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●2016年7月参院選、「あとの祭」の要因の大きな一つは片棒担ぎのマスコミにあり

2016年07月13日 00時00分11秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【元NEWS23 岸井成格氏 「このままだとメディアは窒息する」】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185187)。

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」

 《選挙報道が減ったのはイチャモンが面倒くさいから 改憲派が3分の2を制するのか。天下分け目の参院選を前にこの国の報道の静かなことまともに争点を報じず、アベノミクスの検証すらやらない。この国のテレビはどうなっているのか?》。

 2016年7月参院選、「あとの祭り」ということを、「壊憲」派議員に投票した人たちや「眠り猫」の皆さんが感じることが、この先、あったとしたならば、その要因の大きな一つはマスコミにあると思います。「強者にこそ徹底した監視の目を」向けるべき報道機関から「権力を監視する機能が失われ」た結果です。3度目のアベノサギの片棒を担いだのは、マスコミだ。

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
     そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?

   『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
              そんな例があったら私は辞める」と明言

   『●自民若手批判できないアベ様・・・
     「「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める」と明言」
   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない!  
                 「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●ヒヨる「マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振」る世の中で、
                        「東京新聞の読者の数が平和の数」
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、 
     この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
   『●「NHKの看板番組「クローズアップ現代」の
            国谷裕子キャスターもとうとう降板」
   『●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん… 
      アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?
   『●スガ殿が「粛々」とジャーナリズムを破壊していく
             ~「安倍政権の圧力、狡猾なやり口」~
   『●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが
        攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
       政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」:
                「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/185187

注目の人 直撃インタビュー
NEWS23 岸井成格 「このままだとメディアは窒息する」
2016年7月10日

      (毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏(C)日刊ゲンダイ)

 改憲派が3分の2を制するのか。天下分け目の参院選を前にこの国の報道の静かなことまともに争点を報じず、アベノミクスの検証すらやらない。この国のテレビはどうなっているのか? さぁ、このテーマを聞くなら、この人。毎日新聞特別編集委員の岸井成格氏(71)しかいない。


――参院選の報道を見て、どう感じますか? 報道の量そのものが減ってしまったような気がします。

 その通りだと思いますね。集計していないのでハッキリわかりませんが、減っている印象です。2014年の衆院選の時も、テレビの選挙報道は減った。従来の衆院選の時に比べて半分くらいになった。そうした傾向が続いていますね。


――2014年の衆院選といえば、安倍首相が岸井さんの「ニュース23」に生出演して、文句を言った選挙ですね?

 アベノミクスについての街録で反対意見が多すぎる。局が恣意的に選んでいるんじゃないか。そういうことを言われたんですが、その2日後に自民党からテレビ各局に政治的に中立、公平な報道を求める文書が届いた。街録の人数とか時間とか具体的なことにまで踏み込んで要請文書が来たのは初めてでした。


――テレビ局がスクラムを組んで文句を言うかと思ったら、選挙報道そのものが減ってしまった。

 街録そのものもなくなっちゃった。


――なぜですか?

 イチャモンをつけられるのは嫌だからでしょう。それに現場は面倒くさい。街録でアベノミクスに5人が反対したら、賛成5人を集めなきゃいけない。面倒だから報道そのものが減ったんですが、今回は参院選の争点も番組で扱わなくなっている。だから、何が争点だか、ぼやけてしまっている。舛添問題や都知事選の報道ばかりで、参院選を真正面から取り上げている番組が少ない。今度の参院選が盛り上がらないのは、権力側が争点隠しをやっていて、メディア側も与野党の相違点をきちんと報じないからですよ。


――この調子だとまた投票率が下がるかもしれない。

 前回は52%ですか。それよりも下がるかもしれませんね。


――争点はズバリ、改憲と言論弾圧を許すのか否かじゃないですか?

 特定秘密保護法に始まり、安保法制の強行、高市総務相の電波停止発言、それに自民党の改憲草案。中でもいざという時には国民の権利を制限できる緊急事態条項の創設ですね。これらを一連の流れで見ていくと、国家統制、監視社会の強化の方向に向かっているのは間違いないと思います。そういう時にメディア側が萎縮していていいのか、権力側に忖度していていいのか強い危機感を覚えます


――高市発言の際には岸井さんや田原総一朗さんらが立ち上がって外国人記者クラブで会見を行った(2月29日)。それでも現場は変わりませんか?

 去年よりひどくなっています。「息苦しい」という表現が使われましたが、それを通り越して、このままだとメディアは窒息するんじゃないか。


――それほどですか? それは現場のディレクターなどの言動からですか? それとも上からの圧力?

