ずーみんのはがき絵七十二候

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撫子(なでしこ)

2022-08-30 22:25:22 | 日記

 我が家からの最寄り駅が、JRが定める大都市近郊区間の中に属しているのをいいことに、隣駅までの切符を買って、大回り乗車の小旅行をときどき楽しんでいます。

 お気に入りのコースがあって「琵琶湖一周の旅」などと呼んでいます。同じ駅を通ってはいけないというルールがあるので、厳密には一周していませんが、東海道線、北陸線、湖西線を乗り継いで、車窓の風景を眺めるのはいいものです。

 コースの途上にはおそらく無人駅であろうと思われる駅もあるのですが、掃除が行き届き、ベンチには座布団が置かれ、一輪挿しに花が生けられていることもあります。地元の方がボランティアでなさっているのかなと、勝手に想像(妄想?)を膨らませています。

 

 

 秋の七草のひとつ、撫子(なでしこ)の絵を描きました。無人駅の待合室に一輪挿しに生けられているなでしこがあったよという、何の工夫もない一句を書き添えてみました。


第41侯 天地始粛

2022-08-27 02:21:03 | デザイン書芸

 七十二侯中第四十二侯「天地始粛(てんちはじめてさむし)」は、8月28日から9月1日までにあたります。

 

 

 「天地始粛(てんちはじめてさむし)」という字をデザインして書いてみました。

 すさまじい猛暑・酷暑の真っただ中にいた時には、いつまでもこのままの暑さが続いて、涼しくなることはないのではないかとさえ思われたのですが、確実に秋はやってきているな、と実感できる時候です。

 特に雲の形が明らかに変わってきました。もこもこした入道雲などは姿を消しつつあり、すじ雲やうろこ雲が見られるようになってきました。「行合の空(ゆきあいのそら)」というのでしょうか。気温はまだまだ高い日が多いですが、季節は移ろってきているのがわかります。油断せず体調管理をしたいものです。


第40侯 綿柎開

2022-08-21 16:28:18 | デザイン書芸

 七十二侯中第四十侯「綿柎開(わたのはなしべひらく)」は8月23日から8月27日にあたります。二十四節気は「立秋」から「処暑」に移ります。

 

 

 綿の花はハイビスカスにも似た、大きくてきれいな花です。野菜のオクラの花にも似ています。これらは皆アオイ科に属していて、花姿がよく似ているのもうなずけます。

 私が小さいころ、我が家ではワタも育てていました。花が終わってひと月ほどで実がはじけてコットンボールが現れます。ふわふわのコットンボールの中から種を取り出し、綿は綿として出荷、種は絞って綿実油を採ります。綿実油を絞った後の搾りかすには、まだわずかに油が残っています。周りには完全にとれていない綿の繊維もくっついています。これをボタン工場で作った洋服のボタンと一緒に樽に入れ、川の流れを利用して樽ごとぐるぐる回していると、中のボタンがぴかぴかに仕上がります。このように無駄なく利用できる植物でした。


第39侯 蒙霧升降

2022-08-19 22:24:56 | デザイン書芸

 七十二侯中第三十九侯「蒙霧升降(ふかききりまとう)」は8月18日から8月22日までにあたります。

 

 

 「蒙霧升降(ふかききりまとう)」という字をデザインして書いてみました。「のうむしょうこうす」という読み方もあるようです。

 まだまだ残暑が厳しい時候ですが、朝夕の空気にわずかにひんやりしたものを感じることができます。霧は空気中の水蒸気が冷えて凝結することによっておこる現象ですので、この時期であれば早朝、山間部や森、水辺などで観察できるかもしれません。

 親しくさせていただいている大先輩であるN先輩は、その号を「雲霧(うんむ)」と号しておられます。山間部などに見られる濃霧、標高の高い地点にいるときなどに雲の中に包まれてしまうような、視界がほとんど効かないような濃い霧のことを雲霧とか、ガスとかいいますね。「雲霧」という言葉にはそのような自然現象だけではなく、「人の眼前を覆い、また胸中をふさぎ、知識や判断を迷わせるもののたとえ」という意味もあるようです。学究肌で読書家であられるN先輩が、そんな号をお持ちなのをかえって面白く思います。

 


風鈴

2022-08-15 23:23:26 | 日記

 風鈴の絵を描きました。風鈴は夏の季語。毎日暑いとは言え、暦の上では秋なので、外し忘れた「秋の風鈴」ということになります。

 

 

 大好きな版画家、イ・チョルスの作風をまねて描きました。ハングルで「어디 선가 풍경 소리가 울리고있습니다.(どこかで風鈴の音が鳴っています)」と書き添えました。ハングルの「風鈴」の部分は「풍경」になっています。どんな漢字なのかなかなか思いつきませんでしたが、おそらく「風磬」であろうと思い至りました。「磬」は仏具としても使われる楽器です。もとは石製だったからこの字なのでしょうが、現在では金属で作られていることが多いです。

 まだ暑さの残る秋の昼下がり、うとうとまどろんでいると、どこからかしまい忘れた風鈴の音が聞こえてきた、という風情です。