蔵六の思いつ記

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「海賊」から描く地中海世界 塩野七生さん、2年費やした新作(産経新聞) - goo ニュース

2008-12-21 19:17:58 | 本・マンガ
「海賊」から描く地中海世界 塩野七生さん、2年費やした新作(産経新聞) - goo ニュース
2008年12月21日(日)08:05

 15年がかりで大作「ローマ人の物語」全15巻を書き終えたローマ在住の作家、塩野七生さんが、執筆に2年を費やした新作「ローマ亡き後の地中海世界」(新潮社)を世に問う。1000年以上にわたる地中海世界の動向を「海賊」という切り口から描いた上下2巻の力作だ。刊行を前に来日した塩野さんが新著について語った。

 「ローマ人はすばらしい技術や哲学はつくりませんでしたが、安全保障を人々に贈りました。そのローマが無くなると地中海世界から、法を守らなければならないという倫理観も失われてしまいました」

 西ローマ帝国が滅亡したのは紀元476年のことだ。その後、イスラム教を信奉する海賊が台頭し、「右手に剣、左手にコーラン」を掲げて拉致・略奪を繰り返すようになる。現在のソマリア沖を想起させる状況だ。

 「あれもイスラムですね。どこの船がいつどこを航海しているかを彼らは把握しているようです。もし周囲の国々にそうした情報ネットワークがつくられているのなら問題は複雑」と塩野さん。ただ、ソマリアの海賊を意識して新作に取り組んだわけではないという。

 なぜ「海賊」を選んだか。それは「法の精神が失われた世界を象徴しているから」と説明する。

 「地中海から海賊がいなくなるのは1856年のパリ宣言を待たなければなりませんでした。取材で訪ねたイスキア島で若い漁師と話したら『ひいおじいさんの時代は漁なんてできず、山の中に隠れていた』というんです。かつては海のそばに住むぐらい危険なことはなかった」

                  ◇

 「ローマ人の物語」を書きながらカエサルに恋したという塩野さんだが、今回も魅力的な男たちと出会えたという。特に海賊に拉致され奴隷となった無名の人々を武力ではなくカネで買い戻すために地道に活動した「救出修道会」と「救出騎士団」の男たちに強くひかれたそうだ。

 「なんてすてきな男たちでしょう。こうした男たちにこそノーベル平和賞を贈りたい(笑)」

 余談だが、彼らに救出された人々の中にセルバンテスもいた。彼はレパントの海戦(1571年)の帰路、海賊に拉致されアルジェで奴隷となっていた。もし彼らの活動がなければ「ドン・キホーテ」は生まれていなかったのだ。

                  ◇

 「9・11」以降、キリスト教とイスラム教の対立が改めて顕在化した。その現実をふまえたうえで、塩野さんは日本の読者への希望を次のように述べた。

 「キリスト教とイスラム教との、1000年以上にわたる対立の歴史を日本人は文化的にもきちんと理解したうえで、何ができるか考えるべきでしょう。たとえば、いまEUはトルコの加盟に対してあやふやな態度をとっています。理由のひとつにトルコが海賊を傭兵(ようへい)として活用していたことがあげられます。そんな関係を知っていれば、見方や対し方も違ってくると思います。それが私の望みです」

 「ローマ亡き後の地中海世界」は上巻が24日、下巻が1月30日に発売される。(桑原聡)

いやいや、8巻ごろから読んでない気がする・・・

カエサルのとこが良すぎて後がの登場人物がいま一つ・・・

面白いんだけど、カエサルほどの凄さがなくてなぁ

久しぶりに真面目に読んでみようかな。
コメント
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