 具体的にどうのこうのというより、肌で感じる部分がありますね。


意見広告が出たときは「気持ち悪いなあ」と

――改めて、「ニュース23」の降板騒動について伺います。騒動のキッカケは昨年9月、いきなり新聞に意見広告が出て、岸井さんの発言が放送法違反であると糾弾されたことでした。

 驚きましたよ、最初、何の広告だろう、気持ち悪いなあ、と思って読んでみたら、全編、僕と23への批判だった。


――文化人による意見広告の形を取っていましたが、裏には安倍官邸のにおいがしました。

 皆さん、安倍応援団ですからね。


――つまり、官邸と一体であると?

 彼らが官邸の空気を先取り、忖度して、広告を出したのかもしれません。でも、これが高市電波停止発言につながっていく。23では「変わりゆく国」というシリーズを組み、40回も安保法制の問題を取り上げました。アーミテージ元国務副長官のインタビューもやりました。アーミテージ氏はこう言ったんですよ。「日米共同で何かを行うために議論を始めようとすると、必ず憲法9条がバリケードのように塞いできた」と。解釈の変更による今度の法律でバリケードが取っ払われる、そんな言い方をしたんですね。


――本音をズバリ吐露ですね。

 自衛権という言葉に騙されてはいけません米国のために出ていくのですから。しかし、こういう議論を国会できちんとしていないでしょ? だから、番組で何回も取り上げたことを偏向報道だと批判された。


――背筋が寒くなるというか、恐怖心はなかったですか?

 僕も甘くて、タカをくくっていた部分はあるんです。僕も取材してますから、官邸や自民党サイドから、「岸井はやりすぎじゃないか」「こういう発言は問題だ」という声は聞こえてはいました。でも、それを圧力とは思わなかった。あの広告を見て、初めて、ここまで苛立っていたのかと思いましたね。


――それが「ニュース23」降板につながったのでしょうか?

 TBS側はメーンキャスターの膳場貴子さんが産休に入るので前から番組一新を考えていた。そうしたら、あの意見広告が出たものだから、困っちゃった。決して圧力に屈して決めたわけではありません、という説明でした。


――その説明を信じている?

 今年5月、国連の人権委員会からデイビット・ケイ米カリフォルニア大教授が日本の「表現の自由」について調べに来た。僕の問題も調べて、インタビューを受けましたが、彼は圧力のエビデンスが見つからなかったと言っていました。でも、「岸井を辞めさせた方がいい」という声もありましたからね、忖度もあったのかもしれない。


――そもそも素朴な疑問なんですが、テレビ局側は権力側に媚びたり、忖度すると、何かいいことがあるんですか?

 メディアにとってはいいことひとつもありませんよ。自殺行為なんだから


――それなのに忖度するのはなぜですか?

 面倒くさいのがひとつ。もうひとつはスポンサー


――権力に逆らうと、スポンサーがなんか言ってくるんですか?

 役所から「なぜ、あの番組のスポンサーをするのか」みたいなことを聞かれた社長はいたみたいです。


――もうひとつ、忖度すると総理が番組に出てくれるというのもあるんじゃないですか? というか、忖度してくれる番組を選別して協力している感じがします。

 選別、これはハッキリしていますね。昨今は安倍チルドレンといわれる国会議員を中心に、なんか偏向報道は取り締まるのが当たり前みたいな感覚がある。これは安倍首相自身がテレビ報道に対してトラウマがあるからでしょう。初当選が93年で、この年、自民党は下野した。その背景には細川政権を応援しようというテレビ朝日の椿発言などがあった。そうした首相のトラウマが自民党の若手国会議員にも伝播し、広がっている。メディア側はそれを忖度して、自粛する。場合によっては番組内容を変える。ときにはキャスターまで代えてしまう。


■都知事候補だった桜井俊前次官がやってきたこと

――総務相が電波停止命令ができる放送法がある限り、テレビはいつでもそうやって脅されてしまう。違いますか?

 放送法というのは戦前の反省から権力の介入を排除するために作られたんです。政治的に公平中立な放送を求めているのは、権力側の介入を許さないためで、偏向報道かどうかを権力側が決めるなんてことはありえない。それなのに、突然、権力側にそうした権限があるかのように言い出したのが安倍政権なのです。


――ここでも憲法の解釈変更のようなことが行われたということですか?

 役所において、その中心にいたのが都知事候補だった桜井俊前総務省事務次官ですよ。


――岸井さんは政治記者として、若いころから安倍首相を知っているわけですよね。首相として、どういう評価をしていますか?

