(2000/アン・リー監督/チョウ・ユンファ、ミシェル・ヨー、チャン・ツィイー、チャン・チェン/120分)
チャン・ツィイーのラブ・シーンとカンフーが見られるというので、TVの吹き替え版を録画して観た。録画時間はCMを入れて1時間50分。映画データでは120分の作品なので、30分程度はカットされていたのでしょう。暫くは観ることは無いと思うので、今回観た部分で記事を書きますが、完全版ではなかったことを予め記しておきます。
有名な武術家リー・ムーバイ(ユンファ)が、師匠から受け継いだ名剣を北京に向かうという女弟子ユー・シューリン(ヨー)に預ける。“グリーン・デスティニー”と名付けられたその剣には邪悪なモノを引きつける所があり、世に出回らぬ方がいいと考えたからだ。北京の著名な武術家の屋敷に届けられた名剣は、その夜の内に盗まれる。
盗んだのは貴族の娘、イェン(ツィイー)。元々武術に興味のあったイェンは、ある武術家の弟子となって腕を磨いていたのだが、その武術家とはリー・ムーバイの師匠を毒殺し、秘伝の巻物をも盗んだ通称“毒ギツネ”と呼ばれる者だった。イェンが顔を隠して盗みに入った夜に一戦を交えたユーは、翌日別件で会うことになったイェンが昨晩の盗人だと薄々気付いた。しかし、イェンが地位のある家の娘であったので、すぐには問い質すことはしなかった。
イェンには、かつて旅の途中に盗賊に襲われ、その時に知り合った若者ロー(チェン)と暫く生活を共にしたという過去がある。剣士としても優秀なものを持っていたイェンだが、ローが優秀な武士になって迎えに来るというのを信じて、元の生活に戻ったのだった。
言われるがままの親が奨めた結婚を間近に控えた夜、ローがイェンの元に現れるが、何故かイェンは彼の愛を拒む。その夜は引き下がったローだが、イェンの祝言の日に彼女を掠奪しようと騒ぎを起こし、両家の面目をつぶしたということで、二人は町を出ることになる。一旦は“グリーン・デスティニー”を返却したイェンだったが、その後もう一度盗みに入り、それを持って町を出るのだった。
消息が分からなくなっていた“毒ギツネ”が現れたというので、北京でユー・シューリンと共に戦うリー・ムーバイ。“毒ギツネ”に協力するイェンの武術に師匠の技に近いモノを感じ取り、弟子になれと言うのだが・・・。
ストーリーを書いてみたらなんだかイェンが主人公のようになってしまった。映画の紹介記事ではリー・ムーバイが主人公になっているのに、今回の放送がチャン・ツィイーの出番以外をカットしたのでしょうか、ツィイーが主人公のように感じました。“グリーン・デスティニー”という剣も、「犬夜叉」の鉄砕牙のような魔性の力を感じさせる所もなく、小道具としては何の魅力も発揮しませんでしたな。
リー・ムーバイとユー・シューリンはお互いに惹かれ合っていながら、師匠の仇を晴らすまではという暗黙の想いがあったのでしょうか、なかなか告白しません。この辺の描き方も弱くて、主人公でいながら、この二人のドラマとしては盛り上がりませんでした。
ローを演じていたチャン・チェンは、ジャニーズ系中国人のようで、今風のいい男でしたな。ただ、映画の構成としては、ローとイェンの昔話の挿入により全体が間延びした感じになってしまいました。
ローとイェン、リー・ムーバイとユー・シューリン。要するに、二つのカップルのどちらかにきっぱりと重きを置いて作った方が良かったんでしょう。アクション・シーンも色々と盛り込まれていながら、「カンフーハッスル」なんかで見飽きてしまっていて、CMを飛ばしながら見ても途中でだれる部分もありましたな。
あれを見ていたら、「椿三十郎」や「用心棒」が観たくなりました。動だけではなく、静と組み合わせることによって、緊迫感は出てくると思うのですがねぇ。
チャンちゃんは、よろしゅうございましたね。なんだか彼女だけが光っていたような映画でした。可愛いのと、意志を秘めたような面構えと、アクションシーンの緊張感も表現できているし、更にはお色気も出せるし、ハリウッドが興味をもったのが分かるような気がしました。
ところでこの作品、2000年のアメリカやイギリスで色々な賞にノミネートされ、また受賞もしたようですが、ちょっとこの辺は?ですな。話自体が半分マンガみたいな設定だし(TVゲームから派生した企画かと思ってました)、ドラマとしても食い足りないし、スタッフの賞がらみは許せるとしても作品賞や監督賞というのは・・・ねぇ!?
