その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、映画、本などなどについての個人的覚書。SINCE 2008

戸田恵子さん、流石!: トム・プロジェクト プロデュース「Sing a Song」 (第28回下北沢演劇祭参加作品)@本多劇場

2018-02-11 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


 下北沢演劇祭での2つ目の観劇。私には三谷幸喜さんの映画でお馴染みの戸田恵子さんの舞台を一度観てみたいと思い、チケットを購入。

 さすがだなあ~、「役者が違う」というのはこういうことを言うんだと大いに納得。存在感、台詞回し、歌、演技など、すべてがぴったり舞台、作品の中に嵌っている。戸田さんの個性が十二分に発揮されていて、かつ戸田さんのために用意された舞台のようだ。ため息が出るほどだった。

 戸田さん以外の俳優陣もいかにもプロフェッショナルという演技で、完成度の高い作品に仕上がっていた。私的には、特高の軍曹を演じた岡本篤さんが良かった。軍の論理に盲従する下士官から成長する姿には、観ている方も気持ちが入る。

 物語は下記のHPの紹介を読んでいただければと思う。直球ど真ん中の良心的反戦メッセージで、昭和の時代なら「文部省特選」演劇だろうが、戦争を回避する国から「戦争ができる国」に舵を切ってしまった今の日本には、こんな話でも、キーキー反応する人がいるのかもしれない。今の時代を観ていると、決してこの劇中の会話が昔の話に聞こえてこないのが怖い。



【作】 古川健 【演出】 日澤雄介  
【出 演】 戸田恵子 鳥山昌克 髙橋洋介 岡本篤 藤澤志帆  大和田獏
【スタッフ】
美術:中川香純
照明:五十嵐正夫
音響:原島正治
衣装:牧野iwao純子
舞台監督:髙橋邦智
宣伝写真:ノザワトシアキ
宣伝ヘアメイク:菅野典子 土屋裕子
宣伝美術:立川明
プロデューサー:岡田潔
企画制作:トム・プロジェクト

Introduction
昔一人の歌い手がいた
歌を愛し歌に愛された彼女
だが戦争が彼女から歌を奪おうとした
歌い手とその歌に惚れ込んだ仲間たちは誇りを胸に皇軍の旅に出る
歌に生きた一人の女とその歌を愛した人々の物語

本作は今、演劇界で最も注目を集める劇団チョコレートケーキの古川健による書下ろし。
主宰の日澤雄介が演出する。
出演は女優・声優として観る者を魅了し続ける名マルチプレーヤー戸田恵子。
"お昼の顔"卒業後、舞台・映画・ドラマと精力的に活動するベテラン大和田獏。
元劇団唐組の鳥山昌克、劇団トラッシュマスターズの髙橋洋介、劇団チョコレートケーキの
岡本篤、そして藤澤志帆、と小劇場で活躍する魅力的なキャストが集まった。

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