 晋太郎さんの担当だったし、岸信介さんのロングインタビューもやりました。当時、晋三さんは秘書だった。いつのまにか右のプリンスみたいになって登場しましたが、政治に対する考え方や進め方について、問題がある首相であると思います。


▽きしい・しげただ 1944年9月生まれ。慶大中高を経て、慶大法卒。毎日新聞入社。主筆を経て特別編集委員。
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●「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」: 「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」

2016年03月02日 00時00分56秒 | Weblog


asahi.comの記事【「私たちは怒っている」 高市氏発言への抗議声明全文】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y6JHGJ2YUCVL038.html?iref=comtop_list_pol_n03)。
ウェブ頁(http://appeal20160229.blogspot.jp/)からの「報道現場の声」の抜粋。
asahi.comの星賀亨弘記者による記事【「私たちは怒ってる」高市氏発言に抗議 岸井氏降板語る】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y5HH6J2YUCVL01Z.html?iref=comtop_list_pol_n04)。

   『●『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文を書ける 
     高市早苗氏は「公平」とか、「倫理」「法」とか口にできるのか?
   『●「クレショフ効果」と「電波停止」「メディアコントロール」:
                 「電波」な「凶器」高市総務相が暴走中

 「電波」な「凶器」高市総務相の暴走を止めないと…。ようやく、「テレビジャーナリズム」からの反撃。

 非常に重要な「報道現場の声」について、以下の綿井健陽さんのつぶやきで知りました

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WATAI Takeharu/綿井健陽 ‏@wataitakeharu
今日の会見で読み上げられた、以下のHP下部にある「報道現場の声」に注目。記者・ディレクターからの切実な声だと思います。
【高市総務大臣「電波停止」発言に抗議する放送人の緊急アピール】 http://appeal20160229.blogspot.jp/ 
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 本当に「切実な声」だと思う。是非、一読して頂きたい。
 「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場の声」、そこには「自粛」「忖度」「自主規制」「委縮」「事なかれ主義」…が「内部から」生じている最悪の状況であることが分かる。


 反知性やそれを支える、読売や産経といった新聞社に負けるな! 岸井成格さんは、《広告への感想を問われた岸井氏は「低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた》そうだ。「テレビジャーナリズム」やその現場は、「低俗」「反知性」「恥」な嫌がらせに負けてはいけない。今反撃の「狼煙」を上げずして、いつ上げるのか?

   『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
     そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?

   『●有言不実行: アベ様は「報道がそれで抑圧される、
              そんな例があったら私は辞める」と明言

   『●自民若手批判できないアベ様・・・
     「「報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める」と明言」
   『●テレ朝問題: 「これは圧力です」なんて答える訳がない!  
                 「私は辞める」なんて考える訳がない!!
   『●ヒヨる「マスコミがもう一度軍靴の行進に旗を振」る世の中で、
                        「東京新聞の読者の数が平和の数」
   『●岸井成格氏を支持する: 「TBSは今日、
     再び、死んだに等しいと思います」なんてことが起こらぬために
   『●「TBSは今日、再び、死んだに等しいと思います」 
       なんて方向に進んでいないか? 報道は見て見ぬふり?
   『●「そんな曲が交じっていないか。耳をそばだてる」…
         聞こえるのは、アベ様らの勇ましき進軍ラッパのみ
   『●最後っ屁に期待する: 古舘伊知郎さん、 
     この際ですから全部ぶちまけてから降板を! 矜持を示して!
   『●「NHKの看板番組「クローズアップ現代」の
            国谷裕子キャスターもとうとう降板」
   『●古舘伊知郎・岸井成格・国谷裕子・青木理さん… 
      アベ様に「厳しい立場だった人」達は偶然の一致なのか?
   『●スガ殿が「粛々」とジャーナリズムを破壊していく
             ~「安倍政権の圧力、狡猾なやり口」~

   『●失われる「メディアの作法、矜持」…
     「権力を監視する機能が失われ」、しかも、アベ様の「思う壺」
   『●青木理さん: ジャーナリストの矜持
      「権力や権威の監視」「強者にこそ徹底した監視の目を」

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http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y6JHGJ2YUCVL038.html?iref=comtop_list_pol_n03

「私たちは怒っている」 高市氏発言への抗議声明全文
2016年2月29日20時44分

 田原総一朗氏ら7人が呼びかけ人となって出した、高市総務相の「電波停止」発言に抗議する声明の全文は以下の通り。

     ◇

声明
私たちは怒っている
――高市総務大臣の「電波停止」発言は憲法及び放送法の精神に反している

 今年の2月8日と9日、高市早苗総務大臣が、国会の衆議院予算委員会において、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、放送法4条違反を理由に、電波法76条に基づいて電波停止を命じる可能性について言及した。誰が判断するのかについては、同月23日の答弁で「総務大臣が最終的に判断をするということになると存じます」と明言している。

