「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る!「どこまでもヴァイナル中毒」(第38回)《リンゴ・スター新譜編》

2021-05-08 15:03:10 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

御機嫌よう!読者諸賢!
ハウリンメガネである。
先週の名曲しりとりでの予告通り、↓

https://blog.goo.ne.jp/12mash/c/cccdcf0a6a468b0fe93b771181bb8272

今回はつい先日発売された

リンゴの最新5曲入りEP「ズーム・イン」をピックアップ!

ボブにポールにリンゴと、レジェンドの新作がいい感じの周期でポンポン出るのは大変喜ばしいことである。みんな本当に長生きして頂きたい……)

ポールが最新作「マッカートニーⅢ」を
ほぼ一人で作ったのと対極に、
リンゴの本作はゲストは勿論、
多数のプレイヤーが参加!
(おそらくリモートでの参加だと思うが)

有名所だと
ギターにスティーヴ・ルカサー
(近年のリンゴ・オールスター・バンドにも参加)
ドアーズのロビー・クリーガー
ベースにネイザン・イースト
トム・ペティ&ハートブレイカーからは
名キーボーディスト、ベンモント・テンチ……
とまあ、ここでいちいち挙げていては
切りがないほど沢山の面子がぞろぞろ。

(リンゴのアルバムの面白さは「レコーディングするからみんなおいでよ」と誘ったとしか思えない、ミュージシャン仲間の幅広さ。また、この人が面白いのはドラムすらゲストに任せることが多いこと。自分のことを「ドラマー」ではなく「リンゴ・スター」として捉えてるんだろうなぁ。ポールもそうだが、この感覚がリンゴやポールのファニーな魅力に繋がるのだろう)

A1:ヒアズ・トゥ・ザ・ナイト
エアロスミスの「ミス・ア・シング(映画アルマゲドンの主題歌ね)」他多数の大ヒットを産んでいる作曲家「ダイアン・ウォーレン」作のチャーチ・ミュージックのようなロッカ・バラード。
ゲストヴォーカルがポールを筆頭にジョー・ウォルシュ、シェリル・クロウ、レニー・クラヴィッツ、ベン・ハーパー、デイヴ・グロール……とまあ、リンゴの人徳を表したような顔ぶれ。
この面子で合唱されたら「はい!文句ないです!」というしかないでしょう。
ビートルズ後期を思わせる重心の低いリンゴのドラムがシブい。

A2:ズーム・イン・ズーム・アウト
名曲しりとりでも取り上げたのでそちらもご参照願いたい↓

https://blog.goo.ne.jp/12mash/c/cccdcf0a6a468b0fe93b771181bb8272

やはりアーシーな名曲。
リンゴのドシッとしたドラムに
ロビー・クリーガーと思わしきエレキのスライドが
素晴らしくブギしているのだけど、
きちんとポップな曲に仕上がっているのは
やはりリンゴのセンスのなせる技。
PVが公開されており、ご機嫌に体をシェイクするリンゴを見ることができる。

B1:ティーチ・ミー・トゥ・タンゴ
ホーンセクションの入った、リンゴ大爆発!
なパーティーロックチューン。
コーラスでの「Live it up!」のワンフレーズに私、部屋で独り大歓喜。
個人的にこっちでPVを作っても良かったのでは?
と思えるぐらいシングル向きの良曲。
リンゴはこういう「人生を楽しもう」というパーティーチューンがよく似合う。

B2:ウェイティング・フォー・ザ・タイド・トゥ・ターン
ボブ・マーリーの名前も歌詞に入れ込まれたルーツロックレゲエ。
ズーム・イン・ズーム・アウトでも書いたが
リンゴはアーシーなドラムを叩くのが物凄く上手い。
よくビートルズでのリンゴのプレイについて
「独自のタイム感が……」と語られることが多いが、
彼の「独自のタイム感」というのは
このアーシーさが根っこにあるからではないか?と筆者は考えている。

B3:ノット・イナフ・ラヴ・イン・ザ・ワールド
今の世界に対するリンゴの静かな怒りを感じるビートリーな〆の1曲。
「世界には愛が足りない」と歌うリンゴの声に、
云十年「愛が必要だ」と歌い続けても
結局「世界には愛が足りない」
と歌わなくてはならないことへの憂いが見える。

以上、どれもリンゴ印の
「気負ってないのに力強い彼の歌」と「ご機嫌なサウンド」が満載の全5曲。
まだ発売直後なのでアナログも簡単に入手できるはず。
買うなら是非アナログで!
ターンテーブルに乗せてくれ!
ちゃんとA面B面が意識されたEPになってるから!

以上、年々ルックスがリンゴ化しているうちの編集長に
「好きも高じるとルックスまで似だすのか……」
と畏怖すら感じているハウリンメガネでした。

お粗末!

《 ハウリンメガネ筆 》