ワニガメ、「不忍池」に生息？産卵中のメス捕獲

ワニガメ、「不忍池」に生息？産卵中のメス捕獲 (読売新聞) - goo ニュース
2006年 6月11日 (日) 20:23

　東京・上野公園の「不忍池」で１１日、北米原産のワニガメ（体長約５０センチ）が岸辺近くの植え込みに産卵しているのを、通行人が見つけ、近くの交番に通報した。

　警視庁上野署員が３人がかりで捕獲、近くで直径約２センチの卵計１５個も見つけた。

　専門家は「国内でワニガメが野生の状態で産卵するのは珍しい」と指摘。同署ではワニガメの保護を上野動物園に依頼するとともに、飼い主を探している。

　ワニガメはカミツキガメの一種で、先が鋭くとがったくちばしのような口が特徴。大きい個体だと体長１メートルに達する。歯はないが、あごの力が強い。かみつかれると大けがにつながるため、動物愛護法で「危険な動物」の指定を受け、飼育には自治体の許可が必要。

　受精卵かどうかわからないけど、自然繁殖するようになれば日本固有の生態系が破壊されてしまう。さらに、ワニガメから人間を襲ってくることは無いだろうが、知らずに近づいて噛まれたりする危険が高い。解決は飼い主のモラル向上と規制の強化しかないだろう。・・・とばっちりが来ませんように！

　とまぁそんな普通の感想はともかくとして、記者さんもう少し勉強して書こうぜ。

「ワニガメはカミツキガメの一種で、先が鋭くとがったくちばしのような口が特徴。」

　カメなので”くちばし”は標準装備です。ですから「のような口」は要りません。そうなってくると続く文章も変です。

「歯はないが、あごの力が強い。」

　当然”くちばし”ですから歯はありません。だからといって油断できません。インコに噛まれたことがある方は分かるでしょうけど、あれと同じですメチャクチャ痛いです。カメも同じです。我が家のカメでさえ噛まれたら血がにじみます。ワニガメだと最悪、指が千切れたりするそうです。

　以上を踏まえて、添削すると。

「　ワニガメはカミツキガメの一種で、先が鋭くとがったくちばし（口）が特徴。大きい個体だと体長１メートルに達する。あごの力が強く、かみつかれると大けがにつながるため、動物愛護法で「危険な動物」の指定を受け、飼育には自治体の許可が必要。 」

　内容的には同じなんだけど、科学的な事は正確に書いてほしい。細かいかもしれないが、こうしたことの積み重ねが、科学離れの改善になるだろうと思う。例えば今回の記事をカメを詳しく知らない人が読んだとき、カメの口には歯が標準装備でたまたまワニガメには無いのだと考えるのが普通だろう。間違った知識を持ったまま「ふ～ん」で終わりである。

　ところが正確に書けば少なくともワニガメの口はくちばしであるという真実は伝えることができる。真実を知った上での「ふ～ん」である。しまも、もしかしたら興味がわいて自分で調べてカメの口はくちばしが標準装備であることをつきとめるかもしれない。そこから生物全般に興味を持ってくれるかもしれない。そうした可能性も正確に書いてあればこそである。

　いまじゃインターネットでチョイチョイと調べられるんだから、記者さんもう少し考えて記事を書きましょうや。