ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

尊厳の藝術展―The Art of Gaman

2012-11-29 22:42:05 | Art

 《マンザナー強制収容所の砂嵐》


 《収容所の風景・木彫画・作者不詳》

尊厳の藝術展―The Art of Gaman ←←詳細はここに。


70年前、日米開戦の影響を受けて、大統領令によってアメリカ西海岸やハワイの一部地域に住んでいた日系アメリカ人およそ12万人が、強制収容所に隔離されました。
砂漠の中などにつくられた強制収容所での生活は厳しく、風雨が吹き込む住宅での生活は、3年以上も続きました。
終戦後すべての強制収容所が閉鎖され、1988年にはアメリカ政府による公式謝罪と、強制収容所の入所者へ対する補償が実現しました。

収容者は粗末な仮設住宅へ収容されましたが、そこに家具などはなく、
椅子、机、たんすなどの基本的な家具をはじめ、生活に必要な用品は、廃材などをもとに、すべて手作りでした。
また収容所ではできる限り自給自足の生活が求められ、家庭菜園を営むことも多かったようです。
子供の教育と、大人たちの生きる楽しみへの要求は強く、様々なものがなにもないところから生まれました。
希望を持つことが難しい環境の中で、収容者は芸術やスポーツ活動によってつらい現実から生きる力を獲得しました。
素晴らしい美術工芸品を生み出した理由は、そこにあるのでせう。
それらの貴重な作品(日用品&美術品)を集めて展示したものです。



1番心に残ったものは、貝細工による様々な美しいブローチでした。
この貝は、砂漠をかなり深く掘ったところにありました。
苦しみのなかで最も疎外されるものは、装飾品かもしれないのに……。
そのなかには、夫から妻へ、恋人へ、または自分自身のために?

ブローチの展示ケースの周囲には女性たちの感嘆の声が聞こえました。

小雨降る28日午後、上野の東京藝術大学美術館にて。

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