たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2018年『1789バスティーユの恋人たち』_思い出し日記(2)

2020年06月03日 14時35分43秒 | ミュージカル・舞台・映画
2020年4月25日;2018年『1789バスティーユの恋人たち』_思い出し日記(1)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/9a4b35e1adb011cfc896b21dccbd2ea9


(2018年帝国劇場公演プログラムより)

「Story

 ヨーロッパ全土で啓蒙思想が急速に広がりを見せるなか、フランスでは贅沢三昧で財政を圧迫する宮廷への不満が日増しに高まっていた。

1788年7月。フランス・ボース地方。旱魃(かんばつ)が続いたため税金不払いとなった農民たちが、土地没収のうえ投獄されようとしていた。その中には、ロナン(小池徹平/加藤和樹)の父の姿もある。父を助けに入ろうとしたロナンだったが、ペイロール(岡幸二郎)の指示で放たれた銃弾に父は倒れ、息絶える。
いつか父の仇を討ち土地を取り戻すことを胸に誓い、ロナンはパリへと向かう。

パリの街頭では、代議士のロベスピエール(三浦涼介)や弁護士のデムーラン(渡辺大輔)が、いまこそフランスに革命を起こす時だと、全国三部会の開催を人々に呼びかけていた。自由・平等の思想を唱える二人と意気投合したロナンは、彼らの計らいで印刷所で働くようになる。
デムーラン、仲間のダントン(上原理生)、デムーランの婚約者リュシル(則松亜海)らとパレ・ロワイヤルのカフェに来たロナンは、ダントンの恋人を紹介される。それはなんと妹のソレーヌ(ソニン)。
兄を追ってパリへ出て来た彼女は、生きるために娼婦となっていたのだ。

1789年4月。ヴェルサイユ宮殿では、マリー・アントワネット(凰稀かなめ/龍真咲)を筆頭に、国王の弟・アルトワ(吉野圭吾)、秘密警察のラマール(坂元健児)、トゥルマン(岡田亮輔)、ロワゼル(加藤潤一)らが、仮装パーティーにうつつをぬかしていた。財務長官ネッケル(磯部勉)は国庫の財政破綻の深刻さを説き、第三身分の平民のみならず、第一身分の聖職者と第二身分の貴族も税を負担すべきと国王ルイ16世(増澤ノゾム)に進言するも、聞き入れられない。
アントワネットは、地味な性格で場前作りが趣味の夫・ルイ16世との間に子供をもうけてはいたが、スゥエーデンの貴族フェルゼン(広瀬友祐)と愛人関係になることは公然の秘密となっていた。
アントワネットの気がかりは病弱な王太子ルイ・ジョセフのこと。
養育係のオランプ(神田沙也加/夢咲ねね)は、バスティーユ要塞に勤める父デュ・ピュジェ中尉(松澤重雄)の教えによる、負傷兵の回復訓練を応用して歩けない王太子の歩行訓練を重ねるなど、国王夫妻からの信頼も厚かった。

ポリニャック夫人(渚あき)を通じて、密かにフェルゼンと文のやりとりをしていたアントワネットは、オランプの案内によりパレ・ロワイヤルでフェルゼンと密会し、愛を語り合う。しかし、そこに居合わせたロナンとフェルゼンが決闘を始めたことから騒ぎが起こり、王妃をその場から逃すためオランプはロナンに罪をなすりつけてしまう。密かに王妃の後をつけていたラマールに捕らえられたロナンは、持っていたチラシが危険思想とみなされてバスティーユの監獄へと連行される。自分のせいで捕らわれてしまったロナンを助けるべく、オランプは思いを巡らせるのだが・・・。」

 二幕の冒頭、革命家とシトワイヤンたちが舞台の球戯場へと向かうために客席左手のドアからはいってきて歌いながら通路を歩いていきます。そして舞台上で、ロベスピエールが歌うロック調のナンバー「誰のために踊らされているのか」にのって繰り広げられる圧巻のダンスパフォーマンス。

振付は、KAORIalive&Twiggz。
KAORIaliveカオリアライブさんは、宝塚の公演プログラムでもお名前を拝見するようになりました。
Twiggzツィッグスさんは、2016年『1789~』公演ではじめてお名前を拝見。ダンスジャンルのひとつであるKRUMPの日本の第一人者とのこと。
KRUMPクランプとは、「ストンプ[足を踏み付ける]・チェストポップ[胸を突き出す]・アームスイング[腕を振り下ろす]の3つの動きが基本で、仲間との高め合いの為のバトルやセッションがメインとされるダンス表現」(entre-news.jp/2018/04/49574.htmlより)。

動画を検索してみるとこれはハード。ダンスの達人たちを従えて、必ずしもダンスの修練を経てきているわけではないプリンシバルキャストたちもぜいぜい息をあげながらのダンス。その熱と汗こそが若者たちの変革へのエネルギーとなってほとばしっているという身体表現でした。

新しいジャンルのダンス、ダンサーとして選ばれたメンバーはプログラムをみると新体操やダンスパフォーマンスの達人たちがずらり。身体表現に秀でた方ばかり。日本のショービジネスの明日を担う新しい力をみつけだして揃えたのは東宝の新進プロデューサーたちだと2016年の公演プログラムで小池修一郎が語っています。



  

 






 父親をペイロールに撃たれて、火薬庫の鍵を手に入れた途端自身もペイロールに撃たれて果てるという運命をたどったロナンが見守る中、身分と立場の違いを超えて全員で歌う「悲しみの報い」へと集約される物語。子役ちゃん演じるシャルロットから歌い継がれていきます。

「悲しみの報いとして 人は夢を見る権利を得る~♪」

こちらの記事、このブログの中ではわりとよく読んでいただいています。ありがとうございます。自分でも読み返しながら沁みます。

2018年4月14日:『1789バスティーユの恋人たち』_悲しみの報い
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/0cf8cd77c311c34289479ca150616029

(2018年帝国劇場公演プログラムより)

「潤色/演出 小池修一郎;変革へのエネルギー

『エリザベート』や『1789-バスティーユの恋人たち-』で革命の物語りを上演する時、現代日本の若い出演者たちにどう説明すれば一番分かり易いのか、いつも戸惑う。日本史を振り返れば明治維新しか例えようがなく、それでも「何百年も続いてきた体制を覆し社会の変革を成し遂げた人々」の思いをどう想像し、演ずるよすがとするのか?平和呆けと言われて久しい私を含む今の日本人にとって、革命を成し遂げた人々の「変革へのエネルギー」は計り知れないものがある。」



                             
   





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