望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

子供のときに本を読むということ

2015-09-20 14:44:56 | 演劇・舞台・小劇場


昨日はお騒がせ致しました

おかげさまで、今は痛みも落ち着いて、
この調子だと、
もう今日中には治りそう。

いやはや、大騒ぎして失礼しましたm(__)m


でも、さすがに今日は、家におります。

最初から予定もなかったし。

連休中、見事に予定もないし・・・(ーー;)

いや、まぁ、それでよかったんですけどね



・・・で、ヒマといえばヒマになりまして、

ちょっと堅い話をさせていただこうかと・・・。




ここ数年、
何かにつけて気になっていることがありました。


若い役者さんや学生さんで、
言葉に対して、あまりに想像力のない人が、

どこに行っても、1人か2人、いるのです。


特に役者の場合、これは致命的なんですね。


たとえば、
「そうですか」という台詞があるとする。

まぁ、このひと言だけなら、
納得とか了承、あたりが妥当でしょうか。

あとに「わかりました」がつく感じです。



でも、その前に、

「いやぁ、よかったよかった。
 〇〇さん、無事、赤ちゃんが生まれましたよ」

という台詞があるとしたら、

「そうですか」は、もっと弾んだものになるでしょう。


でも、その前のストーリーで、
実はこの人が、
〇〇さんが幸せになるのを喜んでない人だったら、

「そうですか」は、微妙なニュアンスになりますよね。


だけど、この人が、ある事情があって、
イヤだけど、喜んでいるフリをしているとしたら、

「そうですか」は、いよいよもって複雑になります。



芝居の台本には、ト書きという、
情景や設定の説明の言葉があります。

そして、たまに台詞にも、

「そうですか(楽しくない)」

というような、簡単な説明がついていることもあります。


でも、普通は何も書かれていません。

台本を読んで、そのやり取りを考えていくうちに、
どんどん細かい感情が見えてくるからです。


ところが・・・どうしてもわからない子がいるんです。

「そうですか」は、
どんなときでも了承のようにしか喋れない・・・。

説明されてもわからなくて、結局、
「これは悲しそうに喋って」
みたいに、いちいち教えてもらわなきゃできない。



最初、こういう子に会ったときは、正直、
「バカ?」と思いました。


でも、その子だけじゃなかったんです。

オーディションとか、ワークショップとか、
ときには公演のメンバーとか、

あちこちに一定数、存在するんです、そういう子が。



要するに、

言葉に対する想像力が、ほとんどない。

前後の脈絡から、想像することができない。


台本を読むというのは、確かに特殊な作業だし、

普通よりも想像力が必要かもしれないけど、


たぶん、普通の文章を読んでも、

ちょっと長かったり、複雑だったら、
理解できないと思います。



少なくとも、7~8年前には、
こういう子はいなかったのに、

これは何なんだろう・・・、

・・・と、ずっと不思議だったんですね。



そんなことを、ふと、若い友人に話したところ、

「多分、本を読んでこなかったんだと思います。
 ビデオとか動画だけで育ったんじゃないでしょうか」

という返事が返ってきました。


 あ・・・。


目からウロコでした。


字だけの本は、自分の想像力が頼りです。

たとえば、難しい専門書なんかを読むと、
とりあえず日本語だから、字は読めるんだけど、

内容はからっきしわからない、
なんて、よくありますよね。


字を読むだけではわからないことが、
本にはたくさんある。



いや、絵本だってそうです。

そのページに描かれている絵は1枚だけ。

その動かない絵を見ながら、
子供はその前後のストーリーの絵を、

お話を聞きながら、
自分の頭の中で描いていきます。

これも想像力ですよね。



でも、動画だったら、

すべて受け身のまま、見ていられる。


今の若い世代は、
まだ小さい頃はスマホではなく、
DVDの時代だったでしょうけど、

レンタルなども、
すごく身近になった時代だったはず。

その時代で、
絵本すら読んでもらわずに育った子供が、

その子供たちの一部が、
今、驚きの大人になっているのではないか。

そんな気がしています。



となると、これからはどうなるんだろう。

今はTV以外でも、
いつでもどこでも、動画が見られます。

親にとってみれば、
スマホやタブレットを渡しておけば、

子供に絵本を読んでやる、
なんて手間のかかることを、する必要もない。


そうなれば、これからいよいよ、
とんでもない問題になるかもしれないと、

かなり本気で心配しています。


だって、

相手の言葉を理解するとか、
行間を読む、とか、

人間関係って、ほとんど、
言葉を膨らませていく作業ですから。



もちろん、
偉そうなこと言っている私も、
今は全く本を読んでいません。

でもね、大人になったら、
どうでもいいんです。

想像力なんて、
子供のうちしかつきませんから。



今、学校ではどうなんだろう?

台本を読む世界の話だけであればいいんですが。




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2 コメント

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ちょっと違うかもしれないけれど (失平)
2015-09-22 15:12:13
もちこさんは女子だから馴染みが薄いかもしれないけれど、
昔、「サンダーバード」っていうテレビ番組がありましたよね。
今、それをCGで作り直した番組が放映されているのです。
昔は操り人形劇でしたから、CGになったらさぞ素晴らしいのかと思いきや、
これが全然だめ。カッコワルイったらないのです。

でもおそらく今の子供たちからみたら額なのでしょうね。

我々は足りない部分があったからこそ、補う力を養えます。
でも、果たして今の子たちに足りないものを補い、
なおかつプラスアルファの世界を想像、いや創造する
ことってできるのでしょうか。

考えるほどに、とっても怖いことだと思います。
返信する
いや、まさに、それです! (もちこ)
2015-09-22 23:48:36
失平さん、
コメントありがとうございます。

失平さんのブログを欠かさず読んでいる割に、
ぜんぜんコメントせずにごめんなさい(^_^;)


「サンダーバード」は、女子でもよく知っていますよ!
あの人形のマネが、芸として成立してましたよね。

そして、新しい「サンダーバード」の初回、
期待しながら、ダンナと録画して観て・・・、
それっきり、観る気にもなりませんでした。

なんじゃこりゃ、でしたよね。

まさに、おっしゃる通りだと思います。
ジェネレーションギャップなんて話で済むような、
そんな問題じゃない!

本当に怖いことです。
返信する

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