ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた三周目(その4)

2023-11-03 07:30:38 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第四回目、今回は「ぬ」「る」、そして「を」をとばして「わ」です。

 

 

 

『ぬ』・・・ぬいぐるみ

 

 

 クマのぬいぐるみ、いわゆるテディベアというのを描きました。書き添えたハングルは「고구마?(コグマ?)」です。その意味は「さつま芋?」になります。韓国語でさつま芋を「고구마」と書き、「コグマ」と発音するのです。これを初めて聞いたとき、おもしろいなあと思いました。かわいい子熊がさつま芋を食べているイメージがわいてきました。それも焼き芋を両手で持って食べている姿です。

 さつま芋のことをコグマというのだ、ということを初めて知ったのは、韓国旅行の際に食堂で出された、見知らぬ野菜の小皿を指して「この野菜を韓国語で何と言いますか?」と尋ねたところ「コグマ」という答えが返ってきたことからでした。芋ではなく、さつま芋のつるをサッと炒め煮にしたもの(ナムㇽ)で、見た目で「フキかな?」と思いましたが、食べてみるとフキではないようなので、尋ねてみたのです。持っていた電子辞書で調べてコグマ=さつま芋だとわかりました。私にはさつま芋のつるを食べる習慣がなかったもので、この野菜は何だろうと思ったのも無理はありません。さつま芋のつるを調理するのは下ごしらえというか、薄皮をむくのが面倒だそうです。その後何度か、おばさんが数人でおしゃべりをしながらさつま芋のつるの皮をむいている光景を目にしました。時間と手間のかかる作業も楽しみながらこなしている感じですね。

 「ぬいぐるみ」「テディベア」などは季語ではありませんが、「さつま芋」は秋の季語です。これはおそらく芋が収穫できる時候なのでしょう。私がさつま芋のつるを調理したものを食べたのは真夏でしたが、「芋蔓(いもづる)」も調べてみると秋の季語に載っていました。なお「焼き芋」になると冬の季語です。

 

 

 

『る』・・・ルアー

 

 

 はがき絵いろはうた三周目(その1)で紹介した「ローファー」の絵と同じで、この絵はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」の中で「おえかき投稿」したものです。「相方」なる人と合作しています。この絵を描くにあたって参考にした画像はパーム社製のヤマメ釣り用のルアーでしたので、渓流釣りの「渓」の字をデザインして書き添えてあります。絵の部分はそのままに、文字だけをいろいろ書きかえることもできるので楽しんでいます。

 

 

 文字を「山女」に書きかえたバージョンです。ルアーが紙箱か何かに入って売られている、その商品ロゴというようなイメージで書いてみました。文字の「かすれ」を「消しゴム機能」を使って後から作っています。実際の書では、文字を後から削って細くしたり、かすれさせたりなどは絶対にできないので、とてもおもしろいです。

 「ルアー」は季語ではないと認識していますが、釣りはその狙う魚種によって季節感がありますね。ちなみに「山女」は夏の季語になっています。ただ、夏以外の季節にも山女は釣れたりしますので、山女を詠んだ俳句の中には、他の季語とともに一句をまとめた、いわゆる「季重なり」の句も見受けます。

 雪代の山女に熱き酒を注ぐ    陣野 今日子

 この句の「雪代」は春の季語、「山女」は夏の季語、「熱き酒」を「燗酒」とみれば冬の季語です。この句の場合、雪どけの頃、山女の骨酒や身酒をいただこうという趣とみて、私は春の句として味わいました。

 

 

 

 

『を』をとばして・・・

 

『わ』・・・わさび

 

 

 山葵(わさび)の根の部分を描きました。

 刺身が好きでよくいただきますが、ワサビは欠かせませんね。できればこの絵のような山葵の根を鮫皮のわさびおろしですり下ろして使いたいものですが、経済的な理由から毎度そういうわけにも参りません。たいていはチューブ入りのものを使うことになるのですが、パッケージに「静岡産本わさび使用」とか「きざみ本わさび入り」とか書いてあって、なかなかおいしく作ってあります。家の冷蔵庫にあるワサビのパッケージに、私の住まいの隣町の住所が書いてあるのを見つけました。ずいぶん近所で作られているのだなと少しうれしくなりました。してみれば、私はワサビの本場に住んでいると言ってよいのかもしれません。きれいな水の流れるワサビ田のイメージを想像していただけるとありがたいですね。実際は大阪(東大阪)の町なかなんですが・・・

 「山葵」は春の季語、「山葵の花」は夏の季語です。「山葵田」「山葵掘り」「葉山葵」「土山葵」「山葵沢」などの子季語も多数あります。葉山葵の醤油漬け、実際には「麺つゆ漬け」ですが、葉山葵が売られているのを見つけたら買って作ることにしています。適当に切った葉山葵に熱湯をかけ、砂糖少々とともにタッパーに入れてバタバタと強く振り、麺つゆに浸した状態で密閉容器に保存するもので、簡単で美味しいです。砂糖とともにタッパーの中で振って痛めつけることで辛味や香りが立つのだと思っています。

 書き添えたハングルは「これが本当のわさびです」という意味です。以前、韓国で刺身を注文すると、粉わさびを溶いたであろうものが添えられていることがあり、この色が少々毒々しい色であることもしばしばでした。最近はワサビも本格的なものになってきているそうですが、そもそもワサビの「ツ~ン」が苦手な人も多く、刺身は葉っぱに包んでコチュジャンで食べるのが一般的だと思います。私の韓国の友人はワサビが植物からできているということさえ知りませんでした。そんな友人に「これが本当のわさびだよ」と描き送ったはがき絵です。