 私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている。そもそも公共放送にあずかる放送局の電波は、国民のものであって、所管する省庁のものではない。所管大臣の「判断」で電波停止などという行政処分が可能であるなどいう認識は、「放送による表現の自由を確保すること」「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」をうたった放送法(第一条)の精神に著しく反するものである。さらには、放送法にうたわれている「放送による表現の自由」は、憲法21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」の条文によって支えられているものだ。 

 高市大臣が、処分のよりどころとする放送法第4条の規定は、多くのメディア法学者のあいだでは、放送事業者が自らを律する「倫理規定」とするのが通説である。また、放送法成立当時の経緯を少しでも研究すると、この法律が、戦争時の苦い経験を踏まえた放送番組への政府の干渉の排除、放送の自由独立の確保が強く企図されていたことがわかる。

 私たちは、テレビというメディアを通じて、日々のニュースや情報を市民に伝達し、その背景や意味について解説し、自由な議論を展開することによって、国民の「知る権利」に資することをめざしてきた。テレビ放送が開始されてから今年で64年になる。これまでも政治権力とメディアのあいだでは、さまざまな葛藤や介入・干渉があったことを肌身をもって経験してきた。

 現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく「息苦しさ」を増していないか。私たち自身もそれがなぜなのかを自らに問い続けている。「外から」の放送への介入・干渉によってもたらされた「息苦しさ」ならば跳ね返すこともできよう。だが、自主規制、忖度、萎縮が放送現場の「内部から」拡がることになっては、危機は一層深刻である。私たちが、今日ここに集い、意思表示をする理由の強い一端もそこにある。

〈呼びかけ人〉(五十音順 2月29日現在)

青木理大谷昭宏金平茂紀岸井成格田勢康弘田原総一朗鳥越俊太郎
=====================================================

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http://appeal20160229.blogspot.jp/

【高市総務大臣「電波停止」発言に抗議する放送人の緊急アピール】


  呼びかけ人有志で会見を行いました。

■2月29日(月)14時半~日本記者クラブ
 千代田区内幸町プレスセンタービル9F

<呼びかけ人>(五十音順 2月26日現在)

青木理大谷昭宏金平茂紀岸井成格田勢康弘田原総一朗鳥越俊太郎

声明
私たちは怒っている
―――高市総務大臣の「電波停止」発言は放送法の精神に反している

………。


―報道現場の声―

○在京放送局 報道局若手社員
 報道現場の委縮」とは意識して始まるものではなく、現場の人間でさえわからない間に「浸食」されてしまうものだと感じている。気づけば、争点となる政策課題(たとえば原発、安保)を取り上げにくくなっている。気づけば、街録で政権と同じ考えを話してくれる人を何時間でもかけて探しまくって放送している。気づけば、政権批判の強い評論家を出演させなくなっている。私たちは今まで通り、自由に企画を提案しても、通らないことが多くなったり、作ったものに対しても直しを求められることが増え、それがいつのまにか普通になり、気づけば自由な発想がなくなってきているような状況だ。以前のように政策をチェックし批判すべき点を批判する、ということが、明らかにできていない。おかしいことをおかしいと言えない、閉塞感が漂っている。
 若い新入社員などはそれをおかしいとは思わずこれを基準に育っている。そうした中で飛び出した高市大臣の発言。これが出てその日を機に何か変わった、という わけではない。ただ、もやもやとある閉塞感の中に「あーやはりこれ以上政権批判はできないんだ」という絶望感みたいなものがさらに加わった気がする。「自由な政権批判ができない」空気は、もはや、自分一人では抗えないものとなっている。権力者を監視すべきは国民であり、その国民に対して必要な情報を届けられていない。今のマスコミは危機的だ。このままでは、気づけばテレビジャーナリズムは死んでいた、となりかねない。
--------------------

