テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

マイ・フェア・レディ

2004-06-25 | ミュージカル
(1964/ジョージ・キューカー監督/オードリー・ヘプバーン、レックス・ハリソン)


 超有名なミュージカル映画だが、今まで通して見たことがなかった。何度かTVでやってて見たけれど、途中で邪魔が入ったりして全部見れなかった。先日、衛星放送で見れました。

 元々はバーナード・ショウの戯曲「ピグマリオン」が原作で、舞台ではジュリー・アンドリュースが主役だったのに、映画はヘプバーンがヒロインに抜擢された。悔し涙にくれたジュリーだったが、翌年には「サウンド・オブ・ミュージック」に主演し、大成功を納めた。
 というか、1964年はジュリーが「メリー・ポピンズ」に出た年で、彼女はこれでオスカーもとっている。

 ギリシャ神話に基づいた話らしい。ロンドンの下町の花売り娘(ヘプバーン)を見かけた言語学者のヘンリー・ヒギンス教授(ハリスン)が、訛りの激しい彼女に正しい発音を教えて、貴婦人にみせることが出来るかどうかという賭けを友人とする。いかにもショウが考えそうな話である。男と女の感性の違いについての話もショウらしい。結末は大体予想がつくシンデレラ・ストーリーであるが、発声法の技術的な話は面白い。

 ヘプバーンの唄は吹き替え(マーニ・ニクソン)なのがすぐに分かるので、少し興ざめ。やはり、ジュリー・アンドリュースのイライザが見たかったです。

 終盤では男と女の心理的な駆け引きになっていくんだが、イライザと教授の年の差を考えると、ちょっと首を傾げる。イライザが教授に惹かれる気持ちがいまいちつかめない感じ。
 そういえば、「昼下がりの情事」でもオードリーは父親くらいのG・クーパーと恋をした。

 名作と言われているが、感覚的には少し古い。

追記:タモリのようにミュージカルは絶対にダメという人がいるが、私は大丈夫。「ウエスト・サイド物語」なんかは一日に2回見ましたからね。「シェルブールの雨傘」「屋根の上バイオリン弾き」「キャバレー」「掠奪された七人の花嫁」みんな好きですけど、是非とも見たいのがR・アッテンボローの「素晴らしき戦争(1969)」。ビデオにもなっていないのがくやしい。

・お薦め度【★★★=記念に、一度は見ましょう】 テアトル十瑠

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2 コメント

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Unknown (オカピー)
2006-09-14 15:11:55
ミュージカルが駄目という人は、原則的に、リアリズム至上主義です。しかし、ミュージカルに限らず、リアリズムに縛られると映画鑑賞の幅が狭くなり、私みたいに何でも観る人間からすると、実に勿体ないなあという気の毒になりますよ。ミュージカルは戦前作品から殆ど制覇しております。



ジュリーは良いですけど、ちょっと理詰めになって変身の面白さが減るかなという気がしております。やはりオードリーはいいなあ。こういう役は他の女優ではなかなかピンと来ない。
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浮き世離れ (十瑠)
2006-09-14 21:31:38
ブログのご贔屓さんがオードリーを形容するのに使ってました。いかにも、でしょう。

「ローマの休日」は勿論ですが「おしゃれ泥棒」の彼女も好きなんですよ。



歌も感情表現の一つと考えればなんて事ないんですがねぇ。オカピーさんほどには本数見てないので、特に昔のヤツは未見のモノが多いです。
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