望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・その21・放浪記

2010-02-23 10:58:25 | 舞台・ウラ話
いくら方向オンチでも、

あろうことか、舞台で迷うとは!


これは、話だけだとわかりにくいので、
私の下手な絵を貼り付けておきますね。
 


ありゃ、字が小さすぎた

でも、読めなくてもかまいません。

テーブルとA、B、C、のそでの場所だけ、
わかっていただければ大丈夫です 


問題は、この上手の部分でおきました。

私は暗転前には舞台の真中あたりにいて、
暗転で、Bのそでにハケることになっていました。

で、
①私がハケたあとで、他の人が、
②舞台の中心にあるテーブルを、このBのそでに移動して、
③そでの出入り口をふさぐ形で、ぴったりくっつける、という、

ちょっとややこしい作業があったんです。

Aのそでは、舞台の一番外、客席のすぐ近くです。
そして、AとBとの間に、ぎっしりと床置きの照明が並んでいました。


つまり、まぁ、普通の舞台なんですね~。

暗転での作業がちょっとややこしいだけで、
ほかは特別なことも何もなく、

我々は小屋入りした時から、
何度も何度も行ったり来たりして 
位置の感覚を体に覚えこませていました。

これも、いつもの作業です。

だから当然、何事もなく公演が続いていたんです。



ところが、

ある回の暗転で、

ふっと、

本当に、ふっと、

自分がハケるべきBのそでを見失ったんです 


小道具を拾ったときに、いつもと違う動きをしたために、
自分がどっちを向いているか、
暗闇で方向がつかめなくなっちゃったんですね 


わからなくなったら、頼るは蓄光だけ。
トリ目役者にとって、蓄光は命綱。
これさえあれば、そちらに向かって進めばいいんですから。


それなのに、

それなのにっ!


蓄光が見えないっ! 


どうして見えないの??
床に大きく貼ってあったのに! 


でも実は、
こういうことは、けっこうよくあるんです。

そでに下がった黒い幕を誰かが蹴とばして、
貼ってある蓄光の場所をたまたま隠してしまった、
なんてことが。


・・見・え・な・い・・・

でもとにかくハケねば!


私はこのあたりっ、と狙いをつけて進んで行きました。

そして、体に布の感触。

よっしゃあ! 幕だ!
これで進めば・・・、

ん?

なに?これ?

足に何かヘンなものが・・・、



(つづく)

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