今日が６０代最後の日

明日は７０歳になる。

え、７０歳？

誰の事よ。

って思う。

だって、気持ちは若い時と全然変わらないもの。

ますます若くなっているような気さえするときも。

が、体は正直で、とろくさくなった自分を自覚をすることはある。

何かをするのに以前より若干時間がかかるのである。

頭も面倒なことからは逃げたがる。

楽しいこと、楽な方へと傾く。

でも、それでいいじゃないかと思う。

今までは足し算で生きてきたけれども、明日からは引き算で生きていこう。

これまでため込んだものを始末していこう。

本はどうしよう？

ごく最近も何冊か買った。

が、読む時間がとれない。

集中力も落ちた。

それでも手元に未読の本がたくさんあることは幸せだ。

本だけはとっておこう。

入院したときも、たとえわずかずつしか読めなくても、本が手元にあれば寂しくない。

夫に万一先立たれることがあっても、未読の本に囲まれていたら、孤独を感じなくても済むかもしれない。

それにしても、７０歳？

誰が？（笑）

*

・七十になるのは誰と七十にならむとしているわたくしが聞く

・若かりし頃の私に六十が老婆に見えてゐたこと事実

・六十はまだまだ若いと七十になる前日に思ひてをりぬ

・義母の世話してゐた六十歳の頃てきぱきてきぱきしてゐたわれよ

・あと十年すればお世話になるわれかお世話いただく準備もせむか

・お世話などならず死にたき思ひもつ七十歳になる前の朝

・今日ひとひ泣けど笑へど一夜（ひとよ）寝て明くればわれは七十歳に

・父亡くす二十九歳母亡くす六十九歳すぎて七十

・二おやを亡くしてのちに来るわれの七十歳は七色の虹