アラシャン通信(オイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター便り)

阿拉善からウズベキスタンのシルクロードの砂漠化防止活動配信。肉体疲労、更年期、男女不妊には日本最濃の薬味酒、遼伝来福酒!

あいまいさと多様性が環境を守る

2007-07-31 00:00:58 | つぶやき
「あいまい」この言葉はどちらかというと悪く言われている。「白黒つけるぜ!」よっ、いいねえ~と思われがちだ。しかし、最近、国際化してきて、はっきりと主張することはもちろん強さとして必要となってしまったのだが、どうもこのあいまいさが日本の自然を守ってきたのではないか?と思うことが良くある。もしかしたら、日本の自然の多様性が逆にあいまいにしたのかもしれない。先日のサッカーを見ていても日本が負けた原因はこのあいまいさ、そして迷いの大きさにあることははっきりと見て取れる。やはり迷いがあるのだ!この迷いを克服すればきっと強くなれるだろう。それを無心として繰り返し練習を行うしかないのかもしれないが、技術的に多彩な戦略はあるので、それが加わればとてつもなく強いサッカーができるかもしれない。話はずれてしまったが、あいまいさは誤解されることが多い。いいか、悪いか!賛成か、反対か?このはっきりした政策によってここも過去に何度かの環境破壊が行われてきてしまった。そして禁牧政策が施行された。羊の姿が全くない。居ないことはいいのだが、ラクダまでも禁牧対象だ。それがどういった結果をもたらすのか?ネズミが増える一因であったりする。なぜならラクダによって足でネズミの穴を潰してくれる、又ネズミの餌である葉っぱもたべてくれるからだ。こういった事を考慮しての中間的な政策は取られていない。ダメといったら駄目なのだ。植林も同じく多様性はない。きちんと縦横ななめをきれいに、一つの樹種で統一したりする。日本ではあいまいさと森林の多様性があったお陰で、たくさんの方向を作ったことによって、大きな、特に自然のダメージを回避することができた。プロジェクトも同じだ。小さな間違いは容易に訂正することはできる。しかし、大きな間違いは訂正することは出来ないのだ。この国では成功プロジェクトも小さい事業から始まる。実は日本のODAもあいまいさを残す形の小さな小回りの利く事業を沢山やった方がいいのではないかと思ったりもする。
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水が先か緑が先か

2007-07-30 22:55:08 | つぶやき
これまで現地で見てきて今年になって確信に近く感じる事がある。地面が緑になると雲がやってくることだ。こちらのセンター周辺は植林植草と禁牧政策されて羊の地面を走り回る雲がなくなってから、途端に空の雲が増えてきた。植林によって地下水の低下が心配されているが、それ以上の雨の効果が見えてきているかもしれない。特に植林よりも有効に思うのが地面を覆うことだ。緑で地面が先にグランドカバーされると、午後の暖められた地面からの風が起きずに雲が停滞する。そして夕方になると雨が降り出すのだ。このパターンで、今年の現地では100年見られないといわれる程の雨を記録している。これも先の植林植草と禁牧政策の効果の現れの一つだと思う。と言うのも、ここから200km北にある烏力吉周辺では、今年もほとんど雨が降っていない。ここは地面がグランドカバーされておらず、放牧されているために雲が行かないのだ。突如として草原になった現地に来た訪問者の方は、なんていい所なんだろう!という。しかし、5年前には一面の黄色い乾いた荒廃地が広がっていたのだ。それが政策と植林植草によって緑の衣をまとってからは、白い雲が次々とやってきたのだ。そして好循環になって、今年の多雨に繋がっている。
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植林交流と国際交流

2007-07-29 23:20:52 | 阿拉善センター関係
26日からオイスカ幼稚園教職員一行25名が現地に植林に来てくれました。この植林は実は先生の研修のためでもあるのですが、地元の学生への環境に関心を持ってもらう為の一環でもあるのです。阿拉善では、以前中学生の時に植林した学生が今年大学に合格し、改めて植林に来てくれました。その中で数名がこうした環境分野の専門に進んでくれました。もしかしたら以前に植林を一緒にやったことが、契機になったのかもしれません。28日には隣の銀川市にある第20中学校の教職員と学生と交流しました。テーマは「環境問題と教育問題について」打ち合わせの際、なかなかテーマが決まらず、結局アバウトなテーマになりましたが、その広さがかえって良かったのか、幅広い質問が次々に出てくる討論会になりました。日本の環境についてとてもよく知っていて、なぜそうなったのかをとても熱心に質問してきました。日本はトイレが綺麗だ。といったことからボランティアの市民が自分達の町を綺麗にしている事まで話しました。当日は寧夏テレビ等も来ていて広く伝わればいいなと思っています。ここの中学校ではこうした試みが始めてだったらしく、こうした形の国際交流にとても喜んでいました。オイスカ幼稚園の皆さまお疲れ様でした。
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ODA民間考察団が来てくれました

