海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

5.15平和行進始まる

2009-05-15 17:02:01 | 住基ネット・監視社会
今日は5.15ということで、辺野古の浜で開かれた東コースの出発式に参加し、午前中、宜野座村役場まで歩いてきた。歩いている途中に久志岳が見えたのだが、米軍の実弾演習によって着弾地の赤土が剥き出しになり、山火事で黒く焦げた場所が目についた。13日の夜に用事で辺野古に行ったとき、午後9時を回っているのに米軍の射撃演習の銃声が鳴り響いていた。好天が続いて乾燥していることもあり、キャンプ・シュワブでもキャンプ・ハンセンでも米軍演習による山火事が連続して発生している。無論、天気がよかろうが、悪かろうが、この狭い沖縄で実弾射撃演習を行うこと自体がおかしいのだ。
 平和行進の横を迷彩色が施された米軍の大型トラックが三台通っていった。荷台に乗っているのは訓練に向かう海兵隊員で、砂漠戦用の戦闘服にヘルメットで武装し、ライフル銃を手にデモ行進を眺めていた。キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンで訓練をしたあと、イラクやアフガニスタンに向かうのだろう。オバマ大統領に変わったからといって、沖縄の米軍基地の現実は何もチェンジしていない。
 平和行進には反住基ネット沖縄の会員として参加したのだが、ティダの会で活動している辺野古のお年寄りたちも出発式に応援に来ていて、行進に向かうときにサーターティンプラとバナナをもらった。有り難いことだ。
 以下に平和行進団に配布した反住基ネット沖縄のビラを紹介したい。

 五・一五平和行進に参加されたみなさん。一九七二年の施政権返還から三七年を迎える今年は、薩摩による琉球侵略から四〇〇年、明治政府による琉球併合から一三〇年という節目の年でもあります。県内ではこれらの歴史を検証するシンポジウムが開催され、沖縄にとって薩摩の支配が意味したもの、そして、明治以降の沖縄の近・現代史が意味したものが、問い返されています。
 五・一五もまた、沖縄にとって忘れることのできない日です。「核も基地もない平和な沖縄」を実現しようと取り組まれてきた運動は、しかし、いまだその目的を達成できていません。全国の米軍専用施設の75%が沖縄に集中している現実は変わらず、爆音被害や流弾事故、演習による山火事、米兵による犯罪が毎日のようにくり返されています。
 日米両政府はそのような沖縄の「過重な負担を軽減する」という欺瞞的な言葉をろうしつつ、辺野古への新基地建設を強行しようとしています。四月には五四〇〇ページにも及ぶ膨大な「環境アセスメント準備書」を公開し、たった三回の説明会をアリバイ的におこない、作業計画を進めています。
 もし新基地が建設されれば、辺野古集落は陸も海も空も米軍基地に囲まれてしまいます。住民の人口をはるかに上回る六五〇〇名といわれる米軍関係者が住み、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ、辺野古新基地、高江ヘリパット、北部訓練場と、沖縄島北部は軍事要塞と化してしまいます。演習による事故や米兵による犯罪が続発するのは、これまでの沖縄の歴史が証明しています。
 私たちはこのような沖縄基地の強化を、けっして許してはなりません。岩国基地や厚木基地、横田基地など全国の米軍基地、自衛隊基地の強化に反対している仲間と連帯し、米軍再編による日米両軍の一体化、戦争体制の構築に反対しましょう!
 また、私たちはこのような戦争体制構築の一環として、住基ネットや生活安全条例、監視カメラなどにより、市民を監視・管理するシステムが作られ、強化されていることにも反対する必要があります。
 戦争体制を作るために、反戦を訴える市民団体や労働組合、学生団体などが弾圧されてきた歴史があります。特高警察や隣組制度、言論・報道機関の統制など、さまざまな手段を使って、政府権力は市民を監視し、反戦運動を圧殺して、戦争に動員していきました。
 いま、技術の進歩によって市民監視は巧妙に行われています。全国民に割り振られた十一桁の番号(住基コード)に、膨大な個人情報が集約され、国家によって管理されるシステムがすでに作られています。
 住基ネットによって市民一人一人の健康状態から家計の状況、思想傾向までが国家に掌握され、戦争への動員に抵抗する市民が排除される社会はまっぴらです。戦争体制を支える住基ネット、市民監視に反対しましょう!

※このビラの中で「六五〇〇名といわれる米軍関係者」と書いていますが、環境アセスメント準備書には次のように書かれています。
「なお、キャンプ・シュワブ内における将来の人口は、基地従業員を含め約6,400名として給排水計画を行いました」とあります。正確さを欠いていましたので訂正します。

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