テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

モンスターズ・ユニバーシティ

2014-02-07 | アニメーション
(2013/ダン・スカンロン監督・共同脚本/声:ビリー・クリスタル=マイク、ジョン・グッドマン=サリー、ヘレン・ミレン=ハードスクラブル学長、スティーヴ・ブシェミ=ランディ、アルフレッド・モリナ=ナイト教授/声(日本語):田中裕二=マイク、石塚英彦=サリー/103分)


 息子がレンタルしてきた「モンスターズ・ユニバーシティ」を観る。最初は吹き替え版で、もう一回は字幕スーパーで。
 面白かった「モンスターズ・インク」の続編、というか実際は前日談になる作品ですな。「モンスターズ・インク」の最強コンビだったマイクとサリーの出逢いと、最初は喧嘩をしていた二人が親友になるまでの物語。

 モンスターズ社は子供の悲鳴をエネルギーに変える会社で、「モンスターズ・インク」では子供の悲鳴以上に強力なエネルギーの元を発見するというオチが面白かったんだけど、前日談にその話が出るわけはないと大して期待もなく観始めたら、これが所謂ウェルメイドな映画でありまして、前作「モンスターズ・インク」を観ていなくても十分に楽しめる作品でした。
 吹き替えも、英語版も声の出演は前作と同じであります。

*

 子供の頃に社会科見学で行ったモンスターズ社で“怖がらせ屋”達の仕事っぷりに感激したマイクは、そこで声を掛けてくれたモンスターの出身大学だというモンスターズ・ユニバーシティの“怖がらせ学部”に努力の甲斐あって入学する。
 夢にまで見た“怖がらせ屋”への第一歩!
 小さい頃からチビだからと何かとのけ者にされる事の多かったマイクだが、夢に向かってコツコツと計画を立てて進んでいくタイプで、この頃はもういじめとは無縁になっていた。
 沢山の参考書を抱えて授業に参加するマイク。と、そこに鉛筆一本も持たずに、しかも遅刻を悪びれることもなく出席した学生が居た。それがモンスターズ・ユニバーシティOBの家系ではセレブといっていいサリーだった。サリーは自身の才能を過信しており、自分にはいかなる努力も必要ないと思っていた。
 教授の質問にどしどしと答えるマイクと、それが面白くないサリー。
 学期末の最終試験の日、授業の途中で言い争いを始めた二人は誤ってハードスクラブル学長の伝説の“悲鳴ボンベ”を壊してしまい、“怖がらせ学部”からの追放を言い渡される。
 二人は悲鳴ボンベの設計学部に転入させられ、覇気のない大学生活を送っていた。
 そんな或る日、マイクは入学時に案内があった大学の伝統行事“怖がらせ大会”に出場することを思い付く。大会でいい成績をとって“怖がらせ学部”復帰への望みをつなごうというわけだ。
 大会の出場者受付の日、マイクは新しく友達になった社交クラブ「ウーズマカッパ」の4人と一緒に参加すると宣言し、大会顧問として挨拶に来ていたハードスクラブル学長から、優勝したら“怖がらせ学部”への転入を約束させることに成功した。しかし、出場資格を得るにはチームにあと一人必要だった。近くでマイクと学長のやり取りを聞いていたサリーが自分の加入を持ちかけ、マイクも渋々了承することになるのだが・・・。

 ココまでが上映時間30分強。その後は“怖がらせ大会”がメインのエピソードになって行きます。
 大会の優勝が予定調和として考えられるんですが、そこにはマイクの致命的な(怖がらせ屋としての)欠点=見た目が怖くないに絡む2段構えのストーリーが生まれ、更にはマイクとサリーの強い絆が生まれるエピソードに発展していくのです。
 絵が綺麗なのは言わずもがな。風景などは一瞬、実写かと見まごうばかりの精緻さでしたな。
 そして、モンスター達はどれも名優ぞろい。表情の表現がお見事でした。


▼(ネタバレ注意)
 “怖がらせ大会”は各ゲームでビリになったチームが退場していくシステムで、マイク率いる「ウーズマカッパ」は奇跡的に最終ゲームにまで生き残る。ライバルチームは本命と目されたところで、一対一の最終ゲームは人間の子供を怖がらすというシュミレーションを行い、人間に見立てた実験用の人形からどれだけの悲鳴を引き出せるかというモノ。
 マイクの致命的な欠点を補う為にサリーはシュミレーションの機械に細工を仕掛けるんだが、優勝の表彰が終わった後にマイクがソレを見破る。サリーは「君のせいでチームが敗れたら、結局君が恥をかくことになる。念のためにやってしまったんだ」というが、他の「ウーズマカッパ」のメンバー達にも失望を与えてしまう事になった。

 後悔したサリーは学長にソレを打ち明けるが、その頃マイクはとんでもないことに挑戦していた。研究用に設置された“どこでもドア”に入り込み、実際に人間の子供を驚かしてみようとするのだ。

 マイクが入っていった人間世界は、大勢の子供達がキャンプをしている森の小屋だった。沢山並んだ2段ベッドで眠っている子供達。マイクは今までやって来た通りに怖がらせようとしてみたが、なんと子供達は緑色の一つ目小僧の姿を見ても全然怖がらなかった。ショックだった。サリーたちが言っていたことが真実だったんだ。

