スリランカの女性で、家事が大好きだと言う人がいる。洗濯機が回っているのを見て笑っている。しかし日本に住んで20年以上。毎日お世話になっているのに、洗濯するたび楽しいと思える。
つまり昭和初期の日本人が、いきなりタイムスリップしたような感覚なんだと思う。それにしても、その感覚を維持できる人が凄い。僕らはつい忘れてしまっているが、子供を学校に送り出して、家事に費やされてしまう一日に、なんなら趣味の時間が持てるようになった。これは確かにありがたいことだ。
比べるものが世間体(せけんてい)で、他人に比べて幸せを測る尺度にする。それをやめたら、結構しあわせを実感できるんじゃないかな。
風邪気味のご近所に、現地調達のスパイスで作ったカレーを分けてやると、お返しに何かが返ってくる。山と田んぼしか見えない所に住んでいて、ここしか考えられないと彼女は言う。その価値観は、凄いな。
そう思えるように、ならなくちゃ。