○在京放送局 報道ディレクター
 「原発」「沖縄」「領土と歴史認識」「安保」といった日本の針路に関わる国民の最も関心を寄せるイッシューに対して、自由闊達な議論を封じる有形無形の圧力を感じている。
 上記に関する特定の映像を放送の直前になって、削除、変更するよう言われたり、政権の要職にある人物の発言を補足するコメントを書き改めるよう求められることが、実際に起きている。安保関連法をめぐる番組の放送日時が変更されるケースも出てきている。
 問題なのは、それらの圧力が番組の企画、取材、編集の場に立ち会ったこともない部署や人物から、突然降りてくることである。今まで現場の自由闊達な議論を経て、納得するまで合議を重ね、番組を作ってきたが、その議論のプロセスを知らない方向から、現場の意向と相反する指示が降ろされてくることは、現場との信頼関係を崩すのみならず、それまで取材に協力してくれた方々や、視聴者からの信頼をないがしろにすることに他ならない。
 政権の意向を忖度し、自主判断という名の自粛が当たり前になるならば、それこそ権力による検閲の最終形であり、沈黙はその道に進むことに対する容認である。放送人として、今こそ自覚的であるべきだと痛感している。
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○在京放送局 中堅ディレクター
 「安全保障関連の提案が通りにくくなった」。これは昨年来、現場で問題となっていることです。しかしいったいなぜ通らないのか、どうすればいいのか、それを皆で議論しようとすると、人事を把握している人間から「そういうことをすると、どうなるか・・・」ということをほのめかされます。 
 ナレーションを書く時にも、「中立公正」でいようと心を砕きますが、さりげなく政権側の主張をプラスされて書き換えられます。「中立」の基準が、少しずつずれていっているように感じます。1日の最初のころには報道検討項目としてあがっていた事柄が、時間がたつにつれて消えていき、結局は報道されないという事は、しょっちゅうおこります。しかしなぜAというニュースが選ばれ、Bは選ばれないのか、その明確な基準は現場にはわかりません。日々積みあがっていく、無数の「忖度」。しかし誰もそれを「忖度」とは呼ばず、一見ちゃんとした理由があるように見えます。提案が通らないのは、内容が練れていないから。ナレーションが書き換えられるのは、視聴者にちゃんと伝わらないから。現場から外される人事異動も、より活躍する場を広げてほしいから・・・。本当にそうなのか、誰も検証できないまま、結果として自由に意見が言えない雰囲気が充満していきます。
 高市発言の時も、個々人で話せば多くの人が憂慮していますが、皆で声をあげようということにはなりませんでした。報道機関として情けない、外の方はそういうでしょうし、忸怩たる思いを抱えている仲間も大勢います。のちの時代になって「あの頃が転換期だった。メディアは何をしていたんだ」と言われるようになるのではと、日々恐れと焦りを感じています
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○在京放送局 報道局中堅
 報道現場に充満する自粛の空気と言うのは、皆さんが想像する以上の深刻な域に達しています。我々は、今、伝えるべきことを伝えられていないと言う自責の念に、日々かられています。012年12月の選挙の際に、自民党が選挙報道にあたっての「要請文」を放送各社の記者を一人一人呼びつけ、手渡しましたが、これまで政党がこんな事をしたことはありませんでした。共産党など少数政党が他の党と同等に扱うようにと言う文書を送ってくることはありましたが、放送内容について細かく要請してきたことはありません。文書で細かく注文をつけるのは、報道への政治介入と捉えられ、明らかに表現の自由に抵触するという節操がまだあったからです。自民党がNHKとテレビ朝日を呼びつけた事も、同じように、報道への政治的なプレッシャーです。実際に、こうした文書や動きが報道現場に自粛の効果をもたらしています。表向き各局の記者やコメンテーター、経営陣が、恥ずかしくて認めないため、多くの国民の知る所となっていませんが、現場には、明らかに大きな影響が出ています。例えば、この文書を受けて街録を削りましたし、デモの批判的な映像も自粛しています。デモは市民の意思を表す動きですが、デモを警戒している官邸に気を使ったのです。ニュースの選択の段階で気を使い、無くなったニュース項目は山ほどあり、数を挙げたらきりがないほど、気を使っています。
 高市大臣の発言は、これまでの動きからさらに踏み込み、「電波停止」と言う、明らかに憲法の「表現の自由」を侵す憲法違反の発言です。この発言は、参議院選挙前のこの時期に、報道現場にさらに自粛させる効果を持っています。すでに自粛の空気は充満していますが、それ以上に、放送局経緯陣が慎重になり、それが現場へのプレッシャーになるからです。高市大臣が、国会で「私自身に対するここ1週間ぐらいの報道を見てましても、決してメディアは萎縮されてないと思います。」と答弁していますが、そもそも放送局でこの問題をしっかり放送したのは、3つ4つの番組だけです。毎日いくつもの報道番組がニュースを流す中で、この重大な発言を扱う番組がこれだけしかないというのが現実を表しています