2007-07-26 15:19:39 | 阿拉善センター関係
7月25日、待ちに待ったODA民間考察団一行がいらっしゃいました。以前からこういったプログラムはあることは知っていたのだが、まさか、この阿拉善という誰も知らない僻地まで来てくれるとは正直思っても見なかったので驚いていたのですが本当に来てくれました。当日は中国の南の貴州省から乗り継いで疲れも見せずに来たのですが、この裏では「さー大変!!」何せ日本政府一行が来るということで、前日も地元政府に呼ばれて会議をしました。阿拉善には他にも石川県のNPO世界の沙漠を緑にする会があります。その会も一生懸命に緑化に頑張っているのですが、そこの呉さん(日本語がとてもうまい)がかなり準備をしてくれたので助かりました。又、こちらでJICA協力隊員の美術教師として頑張っている名嘉真さんの所へも訪問しました。ここのサイトには当日は5時半に来るということで、政府の人もずっとセンターの門の所に1時間も張り切って待たせてしまいました。ここの見学は1時間しかなかったのですが、説明に熱心にメモを取って聞いていました。見てもらった所は昨年秋に完成したので、まだまだなのですが、今後、来ていただいた方に、沙漠化の現状や問題について知ってもらい、新たな展望が開けるといいです。あまりにも大きなこの難題を解決するのに、一つのNGOでは難しく、たくさんの方の力が必要だからです。
貴重な時間をわざわざ割いてこちらに来てくれてありがとうございました。
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炭作り(その後)

2007-07-13 12:55:25 | 阿拉善センター関係
7月3日にJICAの在北京専門家の方と緑の地球ネットワークの高見さんがウルムチでのシンポジウムの為に途中、阿拉善に立ち寄ってもらった。前日に砂嵐で温室のビニールは飛ばされるわ、工事中でめちゃくちゃの状況なのだが逆に良かったのかもしれない。現場を見ていただき、話が終わると一言「あまり頑張りすぎると良くないよ」というアドバイスを頂いた。その通りだった。こういった活動は大きくなるにつれて、段々と大変になるという事を肌で感じているからこそのアドバイスだ。人間、風船と同じで、あまり空気を入れすぎると破裂することがある。仕事人間にいいことはない。以前JALの吉田さんから、続けることが一番の活動だと言われた事があった。確かにスタッフも増えてくるとお金が掛かるし、プロジェクト管理費用も増えてくる。でも結果を出さなければ、誰も応援してくれないしなあ。等と悩みは尽きないのだ。高見さんがいらした際に、小川真先生が書いた最新版の炭と菌根でよみがえる松(築地書館)という本を頂いた。次の日に、「朝、散歩していたら、ちょうどホテルの近くの枯れかけている3本松があった」ということで見に行った。松が根元をタイルで固められて弱っていた。「この為にここに呼ばれたんだ」これから治してみようと思う。その本を読んでみると、何と、酸性にする方法が載っているではないか?本当に偶然だが驚いた。炭自体はアルカリ性だけれども、木酢液を混ぜればいいではないか!!その後、ヒマワリからもう一度、炭を焼いて木酢液を採ってみた。PHが4.1の酸性の液体が一回で150ml程採れた。現地の水のPHは7.7なので、100倍に薄めてPHを約1上げて、土壌改良に播いてみようと思う。必然に偶然が重なった。どうもありがとうございました。
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突然の砂嵐

2007-07-02 18:45:28 | 阿拉善センター関係
今日の午後5時、突然の大きな砂嵐が襲ってきた。ちょうど庭で灌漑パイプを組んでいたのだが、10分経たないうちに9級くらいの風が襲ってきた。庭にはタネを干していたので、急いで袋に詰めていると、王さんが、温室が壊れるといって走っていった。見ると温室のビニールがすべてすっ飛んでいた。今日はJICAの方がこられると言うので、皆で部屋を掃除して綺麗にしたのに、砂だらけになってしまった。今年は雨が多いと言っていたのだが、砂嵐は気のゆるんだ時にやってくる。先月の砂嵐で自動に温室の屋根を覆う機械の鉄塔が壊れたばかりなのに、一難去って又一難だ。この砂嵐は体験しないと怖さが分からない。「ヒューウウ」という音の合間に「ゴオオー」という音が入る。襲う直前の写真をピックアップした。
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炭を焼く

2007-07-01 23:05:10 | 阿拉善センター関係
今日はヒマワリの茎を使って炭を焼いた。ソウソウの木を使うと硬いのできっとウバメガシと同じような炭を作れると思うが、ヒマワリの茎は多孔質で隙間が多いのできっと微生物が繁殖しやすいと思う。本当はドラム缶でやりたかったのだが、時間がなかなかとれないので、簡易的な方法を行った。方法は創森社発行のすぐにできるオイル缶炭焼き術(溝口秀士著)を参考にして、そこに書いてある方法に、直接に焼けないために前室を加えて作った。酸性の炭を作りたいのだが、どのようにしたら作れるだろう。作った後にPHを測ると9.6のアルカリ性の炭だったが、うまく虹色が出る炭を作ることができた。でも、この方法は誰でも簡単にできるので良い方法だと思う。これを水の浄化に使おうと思っているが、本当は土壌改良用の酸性の炭が作りたい。
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