テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ぼくの伯父さんの休暇

2006-08-08 | コメディ
(1952/ジャック・タチ監督・共同脚本/ジャック・タチ、ナタリー・パスコー、アンドレ・デュボワ、ヴァランティーヌ・カマクス/87分)


 以前紹介した「ぼくの伯父さん(1958)」のジャック・タチの長編2作目で、タチの代名詞にもなっているユロ氏が初登場する作品です。
 日本公開が後になったこの作品には甥っ子は出てこないんですが、「ぼくの伯父さん」の続編扱いになっていてこういう日本語タイトルになったらしい。前作はカラーでしたが、今作品はモノクロです。

 「ぼくの伯父さん」の時にも書いたけど、タチさんの感覚は私には合わないようです。
 海辺の避暑地で夏のバカンスを楽しむ人々の微笑ましいアレコレを、ユロ氏が宿泊するホテルの客を中心に描いたスケッチ風の一編。
 列車でやって来て民宿のような家に泊まる若い女性や、イギリスから来た老夫婦など避暑地には色々な人々が集まっている。ホテルの支配人は仏頂面で食事のオーダーの心配やら、メニューの工夫に余念がない。何かと人騒がせなユロ氏のことも気になる。
 海岸ではスイミングスクールもあるし、ちょっと山手の方に行けばテニスコートもある。アイスクリーム売りや、写真屋さんもいる。
 ストーリーらしいものはなく、全編小さなギャグの積み重ね。しかし、画のつくりは普通なんです。あっち行ったりこっち行ったりとか、ズーム使ったりとか、素早くパンしたりとか、そんなドタバタしたカメラワークはありません。極めて普通。というよりは、美しい構図のものが多い。だから、ギャグが余計間延びして見える。

 この間延びした雰囲気が好きな人がいるんでしょうが、私はダメ。“ほのぼのとしている”なんていうんでしょうね。

 ただ、裏技を一つ発見。
 DVDで再生する時に、一段階早送りするんです。我が家のDVDプレーヤーの一段階早送りとは、VHSの早送りの様に音声が消えてしまうのではなく、通常の音声がハイテンポになるけれども聞き取れるっていう状態です。これだと間延びの感覚が減って、そこそこ楽しめました(笑)。

 尚、1955年の米国アカデミー賞の脚本賞にノミネートされたそうです。コレでねぇ・・・。

・お薦め度【★★=早送りで観ると、悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

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