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○在京放送局報道番組ディレクター
 高市大臣発言を含めて、一連の安倍政権下の動きで、実際の報道現場に影響が出ているのは、確かです。最も顕著に表れているのが、番組内の決定権者らの自粛です。「それはやりたいのは分るが、我慢してくれ。そこまで突っ込めない。」などと言われることは何度もあります。これまでなら当然指摘してきた問題点の掘り下げなどについてです。政権批判と取られるのではないかと恐れ、自粛しています。これは、報道側の情けなさではありますが、実際にある圧力によって影響を受けています。これまでの政権下でも公平性に注意して報道してきましたが、安倍政権になって特に自粛が強まっています
 2年前の衆院選で一党が議席の3分の2を得た後、右傾化が進むのではないかと感じ、「非国民」のような戦前戦中の言葉も出てくるのではないかと冗談を言っていました。しかし実際にそんな世の中になってきているようで大変残念です。 過半を取った党は、思ったより急激に放送に対して管理的な一部敵対的行動を始めた様に感じます。要請文書問題や、部会での問題発言など、聞こえてくる声は、放送法と電波法を組み合わせた脅しのようなものに感じます。
 放送に対してだけではありません。去年8月、「戦争に行きたくない」との青年の言葉に対して、「自分中心、極端な利己的な考え」と、まるで戦前の「非国民」扱いのようなことを平気で言う、当該の党の国会議員があらわれました。お国のために命をささげるのは当然だ。という意識なのでしょうか。そのお国のための戦争は、本当に正しいか?別の策はないか?そんな戦争には行きたくない。という考え方が、国会議員に非難される世の中になったのでしょうか。
 また一部の国々と安保協調せねばならないという主張だけがことさら強調されていると思います。そもそも、その各国の安保軍事行為は最善か?などの検討や国民的議論はなされず、数の論理で、憲法の解釈など重要問題が一方的に一方向に決められて行く。もしかすると戦前はこんな空気から始まったのではないでしょうか。
 そして今回、権限、権力を持つ大臣があの発言をしました。国論を二分する政治課題であれば、政府案の問題点を追及することはメディアの役割です。そのことと、「政治的な公平」とは別次元の話です。しかし、それをあえて曲解して、「ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す」とされるおそれが出てきました。
 報道の一員である以前に、一国民として、この報道への行き過ぎた行為に対して抗議します。
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○在京放送局 報道番組ディレクター
 今の番組の空気は、政権と上司を忖度する空気が蔓延している。事なかれ主義になっている。例えば、NHKのやらせ問題でBPOが政治介入と報告した件を、ニュースで大きく扱うよう提案したところ、結局ニュースに出来なかった。放送への政治介入を取り上げることは、放送局共通の大問題でもあるのに、逆に取り上げることで、政権から目を付けられるのが嫌だと。デスククラスで誰かが反対すると、皆反対する空気になって、危ない道は今はやる必要ないとなる。今やらなければ、いつやるのか。視聴者に伝えなくてはいけないことを伝えられていない。会社のトップが総理と会食して仲良くするから、番組幹部がそれを見て、出世を考えるから、忖度する。ぎりぎりを攻めてミスしないようする方が、視聴のためになるのに、出世するためには上司に嫌われないように、危ない橋を度らないようにする。何のためにこの仕事をやっているのかということになる。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y5HH6J2YUCVL01Z.html?iref=comtop_list_pol_n04

「私たちは怒ってる」高市氏発言に抗議 岸井氏降板語る
星賀亨弘 2016年2月29日19時58分

     (放送局に電波停止を命じる可能性についての
      高市早苗総務相の発言に抗議する(左から)
      青木理、大谷昭宏、金平茂紀、岸井成格、
      田原総一朗、鳥越俊太郎の各氏
      =29日午後、東京都千代田区、時津剛撮影)

 高市早苗総務相が放送法4条違反を理由にテレビ局に「停波」を命じる可能性に言及したことについて、「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)の司会者田原総一朗氏や「ニュース23」(TBS系)のアンカー岸井成格氏らジャーナリスト6人が29日、東京都内で会見を開き、「私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている」とする声明を発表した。

 会見したのはジャーナリストの青木理氏、大谷昭宏氏、鳥越俊太郎氏、「報道特集」(TBS系)キャスターの金平茂紀氏に田原氏、岸井氏を加えた6人。出席はしなかったが、「週刊ニュース新書」(テレビ東京系)で司会を務めるジャーナリストの田勢康弘氏も声明の呼びかけ人に参加している。

 声明では、高市氏の発言を放送法や憲法の精神に反するものだと批判。さらに、「現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく『息苦しさ』をましていないか」として、「自主規制、忖度(そんたく)、萎縮が放送現場の『内部から』広がることになっては、危機は一層深刻である」と訴えた。

