年は市からの助成金が大幅にカットされ、開催が危ぶまれたが、何とか開催にこぎつけたようだ。
今年も9箇所のホール等ライブ・スペース、22箇所のジャズ・クラブでライブを行う。チケットと交換したバッジがあれば、どこでも出入り自由。
他に約10箇所で街角ライブ。こちらはアマチュアが中心で無料。
ただ、今日は朝から雨になり、街角ライブは中止になった。

今年はいつもより早く11時からスタートになった。
今日は9時半に家を出た。
最初は赤レンガ倉庫に行った。隣のスペースではドイツビール祭りをやっていた。

<川嶋哲郎(Ts)カルテット>
田窪寛之(P)
小林航太朗(B)
菅原高志(Ds)
於:赤レンガ倉庫1号館ホール

久しぶりに川嶋さんを聴いた。以前から若手No.1のSAX奏者と思っていたが、今や中堅世代になり、若手を使うリーダーになった。
しかし、バックの若手とは大きな差を感じた。
川嶋さんは堂々とジャズの王道を行く演奏をした。
SAXのソロを延々と続けるところはソニー・ロリンズを想い出した。
朝11時というと、ミュージシャンにとってはまだ真夜中であろう。実際、川嶋さんも「すごく眠い」と言ってた。その眠気を吹っ飛ばすようなソロだった。

<井上陽介(B)カルテット>
川嶋哲郎(Ts)
納谷嘉彦(P)
江藤良人(Ds)
於:関内ホール小ホール

次はどれを聴くか迷っていたが、川嶋さんが出演するので、雨の中を歩いて馬車道に向かった。
関内ホール前のコンビニで肉まんを1つ買い、関内ホールの入口で食べた。
川嶋さんはこれ位のバックだと実力的にバランスが取れる。この人は峰さんを別格にすれば、文句なしにテナー界No.1だろう。
井上さんはとにかく物凄いテクニシャンだが、今日はリーダーなので、テクニックを存分に魅せてくれた。本人は「年甲斐もなくすみません」と謝っていたが。
以前、ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンドでドナ・リーをチューバのソロで演奏したのを聴いた時に驚いたが、あれよりもっと早く、貞夫さん並のスピードで、しかもウッドベースで音程をはずさずに弾いたのにはびっくりした。
こんなテクニシャンはアメリカでもなかなかいないであろう。
今日は江藤君がいつもの迫力がなかった。調子悪かったのか?まだ眠かったのかな?

近くのコーヒーショップに行き、サンドイッチを1つ食べながら、コーヒーを飲んで休憩した。

<横山達治(Perc)スペシャル・プロジェクト>
太田朱美(Fl)
福井友美(P)
織原良治(el-b)
トミー・キャンベル(Ds)
田中美帆(Vo,タップ)
於:ヨコハマNEWSハーバー

今日はこのバンドを一番聴きたかった。タッチャンを聴くのは何年ぶりだろう。
プロムナードが始まった頃は2日目のDolphyの最後はタッチャン・バンドで、大盛り上がりだった。高橋ゲタ夫さんがアドリブで歌詞をつけてずっと歌った時もあった。
久しぶりに聴いたが、相変わらず楽しいステージだった。相変わらずダジャレのオンパレードだったが、今日はいつもの下ネタがほとんどなかった。
太田さんがふくよかになっていたのには驚いた。
ジャズ・タップをする人を久しぶりに見た。
以前は本田竹広さんとデュオでタップをやっていた宇川彩子さんを何度も見た。この人もなかなかセンスがいい。
ステージの裏側にバンドの荷物置き場があり、演奏中に荷物運びの音が漏れてきて、トミーキャンベルがドラムを叩くのを止めて、クレームをつけていた。

時間があったので、また関内ホール近くに戻りコーヒーを飲んだ。
次に鬼武さんを聴くか高田ひろ子さんを聴くか最後まで悩んだが、雨の中を移動するのがいやなのと、NEWSハーバーのイスが硬いのがいやだったので、鬼武さんを聴く事にした。

<鬼武みゆき(P)withフレンズmeetsグラストン・ガリッツア(Vo,G)>
鳥越啓介(B)
岩瀬立飛(Perc)
中西俊博(Vi)
於:関内ホール小ホール

グラストン・ガリッツアは2年連続の出演。昨年はヤヒロ・トモヒロ(Perc)との共演だった。ガリッツアはブラジル人で現在はマドリードに住んでいる盲目のシンガー。
ブラジル人というと、ボサノバだと思う人がいるかと思うが、彼はブラジル・ポップス(MPB)だ。今年は鬼武さんとマドリードでコンサートをしたそうだ。
パナソニックのCMでこの2人の演奏、歌が全世界に流れるらしい。
ガリッツアは昨年も聴いたが、今年の方が音の厚みがあった分、良かったと思う。
途中、お客さんの出すお題について、中西さんと即興で演奏するコーナーがあった。
お題は「雨の横浜」と「伊勢佐木町」だった。
最初は雨が降っていなくて、途中から雨が降り出し、最後は止むという情景が浮かんできたが、伊勢佐木町はどこに行ったのだろう?元町、中華街の感じがした。本人達もそう思ったようだ。どうも伊勢佐木町は例の曲を思い出すのでやりにくかったようだ。
鬼武さんは相変わらず美人だった。この人の笑顔を見ると幸せな気分になる。

ここまで聴いて、お腹が空いたし、疲れたので、プロムナードはここまでにし、JUNKに行く事にした。(JUNKでも1時間ラテン・ジャズ・ボーカルを聴いた)
今日は雨が降り続いたが、どこの会場もいっぱいだった。

J.J.Spirits

2010-10-03 09:46:37 | ライブレポート
9月30日(木)
佐藤允彦(P)
峰厚介(Ts)
加藤真一(B)
村上寛(Ds)
於:Dolphy

お店についたのが9時過ぎ。1部が終わった後の休憩時間だった。
ビールとジャーマンポテトを注文する。
J.J.Spiritsは1年ぶり。今日もベースは加藤さんだ。
J.J.Spiritsは元々富樫雅彦、佐藤允彦というフリー畑の人が4ビートを演奏するために始めたグループだったが、富樫さんが亡くなってからは、富樫さんのオリジナル曲を演奏するグループになった。
フリーな曲もあり、モンクを想い出すような曲もあり、ワルツもあり、4ビートもあり、バラエティにとんでいた。
私の好きなメモリーズは聴けなかった。1部で演奏したのかな?
加藤さんはいつもより少しフリーっぽい演奏したが、この人の演奏は手堅い。
フリーなピアノというと、山下さんや板橋さんみたいにピアノを強く叩くイメージがあるが、佐藤さんは決してピアノに負荷をかけず、音符で表現する。

演奏が終わった後、峰さんと少し話しをした。
峰さんは焼酎を呑みながら、女性に囲まれてご機嫌だった。
峰さんはしばらくアルコールを抑えていたが、今日は芋焼酎をロックで呑んでいた。

峰さんが、来年も本田さんの追悼ライブをやりたいと店主に言っていた。
実現すると楽しみだ。