アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

シャセリオー展

2017-05-25 05:15:56 | 展覧会、美術館、公募展、貸画廊、貸ギャラリー
シャセリオー展
会期:2017年2月28日(火)~5月28日(日)、月休
会場:国立西洋美術館(東京都、上野)

 先週の今日、痛む右足を引きずって見に行ってきたんですが、結論から言うと無理して行くこともなかったです。

 というのもシャセリオー展と謳っておきながら、肝心のシャセリオーの作品の展示が少ないという、初の大回顧展にありがちな典型的な企画展。

 だから会期末に行ったにもかかわらず、写真のチラシがまだ会場で手に入ったという。もし盛況ならチラシはすでになくなっているはずで、これは見た人が期待外れであったことの証左でもある。

 「シャセリオー展」とせずに、「シャセリオーとその周辺の画家たち展」とでもすれば、つまり会場へ足を運んでくれるお客さんに嘘をつかなければ、もっと混んだはず。なぜならドラクロワやモロー、そして貴重なシャヴァンヌの作品も展示されていたわけで、西洋美術好きなら行って損はしないからで、個人的にはシャヴァンヌ見たさに行くべきじゃないかと。

 とはいえ、シャセリオーの作品も、そうはお目にかかれないわけで、何とも微妙な企画展です。一般向きともいえず、かといって通好みというほどでもない、シャセリオーの名は知られているわけで、かえってそれが仇となって、もうひとつ訴求力を生み出せなかったという感じか。

 いっそ思い切って「シャセリオー派展」とかしてしまえばよかったと思うのだが、そんな度胸というか、ある意味煽情的というか、そうした商魂たくましさは、さすがに持ち合わせていないか、国立西洋美術館は。

 せっかく図録を買おうと思って見に行った私ですが、買わずに帰ってきちゃいました。確実に言えることは、これなら「ミュシャ展」を優先させた方が良い、ということでしょうか。

 蛇足)もちろんシャセリオーのファンなら絶対に行かないと駄目ですよ、何たって初の大回顧展なんですから。そしてもちろん図録も買わないと。だってシャセリオーの画集なんてないですから。