 青木氏は「政権と政権の応援団がメディアを非常に不当な形で攻撃してきているという事実を真剣に受け止め、黙っていられないという思いでここに来た」。大谷氏は「視聴者にすでに多大な影響が出ている」と指摘。東日本大震災の被災地で復興が進んでいるところを取材をしようとすると、「復興がなっていないのに、あんたがたは、そういう取材をさせられているんだろう」との批判を受けると語った。

 金平氏は「自主規制とか忖度とか、過剰な同調圧力やそれによって生じる萎縮が今ぐらい蔓延(まんえん)していることはないと、自分の記者経験から思う」。田原氏は「高市氏の発言は非常に恥ずかしい。全テレビ局の全番組が抗議すべきだが、残念なことに、多くのテレビ局の多くの番組が何も言わない」と語った。

 鳥越氏は「これは政治権力とメディアの戦争。政治権力側が一方的に攻勢を強め、メディアが後退している。ここまで露骨にメディアをチェックし、牽制(けんせい)してきた政権はなかった。下から変えていくしかない。声をあげましょう」と呼びかけた。

 また、3月で「ニュース23」のアンカーを降板することについて岸井氏は「私個人は圧力に屈したとは思っていない。具体的に私に言ってくる人はだれもいなかった。交代は局の意向」と説明した。

 岸井氏が昨年9月に番組で「(安全保障関連法案に)メディアとしても廃案に向けて声をずっとあげ続けるべきだ」と発言したことについて、保守系の学者らでつくる「放送法遵守(じゅんしゅ)を求める視聴者の会」が昨年11月、「放送法に対する違反行為だ」と批判する意見広告を産経新聞と読売新聞に出した。広告への感想を問われた岸井氏は「低俗だし、品性どころか知性のかけらもない。恥ずかしくないのか」と答えた。(星賀亨弘)


■高市氏、29日も考え示す

 高市早苗総務相は29日の衆院予算委員会で、放送法4条に基づく電波停止について、極めて慎重な配慮が必要だとしつつ、「一つひとつの番組の集合体が番組全体なので、一つひとつを見ることも重要だ」と述べた。放送局が政治的に公平性を欠く放送を繰り返したかの判断は、個々の番組の内容が要素になるとの考えを改めて示した。

 民主党の奥野総一郎氏は「なぜ高市答弁が大きく取り上げられるのか。従来は番組全体のバランスで判断するとしていたが、高市答弁では個別の番組でも停波をしうると変わったからだ」と指摘した。

 一方、自民党の谷垣禎一幹事長は、27日放送のBS朝日の番組で「政治的偏向をどうするか、という判断に行政が立ち入ると難しい局面になる。私はそういうことに自民党が踏み込んでいくのは非常に慎重で、それが自民党の放送政策だと思っている」と否定的な考えを示した。
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●『創(2009年7月号)』

2009年07月22日 07時53分45秒 | Weblog

『創』(2009年7月号)、7月に読了。

 篝一光さんの写真シリーズ「東京street!/第21回 東京の坂」(pp.12-15)。野清志郎さんの葬儀後数日の「たまらん坂」(多摩蘭坂)にも多くのファンが。

 佐高信さん「筆刀両断!/戦争ごっこボケの道化 田母神一座」(pp.86-87)。「・・・花田紀凱。『朝日新聞』批判で食っているが、ナントカの一つおぼえでそれをやってきた花田が一時、『朝日』の出している雑誌に入ったのはおそまつだった。呼ぶ方も呼ぶ方なら、入る方も入る方。タカ派で売っているが、・・・節操は、この男にはおよそないらしい」。「・・・曽野綾子を最大限に持ちあげている。しかし、・・・保守派を自認する・・・が、大江の『沖縄ノート』を曽野は「ものの見事に誤読」していると論証し、それに乗っかった秦郁彦や渡部昇一のいい加減さも暴露しているのである」。「要するに田母神らには、最初から「国民の生命」など頭にないのだが、私たちは、少なくとも、それは「ある」だろうと「誤解」しているから、話がこんがらがってくる」。