 ユニバーシティではマイクが無断で人間世界に行ったことで、とりあえず実験室の“どこでもドア”を封鎖するが、マイクが心配なサリーが警備員の隙をついてドアの向こうに入っていく。
 ついには、ハードスクラブル学長は“どこでもドア”の電源を切ってしまう。それは、向こうに行ってしまったマイクとサリーがこちら側に帰って来れない事を意味するんだが、はたしてマイクとサリーは如何にして戻ってくるのか・・・。
▲(解除)

*

息子がレンタルしてきた「モンスターズ・ユニヴバーシティ」を夕べ観る。随分前にヒットした「モンスターズ・インク」の前日談で、一つ目小僧と毛むくじゃらモンスターの出会いと、最初は喧嘩をしていた二人が親友になるまでの物語。お薦め度は★二つ~三つ。お子ちゃまには見て損無し。
[2月4日 以下同 twitterで]

先日観た「モンスターズ・ユニバーシティ」を今日は字幕スーパー版で観る。改めてウェルメイドな映画であったことに気付く。前作を観ていなくても楽しめるし、ハラハラさせるクライマックスも盛り上がって、最後はスッキリする。DVDの特典に付いていた短編「ブルー・アンブレラ」も面白かったなぁ。
[2月6日]





・お薦め度【★★★=一見の価値あり】 テアトル十瑠

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「乱れる」に (vivajiji)
2014-02-09 15:59:46
コメントありがとうございます。
マイ・パソコン、変。
十瑠さんのコメントも私のレスも
表示されません。
今しばらくのご猶予を。
返信する
頼みの綱の (vivajiji)
2014-02-13 08:15:24
息子がぎっくり腰になりまして
回復反映の日が遠くなりましたので
十瑠さん宅まで持って参りました。

十瑠さんからのコメント、そして
私からの返信と続きます。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。


パソコンから何故か投稿出来ないので
タブレットからです。 僕がお邪魔することの
あるkikiさんのブログで絶賛されていて、
いつかは観ようと思っている作品です。
成瀬さんは、四年後の乱れ雲が好きなのでね。 いよいよ観たくなりましたなぁ。

2014-02-09 14:54:43 



十瑠さん。

パソコンの調子、きのうから変。
ごっつり雪の中、息子招集か。
本記事のコメント欄も乱れて。(- -)^^

「乱れ雲」。司葉子と若大将ですね。
幸いなことに未見。観れる機会待ちます。
もっと遡って56年「流れる」も再見したい。
成瀬もの、すべからく、大人の映画なり。

さてこの返信コメントも反映されるかな~
(心配)」

2014-02-09 15:48:04 












返信する
パソコンでは (十瑠)
2014-02-13 10:08:09
コメントが読めませんが、タブレットでは問題なく表示されていますので、大丈夫ですよ。
息子さんの腰、お大事に。体が資本ですからね。
返信する
Unknown (宵乃)
2014-02-22 17:18:27
こんにちは!
前作はすっかり忘れてしまって、比較することなく思いっきり楽しめました。
努力すればなんでも叶うというのではないところがシビアで、なかなか見ごたえありました。子供だけでなく大人も楽しませようと頑張ってます!

にしても、最近のCGは本当にすごいですね~。あのフサフサした毛並みとか、手触りまで伝わってくるようです。
リアルな背景とモンスターが違和感ないのも驚きです。
返信する
驚きのCG (十瑠)
2014-02-22 23:03:15
>リアルな背景とモンスターが違和感ない

ホントに!
モンスターの動きも滑らかだしね。
前作を観てなくても楽しめる娯楽作でした。
返信する
弊記事までTB有難うございました。 (オカピー)
2014-11-20 14:11:56
アメリカのアニメに厳しい僕が双葉式採点法で☆☆☆★★★を付けた第一作の面白さが頭にあったので、12年ぶりのこの続編には多少厳しくならざるをえませんでしたが、終盤型通り(仰るように上手い作り方ではありましたが)を打破する展開が嬉しかったです。
腐ってもピクサーという感がありました。

第一作の時でさえCGには感心しましたが、それが漫画に思えるくらいのCGの進歩。恐ろしいですね(笑)
返信する
オカピーさん (十瑠)
2014-11-20 15:57:39
コメントありがとうございます。
第一作は僕も★四つなので双葉式では75点。今作も65点くらいかなぁと思っていたら、終盤のギアチェンジで70点(☆☆☆★★)クラスになりました。

トイストーリーの続編の企画が進んでいるそうですよ。
楽しみですね。
返信する
こんにちは (映画マン)
2021-01-23 13:07:38
映画ブログを運営しているものです。
モンスターズインク懐かしい~!
子供の頃何回も観ました。ディズニーアニメで一番好きな作品です。
その続編、というか過去編はぜひ観たいです。
サリーとマイクの也染は気になりますねぇ。
私お気に入りのランドールは、出ないかな…

応援完了です!
返信する
ランドール (十瑠)
2021-01-23 16:34:40
どうも。
6年前に観た切りなので詳細は忘れましたが、ランドールは「ユニバーシティ」にも出てくるみたいですよ。
厳しい(女性?)教授も怖かったかな。
返信する
ランドール好き (映画マン)
2021-01-24 11:26:47
ランドールも出るんですね!
それなら見るしかない!!
厳しい教授にも注目しておきます。
返信する

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