海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

辺野古崎付近での兵舎解体工事が進む

2015-01-06 20:34:36 | 第32軍司令部壕説明板問題

 6日は午前9時過ぎに11艇のカヌーが辺野古の松田ぬ浜を出発した。いつものように辺野古崎まで漕ぎ、そのあと平島と長島の間を抜けて大浦湾に出た。前日と変わって曇り空で少しうねりがあり、天気予報は午後から雨と報じていたので、天気を見ながらの練習となった。大浦湾を西に進んで海上保安庁の浮き桟橋が設置される場所まで漕ぎ、作業の動きがないことを確認してから瀬嵩の浜に向かった。

 辺野古崎の岩場では男女二人がカメラと双眼鏡で周囲を観察していた。前日は沖縄防衛局員かと思ったが、鳥類の調査をしているのかもしれない。高江では環境保全研究所が北部訓練場内の調査を行っていた。米軍基地内は希少生物の生息地でもあり、調査員の姿を時々見かけるが、いつも思うのは破壊を前提に進められる調査を行っている人たちの気持ちだ。

 沖縄県民の抵抗が弱ければ、1年後にはこの岩場も埋め立てられているかもしれない。調査して記録を残しても、破壊されて消えてしまえば何の意味があるか。沖縄の貴重な自然を保護するのではなく、破壊するために自分の専門知識を生かす仕事をして、生活のためと割り切れるのだろうか。

 瀬嵩の浜近くまで漕いでから、船で曳航してもらって長島の近くまで戻り、大浦湾で転覆練習をした。大浦湾は波が荒く、抗議行動のさなかに横波を受けて転覆することもあり得る。自力でカヌーを起こして再び乗り込む練習だが、冬場に入って久しぶりの練習だった。転覆して流されカヌーから離れてしまったことも想定して、みんなで助ける練習も行った。寒さは厳しいが、こういう練習も欠かせない。

 朝、辺野古崎に向かうときには残っていた兵舎が、お昼過ぎに戻るときには解体工事が始まっていた。アスベストが問題になっていた3棟の兵舎のうち一番南側にあった兵舎で、北側の兵舎はすでに解体されている。外側の壁が壊されてドクロの絵が描かれた内部の壁が見えた。

 この付近一帯の建物が解体され更地になると、辺野古崎の海岸部に隣接した作業ヤードとして使用される。本格的な埋め立て工事を進める上で必要な前提作業で、海上での作業はまだ始まっていないが、陸上部では着々と工事が進められている。

 あくまで辺野古新基地建設を強行しようとする日本政府・防衛省に対して、実際にそれを止める力となるのは、一人でも多くの沖縄県民がキャンプ・シュワブのゲート前に集まって工事車両を止めることだ。選挙で1票を投じて当選させたから終わりではない。日々の仕事で忙しいと思うが、週に1度、月に1度でも参加する人が増え、いざというときには多くの人が結集すれば、工事は止められます。海でもゲート前でも頑張りましょう。

 


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