 鈴木邦男さん「言論の覚悟/よど号症候群」(pp.88-91)。「あさま山荘事件の時、解放された・・・さんは「犯人は紳士的だった」と発言した。・・・それ以来、・・・さんは一言も発言していない。・・・/ただ、シンパシーが生まれたのも事実だ」。「・・・こうした「共感・一体感」は当事者でないと分からない。日野原さんも、テレビで喋ろうとすると、遮られたという。・・・視聴者のイメージ(思い込み)に沿った<物語>を作りたいのだ。/こうした「ストックホルム症候群」と相反する言葉として、「リマ症候群」という言葉がある。これは、人質側に犯人側が共感し、影響を受けるのだ。・・・/・・・ゲリラは人質に銃を向けることができず全員が殺された。銃を捨てて投降した子供のゲリラ兵まで軍隊は皆殺しにした。この時、僕はTBSの「ニュース23」に呼ばれたので、「これは虐殺だ!」と言ったら、抗議の電話が殺到し、電話回線がパンクしたという。/・・・さんは「鈴木さんの言う通りです」と言っていた。人質を解放し、ゲリラは投降する交渉をしていた。それが実行される寸前に、軍隊は突入し、ゲリラ全員を殺した」。

 森達也さん「極私的メディア論/第44回 日本のメディアの不自由さ」(pp.96-99)。「韓国・・・彼女は言った。・・・「・・・だって捕まったばかりの人はまだ容疑者ですよね。・・・テレビのニュースなどで容疑者の名前や顔を見たことは、ほとんどないです」」。「でも今の日本のメディア・・・当たり前のようにその顔を撮り、名前や住所、職業なども屈託なく明かし、ただし手錠と腰縄だけには、しっかりとモザイクを忘れない。これが定型になっている」。「メディアだけではない。法廷における無罪推定原則も、和歌山カレー事件の判決を引き合いに出すまでもなく、まったく形骸化している。・・・/・・・無罪推定原則は、そもそもの立証責任は検察側にあることを示している。/つまり検察側が被告人の有罪を合理的に立証できないのならば・・・その段階で被告人は無罪となる。ならねばならない。/・・・だからこそ無罪推定原則は、数多くの誤判や冤罪を歴史的に繰り返してきた近代司法が辿り着いた必然であり、罪なき人をできる限りは罰してはいけないとの崇高な決意によって誕生したテーゼなのだ」。「・・・全裸事件から北朝鮮ミサイル問題、新型インフルエンザと、最近の報道の一極集中と過熱ぶりは、あまりに常軌を逸している」。「国境なき記者団が2008年度に発表した世界報道自由ランキング・・・上位を占めるのは、ノルウエーやアイスランド、フィンランドやスウェーデンなどの北欧諸国。これらすべてが、犯罪報道においては匿名報道を先駆的に取り入れた無罪推定原則を守る)国々であることは象徴的だ」。2006年の51位よりは上昇したとはいえ29番目の「日本のメディアの自由度はあきれるほどに低い。それは確か。でもそれは国家権力や企業サイドからの圧力ではなく、メディアが自ら招いた規制であり、自ら招いた不自由さなのだ」。

 「週刊誌編集長とジャーナリストの闘論! 週刊誌がこのままつぶれてしまっていいのか」(pp.104-121)。佐野眞一氏「『週刊新潮』には、櫻井よし子さんや福田和也さんなど、常連の寄稿家が何人かいます。あのコラムを持ちながら、誰も虚報問題を論じていない」。田島泰彦氏「・・・ひどいのが、オリコンをめぐる訴訟です。・・・雑誌を差し置いて、コメントを出した烏賀陽弘道さんというジャーナリストが訴えられた。個人がターゲット・・・」。佐野氏「・・・「出版」というのはパブリッシュ(pubish)―パブリック(pubic)という言葉の語源です。公共のものなのです。社会のものですよ。それを資本の論理で休刊させてしまう。『月刊現代』にしろ『論座』にしろ・・・少しでも闘ったのかどうか。その痕跡すら見えないわけですね。・・・/・・・賠償金高額化の問題ですが、「お前ら、泣きごと言うなよ」というのが僕の意見です。「しっかり調べないからだろ」と」。山口一臣氏「スタッフには常に「・・・訴えられることを前提として、それに負けないような取材をして下さい」とお願いしています」。北村肇氏「ネットがどう頑張ろうとも、新聞、雑誌がジャーナリズム性できちんと勝負すれば負けるはずがない」。

 篠田博之編集長「林眞須美さんは死刑の恐怖を切々と訴えた/確定死刑囚は「死」とどう向きあうのか」(pp.122-131)。「成果が大きかったのは「フォーラム90」が昨年10月に実施したアンケートだ。・・・福島みずほ議員の協力を得て実現したのだが、78人の死刑囚から回答が寄せられた」。

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ対談 第3回/選挙なんて知らない」(pp.126-134)。麻生首相について、矢崎さん「あの人は教養だけの問題じゃなくて、人間としての品性が卑しいでしょう」。城山三郎さん『粗にして野だが卑ではない』元国鉄総裁石田禮助さんを思い出す。
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