(1989/ロブ・ライナー監督・製作/ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービイ/96分)
またアメリカ映画ですが、ビデオジャケットの秋模様が眼に入り、最近のTVCMでメグを見かけるようになったので久しぶりに観たくなりました。
今や女流監督の第一人者の感があるノーラ・エフロンが脚本を担当。この映画で2度目のアカデミー脚本賞にノミネートされました。監督は「スタンド・バイ・ミー(1986)」のロブ・ライナー。彼もこの映画で2度目のアカデミー監督賞にノミネートされた。
原題は【When Harry met Sally...】。
1977年。シカゴ大を卒業したサリーは、ジャーナリストになるべく車で18時間をかけてNYへ向かう。同乗者がハリー。ハリーはサリーの女友達の恋人でこの時が初対面だった。
ネアカで几帳面なサリーとネクラで神経質なハリー。車に乗っていきなり葡萄を食べ始め、車窓から種を吹き出すハリーに呆れ顔のサリーだったが、お互いに話し好きではあるので道中で色々な話をする。途中で寄ったレストランで、『よく見るとチャーミングだね』と言うハリーに、『恋人の親友を口説くの?』とまたもや呆れるサリー。
サリーにとっては最悪の一日だったようだ。
夜をかけてNYに着いた二人は、翌朝握手を交わして別れる。『お互い、頑張りましょう』
それから5年後。偶然、空港で再会した二人は、またしても飛行機内や到着ロビーで会話を交わす。サリーにはひと月前から付き合っている恋人がおり、ハリーはもうすぐ結婚するという状況だった。サリーの恋人ジョーは、かつてハリーと同じアパートに住んでいた男性だった。
この映画のテーマは、“男と女の違い”で、主に恋愛と友情に関するものだ。メイキング・フィルムを見ると、ハリーは(この時離婚したばかりの)ロブ・ライナーがモデルで、サリーはノーラ・エフロンがモデルとの事だった。モデルといっても、それはテーマに関する考え方についてという意味だ。共同プロデューサーのアンドリュー・シェインマンも離婚していて、ノーラは二人のやもめ男達の話を色々と参考にして本にしたらしい。この特典映像は面白かった。
そして映画もここまでは、そんな製作者のテーマに関するディスカッションを披露している感じだった。
空港での再会から5年後。書店で親友のマリーと一緒にいたサリーを、ハリーが見つける。
サリーはジョーと別れたばかりで、ハリーも妻のヘレンと離婚したばかりだった。初対面から10年たったわけだが、二人は初めて『友達として付き合おう』と話す。
10年前には『男と女の友情はあり得ない』と言っていたハリー。『初めて魅力的だが寝たいと思わない女性と出会えたよ』『光栄だわ』
サリーは男と女の友情もあり得るという考えの持ち主だった。
サリーにマリーという親友がいるように、ハリーにもジェフがいる。ある日、ハリーはジェフにサリーを、サリーはマリーにハリーを紹介しようと4人で食事に行くが、ホスト達の思惑は外れてジェフとマリーが意気投合してしまう。
眠れない夜中にはベッドの中から電話をし合うほどの仲だったハリーとサリー。
ある夜、サリーが泣きながら電話をしてくる。心配したハリーが駆けつけると、かつての恋人ジョーが結婚するという。未練があったわけではない。『結婚したくない(という考え方の男だ)と思っていたのに・・・。彼は、ただ“私と結婚したくない”だけだったのよぉ・・・』
泣きじゃくるサリーを抱きしめるハリー。慰めのキスのつもりが、いつしか情熱をもったものになるのに時間はかからなかった・・・。
▼(ネタバレ注意)
どこをとっても面白い作品だけど、特にこの後が面白いですな。
男女の恋愛に関するモロモロを本音で話してきた二人が、いざお互いが当人になってしまった事へのとまどい。はたして、この先も友達でいられるのか・・・。
かつて、いきずりの女性と関係をもった後、仕事があるとウソをついて早朝に帰っていった事を話していたハリーなのに、この時も翌朝早く同じ様な理由をつけて帰っていく。傷つくサリー。
その後ジェフとマリーの結婚式で介添人となった二人だが、ハリーの焦りから発せられた一言がサリーの気持ちを決定的に冷やしてしまい、そこからラストまで、ハリーがいかに関係修復し、恋愛成就させるかが興味の対象となる。
もう一つの気に入っているシーンは、ジェフとマリーをお互いが紹介するに至った原因となった話。
クリスマスの夜のダンス・パーティーに二人で出かける。『お互いに来年もシングルだったら、また友達でいよう』
ところが、チーク・タイムになった時に突然二人の顔つきが変わる。それまでになく接近したとたん、お互いに異性として好意を持っていることに初めて気付くのだ。チーク・ダンスなのでお互いの顔は見えないんだが、観ているコチラには二人の表情の変化が見える。いけない、これでは友情が壊れてしまう。あわてた二人は表に飛び出して、軽いキッスですます・・・(ストップ・モーション)。
