「宝塚のBさん」といえば
10年前くらいにインターネットを利用していた
だんじり愛好家の人達には「あぁ」とわかる
超有名な人だった。
本当にいい人だった。
私の「?」にいつもきちんと答えては
歩むべき正しい道を示してくれるような
広くて深い人だった。
人一倍男気もあった。
か弱い人が怖い人におどされていたら
決して黙って通りすぎはしない
そんな強さを持った人だった。
子供が小学校へ上がるのに合わせて
私が賃貸マンションを借りた場所が
たまたまBさんが経営する会社の
道をはさんだ真ん前だということが
マンションを借りてからしばらくして
わかり、ものすごく笑った。
当時、慣れないネット上で知らない人に暴言を
吐かれたりして私が困っていても
誰もが納得するような言葉でかばい、場をまとめてくれた。
間違っていることは「違うよ」と言ってくれ
理想のお父さんみたいな人だ。
とにかく、悪い思い出は何一つとしてないくらい。
ひっかかったのは
Bさんが本業そっちのけで
サプリメントの宣伝をネットでも
はじめたことだった。
そこの会員になることを私にもすすめてきた。
1ヶ月分1箱15000円というむちゃくちゃな値段だったが
「体にいい」とすごく信用しているみたいだった。
自分は賛同できなかったので
そのままのことを言った。
「その話はおかしい。自分は平民なのでそんな高価なものは口に合いません。
健康の為にもしも飲むんだったらコンビニので充分です。
あなたもサプリを飲む前にタバコをやめるべきだ。」と。
それでも、あまりに執拗にすすめるので
「無料でパソコンの故障を直してもらった」ことなど思い出し
その金額を支払ったと思って「1箱だけ買う、だけどこれっきりだ」と言ったら
「会員になるともっと安く買える、会員になってもらいたい」と言う。
入会金が確か・・40万だったかな。
「1箱だけなら買う、どんなにすすめられても会員にはならないし
それ以上買うこともない」と
本当に悲しかったのだが、ハッキリ断った。
「だったらいい」と言うのだ。
元結婚相手の親友とやらが当時、うちへやって来て
「現在加入している保険を全て解約し
月額掛金35000円のうちの保険に入ってくれ」と言い
私が「月額5000円なら付き合いで入ってもいい」と
言ったら「5000円の契約なんていらない」と言って
急に帰って行った、あヤツを思い出してしまった。
(その事が元でそヤツは親友ではなくなり
連絡もなくなったとか。笑える。)
結局、私は1箱すらも買うことはなく・・・
1通のメールを送って来たのを最後に
Bさんはすっかり私の前から姿を消した。
その日を境にあちらのHPは無くなり
マンション前の会社にも電気がつくことは無くなった。
(今は全く違う会社になっています)
そういえば、宝塚のだんじり祭りのときに
はじめてBさんの家の前を通ったとき。
大きい庭があって、端には2台分の駐車スペースがあった。
家って前に立つと、おかしな言い方かも
知れないけれど
中の様子が伝わりません?
「明るい家庭だなぁ~」とか
「もめてる家だなぁ~」とか(爆)
その家は唇をかみしめていた。
ぐっと奥歯を噛んで。
だから私はBさんに
「もしかして現在、家と仲良くないですか?」
とヘンなメールを送ったことを覚えている。
地元の人からの話によると
家もなくなったらしい。
(そういえば、いつもは必ずメールの返信をしてくれたが
そのメールだけは無視されたっけ。
アタシもプライベートなことなので
それ以上はつっこまなかった。)
最後のメールにはこんなことが書かれていた。
「持病があるという話をネットの日記で読んで
本当にnekoちゃんの体のことを心配していた時に
どんな事にもよく効くサプリメントがあることを知って
心からすすめていました。
そのことがnekoちゃんには伝わらなかったようで
ネズミ講を断るような言い方をされたことだけが
心残りです。」
あぁ、どうして。
あんなになんでも知っていて
わけのわからないネットの炎上さえもを
両者上手く治める事ができるほどのあなたが
ネズミ講にひっかかるの?
「サプリ買う為に入会金40万」
絶対おかしな話やん。
その時だけは私が「おかしい」っていうの
「サプリ飲む前にタバコやめろ」っていうの
聞く耳持ったら良かったのに。
心残りなのはこっちのほうです。
注*10年前といえば、まだ若かったので
「1箱だけ」という遊び(←ブレーキの『遊び』の意)も
ありましたが、今はもう「1箱だけ」も
受け付けない古びた頭になっています。