20日に日立造船(Hitz)研究所の中澤氏、西安にある西北大学の申教授等を交えて、経済と環境を合わせた形での持続可能な発展モデルとしてのシンポジウムを行なった。日立造船の中澤氏からは杜仲ゴム、申女史からは砂桃の砂漠化防止と経済的な可能性についての発表、こちらからは砂漠化防止回復モデルの発表を行なった。いづれも大変困難な環境の中で地元民の貧困対策や環境対策に力を入れて奮闘努力していることが分かった。中国とは国交40周年の今年はこれまでになく関係が一気に冷え込んだ一年になったが、中国は世界でも最も格差のある社会になってしまっていて、ジニ係数が0.5(1%の人が半分の富を得る)という極端な社会になってしまっている。この一部でも税金や財政によって貧困層へ還元できる仕組みつくりができればいいのであるが、残念ながらできていない。税金は脱税が跋扈し、中央政府の財源も公共工事など庶民が職を得る機会ができても、労働者が貧困から脱却はできない。この貧富の格差を新しい政権で是正していこうという時期にあると思われたが、中国トップの人選をみても経済発展に助けられているとはいえ、庶民へのインターネット規制が始まったように、反日運動のように不満の矛先をどこかへ向けていくか、押さえつける方向へと進んで来ているような気がする。ますます差が開いてきている中、今後はこうした貧困層にターゲットをあてて、環境がよくなるようなプロジェクトを進めて行く方向に進めなければ、大変な時代になると思われる。幸い、私たちのプロジェクトでは、インフレの影響もあるが収入は6倍から20倍にあがって急速に農牧民が豊かになりつつある。今後、こうした議論がもっと活発に行なわれてもいいと思われた。