▲(解除)
サッチモやハリー・コニック・Jrなどの軽いジャズが心地よく、NYの雪景色や紅葉が美しい作品。ウディ・アレン作品で登場しない場所を選んで撮影したらしいです。
ノーラ曰く、『恋愛映画でのキリスト教とユダヤ教の違いは、前者は当事者以外の何かが恋愛の障害となるが、後者では男性の神経質な部分が障害となる』。アレンはユダヤ教ということですな。
特典映像でのへア・メイク担当の話。
大学卒業時のサリーはファラー・フォーセット・メジャース風に、5年後のキャリア・ウーマン時にはドロシー・ハミル風にしたとのこと。10年後のカーリー・ヘアはメグ・ライアンの個性通りだとのことだった。
因みに、ドロシー・ハミル(アイス・スケーター)のカットは、日本人のへア・デザイナー、故須賀ユウスケ氏のデザインということで有名でしたな。
サリーとマリーの共通の女友達の彼氏に、「フラッシュダンス」のコメディアン志望の若者役だった男優が出ていました。
・嬉しくなっちゃうラストシーンはこちら。
またアメリカ映画ですが、ビデオジャケットの秋模様が眼に入り、最近のTVCMでメグを見かけるようになったので久しぶりに観たくなりました。
今や女流監督の第一人者の感があるノーラ・エフロンが脚本を担当。この映画で2度目のアカデミー脚本賞にノミネートされました。監督は「スタンド・バイ・ミー(1986)」のロブ・ライナー。彼もこの映画で2度目のアカデミー監督賞にノミネートされた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/73/524c02049a45e1867af6c723f8b546e4.jpg)
1977年。シカゴ大を卒業したサリーは、ジャーナリストになるべく車で18時間をかけてNYへ向かう。同乗者がハリー。ハリーはサリーの女友達の恋人でこの時が初対面だった。
ネアカで几帳面なサリーとネクラで神経質なハリー。車に乗っていきなり葡萄を食べ始め、車窓から種を吹き出すハリーに呆れ顔のサリーだったが、お互いに話し好きではあるので道中で色々な話をする。途中で寄ったレストランで、『よく見るとチャーミングだね』と言うハリーに、『恋人の親友を口説くの?』とまたもや呆れるサリー。
サリーにとっては最悪の一日だったようだ。
夜をかけてNYに着いた二人は、翌朝握手を交わして別れる。『お互い、頑張りましょう』
それから5年後。偶然、空港で再会した二人は、またしても飛行機内や到着ロビーで会話を交わす。サリーにはひと月前から付き合っている恋人がおり、ハリーはもうすぐ結婚するという状況だった。サリーの恋人ジョーは、かつてハリーと同じアパートに住んでいた男性だった。
この映画のテーマは、“男と女の違い”で、主に恋愛と友情に関するものだ。メイキング・フィルムを見ると、ハリーは(この時離婚したばかりの)ロブ・ライナーがモデルで、サリーはノーラ・エフロンがモデルとの事だった。モデルといっても、それはテーマに関する考え方についてという意味だ。共同プロデューサーのアンドリュー・シェインマンも離婚していて、ノーラは二人のやもめ男達の話を色々と参考にして本にしたらしい。この特典映像は面白かった。
そして映画もここまでは、そんな製作者のテーマに関するディスカッションを披露している感じだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/ee/d9d5cab80f85812a8af5e4e84e281b34.jpg)
サリーはジョーと別れたばかりで、ハリーも妻のヘレンと離婚したばかりだった。初対面から10年たったわけだが、二人は初めて『友達として付き合おう』と話す。
10年前には『男と女の友情はあり得ない』と言っていたハリー。『初めて魅力的だが寝たいと思わない女性と出会えたよ』『光栄だわ』
サリーは男と女の友情もあり得るという考えの持ち主だった。
サリーにマリーという親友がいるように、ハリーにもジェフがいる。ある日、ハリーはジェフにサリーを、サリーはマリーにハリーを紹介しようと4人で食事に行くが、ホスト達の思惑は外れてジェフとマリーが意気投合してしまう。
眠れない夜中にはベッドの中から電話をし合うほどの仲だったハリーとサリー。
ある夜、サリーが泣きながら電話をしてくる。心配したハリーが駆けつけると、かつての恋人ジョーが結婚するという。未練があったわけではない。『結婚したくない(という考え方の男だ)と思っていたのに・・・。彼は、ただ“私と結婚したくない”だけだったのよぉ・・・』