チャン・ツィイーのラブ・シーンとカンフーが見られるというので、TVの吹き替え版を録画して観た。録画時間はCMを入れて1時間50分。映画データでは120分の作品なので、30分程度はカットされていたのでしょう。暫くは観ることは無いと思うので、今回観た部分で記事を書きますが、完全版ではなかったことを予め記しておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/53/0cfe7f683291bed8ff07d2b6336ff23f.jpg)
盗んだのは貴族の娘、イェン(ツィイー)。元々武術に興味のあったイェンは、ある武術家の弟子となって腕を磨いていたのだが、その武術家とはリー・ムーバイの師匠を毒殺し、秘伝の巻物をも盗んだ通称“毒ギツネ”と呼ばれる者だった。イェンが顔を隠して盗みに入った夜に一戦を交えたユーは、翌日別件で会うことになったイェンが昨晩の盗人だと薄々気付いた。しかし、イェンが地位のある家の娘であったので、すぐには問い質すことはしなかった。
イェンには、かつて旅の途中に盗賊に襲われ、その時に知り合った若者ロー(チェン)と暫く生活を共にしたという過去がある。剣士としても優秀なものを持っていたイェンだが、ローが優秀な武士になって迎えに来るというのを信じて、元の生活に戻ったのだった。
言われるがままの親が奨めた結婚を間近に控えた夜、ローがイェンの元に現れるが、何故かイェンは彼の愛を拒む。その夜は引き下がったローだが、イェンの祝言の日に彼女を掠奪しようと騒ぎを起こし、両家の面目をつぶしたということで、二人は町を出ることになる。一旦は“グリーン・デスティニー”を返却したイェンだったが、その後もう一度盗みに入り、それを持って町を出るのだった。
消息が分からなくなっていた“毒ギツネ”が現れたというので、北京でユー・シューリンと共に戦うリー・ムーバイ。“毒ギツネ”に協力するイェンの武術に師匠の技に近いモノを感じ取り、弟子になれと言うのだが・・・。
ストーリーを書いてみたらなんだかイェンが主人公のようになってしまった。映画の紹介記事ではリー・ムーバイが主人公になっているのに、今回の放送がチャン・ツィイーの出番以外をカットしたのでしょうか、ツィイーが主人公のように感じました。“グリーン・デスティニー”という剣も、「犬夜叉」の鉄砕牙のような魔性の力を感じさせる所もなく、小道具としては何の魅力も発揮しませんでしたな。
リー・ムーバイとユー・シューリンはお互いに惹かれ合っていながら、師匠の仇を晴らすまではという暗黙の想いがあったのでしょうか、なかなか告白しません。この辺の描き方も弱くて、主人公でいながら、この二人のドラマとしては盛り上がりませんでした。
ローを演じていたチャン・チェンは、ジャニーズ系中国人のようで、今風のいい男でしたな。ただ、映画の構成としては、ローとイェンの昔話の挿入により全体が間延びした感じになってしまいました。
ローとイェン、リー・ムーバイとユー・シューリン。要するに、二つのカップルのどちらかにきっぱりと重きを置いて作った方が良かったんでしょう。アクション・シーンも色々と盛り込まれていながら、「カンフーハッスル」なんかで見飽きてしまっていて、CMを飛ばしながら見ても途中でだれる部分もありましたな。
あれを見ていたら、「椿三十郎」や「用心棒」が観たくなりました。動だけではなく、静と組み合わせることによって、緊迫感は出てくると思うのですがねぇ。
チャンちゃんは、よろしゅうございましたね。なんだか彼女だけが光っていたような映画でした。可愛いのと、意志を秘めたような面構えと、アクションシーンの緊張感も表現できているし、更にはお色気も出せるし、ハリウッドが興味をもったのが分かるような気がしました。
ところでこの作品、2000年のアメリカやイギリスで色々な賞にノミネートされ、また受賞もしたようですが、ちょっとこの辺は?ですな。話自体が半分マンガみたいな設定だし(TVゲームから派生した企画かと思ってました)、ドラマとしても食い足りないし、スタッフの賞がらみは許せるとしても作品賞や監督賞というのは・・・ねぇ!?
・お薦め度【完全版でないので、保留】 ![テアトル十瑠](http://homepage2.nifty.com/8SEASONS/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://homepage2.nifty.com/8SEASONS/img/TJ-1.jpg)
実質的にはそれで正しと思います。チャン・ツィイーの演技(美しさ、アクション)が良かったので監督が出演シーンをどんどん増やした為です。結果アメリカで大ヒットしました。外国語の映画での最高興行収益を記録しています。またチャン・ツィイーはこの映画一本で欧米で最も有名なアジアの女優になっています。
すると、リー・ムーバイ、ユーとの三角関係くらいにまで発展させるとドラマとして面白かったでしょうにねぇ。
でもこれは、ありきたりになっちまいますか・・・。
たまに見ても、10時になったらニュースにチャンネル変えちゃうし^^;。「グリーン・デスティニー」の30分短縮バージョン、うーん、ディレクターがどの辺りを削ったのかをチェックする位しか見る楽しみがないかも~。
アン・リー監督は今は完全にアメリカの監督になっているようで、これ以外の作品も観たくなりました。
改めて観たら、ワイヤーアクションが話題だけれど、アン・リーは、単なるアクション作品には仕上げていなくって、以前見た以上に深い人間ドラマを感じました。情景描写も素晴らしい。監督賞を撮った「ブロークバック・マウンテン」でも冒頭のワイオミングの山々の光景は素晴らしかった。
とってもよくって、ちょっと興奮気味の記事でくどくなってますけれど…
アン・リー作品は好きです。50音リスト確認してませんけれど「推手」なんか得に好きです。「ウェディング・バンケット」なども大いに気に入ってます。小作品でじっくりと人々を見つめている。彼の作品には、いつもそんなアン・リーの視線が感じられます。
この記事を書いた頃はチャン・ツィイー見たさに観たもので、チャン熱が冷めた今では、BS放送は知っていましたが、録画しませんでした。
「推手」、「ウェディング・バンケット」、どちらも未見です。
リー監督では「いつか晴れた日に」が観たい№1です。