ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

テクノプラザおおた

2024年03月07日 | 建築&土木見物

太田駅から徒歩10分。新田パンや旧金町図書館と至近距離にあるので短時間でいろいろ見られて楽しい地域です。
こちらの建物は太田市がモノづくりの街としての発展のために設立したテクノプラザに群馬大学理工学部の一部を誘致した私設。
モノづくりに必要な知識を学生に習得させる事で、日本の科学技術発展に貢献する人材の育成を行う他、産学官連携による共同研究開発が行われています。

オープンは2008年。設計は菊竹清訓事務所出身の長谷川逸子。
甲府建築散歩で見た笛吹川フルーツ公園の3つの温室やすみだ生涯学習センター ユートリヤに続いての登場です。

建物の反対側。L字型の建物の左側が群馬大学理工学部の研究棟。Lに囲われた部分は広場になっていて地元の人がゲートボールを楽しんでいました、

市民と学生と研究者が共存し新しいアイデアを生み出せるよう開放的な施設として設計されており、出入り、見学は自由にできます。

建物の外皮となっているのは長谷川逸子が1980年からこだわって使用しているパンチングメタル。
建物自体はただの直方体で、その表面に自由な形の「膜」を纏わせることで個性的な風貌を生み出しています。
隈研吾の国際交流留学生プラザところざわサクラタウンで見られる手法。外皮型または厚化粧型と名付けよう。隈研吾事務所の設計の何割かはこのタイプです。
外観のインパクトに対して構造的にはこれといった面白みはないのですが、外観の印象に対して建設費がかからないので手法として否定するものではありません。

エントランス部。

上層階のバルコニー。各階のバルコニーの幅が変化しており、上下で異なる幅のバルコニーを鉄骨で繋いだ上にパンチングメタルが張られて、建物の表情が生み出されています。

中央奥の方に雪を冠した赤城山が見えます。

南面には鉄骨の階段が通っています。

ここかっこいい。壁面とバルコニー下面を単色のイエローで塗装し、どこから見てもメタルとイエローだけが見えるのは素敵です。
さっきリンクを貼る時にすみだ学習センターの写真を見返していたらほぼ近いイエローが渡り廊下や階段下で使われていました。「長谷川イエロー」なのかな。

メインエントランスの吹き抜け。左手のギャラリーの壁に開いた窓の形が湾曲したベランダのモチーフ。たぶん。

黄色とパンチングメタル以外で唯一の色彩が郵便ポストの赤。

西面の眺め。桜が咲くころも良さそうです。
コメント
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