泣きじゃくるサリーを抱きしめるハリー。慰めのキスのつもりが、いつしか情熱をもったものになるのに時間はかからなかった・・・。
▼(ネタバレ注意)
どこをとっても面白い作品だけど、特にこの後が面白いですな。
男女の恋愛に関するモロモロを本音で話してきた二人が、いざお互いが当人になってしまった事へのとまどい。はたして、この先も友達でいられるのか・・・。
かつて、いきずりの女性と関係をもった後、仕事があるとウソをついて早朝に帰っていった事を話していたハリーなのに、この時も翌朝早く同じ様な理由をつけて帰っていく。傷つくサリー。
その後ジェフとマリーの結婚式で介添人となった二人だが、ハリーの焦りから発せられた一言がサリーの気持ちを決定的に冷やしてしまい、そこからラストまで、ハリーがいかに関係修復し、恋愛成就させるかが興味の対象となる。
もう一つの気に入っているシーンは、ジェフとマリーをお互いが紹介するに至った原因となった話。
クリスマスの夜のダンス・パーティーに二人で出かける。『お互いに来年もシングルだったら、また友達でいよう』
ところが、チーク・タイムになった時に突然二人の顔つきが変わる。それまでになく接近したとたん、お互いに異性として好意を持っていることに初めて気付くのだ。チーク・ダンスなのでお互いの顔は見えないんだが、観ているコチラには二人の表情の変化が見える。いけない、これでは友情が壊れてしまう。あわてた二人は表に飛び出して、軽いキッスですます・・・(ストップ・モーション)。
▲(解除)
サッチモやハリー・コニック・Jrなどの軽いジャズが心地よく、NYの雪景色や紅葉が美しい作品。ウディ・アレン作品で登場しない場所を選んで撮影したらしいです。
ノーラ曰く、『恋愛映画でのキリスト教とユダヤ教の違いは、前者は当事者以外の何かが恋愛の障害となるが、後者では男性の神経質な部分が障害となる』。アレンはユダヤ教ということですな。
特典映像でのへア・メイク担当の話。
大学卒業時のサリーはファラー・フォーセット・メジャース風に、5年後のキャリア・ウーマン時にはドロシー・ハミル風にしたとのこと。10年後のカーリー・ヘアはメグ・ライアンの個性通りだとのことだった。
因みに、ドロシー・ハミル(アイス・スケーター)のカットは、日本人のへア・デザイナー、故須賀ユウスケ氏のデザインということで有名でしたな。
サリーとマリーの共通の女友達の彼氏に、「フラッシュダンス」のコメディアン志望の若者役だった男優が出ていました。
・嬉しくなっちゃうラストシーンはこちら。
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 ![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
私は男女間の友情はアリだと思うし、実際男性の友人もいますが、その場合は相手はその意味での魅力は感じない人ってことになりますね。そのくらい、びみょ~~なものかも・・
少しでもバランスが崩れると成り立たないデリケートなものですね
ビデオジャケットに使われている写真のシーン
とっても印象的ですよね。
好きなシーンの1つでもあります。
あと、印象的なのは、サリーが料理を注文するシーン。
細かく注文して、いつも「添える」のが、ちょっと笑えます。
何度も観てはいるんですが、私もまた観てみようかな、と思ったりしているところです。
①彼への思いやり
②彼を失いたくないから
③早く寝たいから
④その他
・・・いやいや、無理に答えなくてもいいですよ。
TVで一回、ビデオ(VHS)で1回観たくらいでした。
DVDは特典メニューがあって、面白いですよね。
ブルーノ・カービィもいい味だしてましたし、役者全員適役で良かったですね。
ロブ・ライナーのお母さんが出てるレストランのシーンは、最近何かのCMがパクッてましたね。
おばあちゃんが『私にも、同じモノを頂戴』って言うんで、最初観た時は大笑いしました。
なんでしたっけ?ホットペッパーかなぁ?パクってたというか、使ってたのは記憶がありますね。
パクリというのはシャンプーかコンディショナーかそんなののCMでした。
寄宿舎みたいなところで、女の子たちが、あまりのシャプーの気持ちよさに、それっぽい声をたててると、それを聞いた舎監の先生が「私にも使わせてよ」とかいうような・・・
そう言われると、そうかも知れんですな。
ホットペッパーの件は自信ないです。
まあ、多くの女性の答えから察すると①あるいは②が理由のようですよ。
優しさから・・ってやつにしときましょうか?
って、そんなことオンナの人達は話しあってんだ・・・。
と言いながら、実は女性週刊誌にその辺の特集は何度もあってるような気もしてたんですよ。愚問でしたね。
“フリ”も方便って事で、追求しない方がお互い幸せですよね・・・。