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科学はおもしろいぞ!

身の回りのことから、科学のおもしろさを発見してみよう。

トルクの体験装置(大阪市科学館)

2009-10-21 11:50:16 | 科学館はおもしろいぞ
トルクの違いの体験装置大きなハンドルと小さなハンドルが一つの軸で繋がっているだけの簡単な装置です。
小さな子が大きなハンドルを回して、反対側の小さなハンドルを親が回すと、小さな子に負けてしまうという意外性で、簡単な装置でしたが、結構人気がありました。
ハンドルの大きさの違いで3種類並んでいて、中の一つは両側とも同じ大きさのハンドルで、ハンドルの径の違いが力に大きな影響を与えていることが実感できます。
トルクの違いの体験装置このテーマでは、一本のバットの両端部を二人で持って回すと、ニギリ部の細い方と、ボールを打つ太い部分とで力がぜんぜん違うという意外性の体験も出来ます。
このトルクの話は、テコや、滑車や歯車などとも繋がる大切な話ですから、出来るだけシンプルな装置で体験出来るのが良いですね。

岡崎市にある分子科学研究所の一般公開

2009-10-18 15:52:42 | 科学館はおもしろいぞ
偏光フィルムを使っての実験工作愛知県岡崎市にある独立行政法人 分子科学研究所の一般公開に行ってきました。通称は分子研といいます。
埼玉の和光市にある理化学研究所も毎年一回一般公開をして、日々、どのような研究をしているかを紹介しているのです。
分子研は「自然科学研究機構」という組織の中の一つで、岡崎には3つの研究所があるり毎年順番に一般公開をしているので、分子研としては3年に一度の公開です。
このような独立行政法人は、国から予算をもらって活動をしているので、どういうことをやっているのかを一般に知らせなくてはならないのです。そこで、このような一般公開が各地の独立行政法人で行われるのです。
和光の理研の公開日もすごい人が集まるのですが、この分子研も老若男女、多くの人が見に来ていました。公開は、大きな講堂のようなところに、テーブルやパネルなどを並べて、研究を紹介しています。
ただ、非常に難しい内容なので、説明を聞いてもよく分からないところも多いので、一般の人にも楽しめるように、偏光フィルムでの工作や、超伝導のマイスナー効果、液体窒素でのビニールボール割だとか、フラーレン作りなど、いろいろと工夫されていました。
液体窒素でのビニールボール割 超伝導のマイスナー効果 研究所内廊下での展示説明
有機薄膜太陽電池の実験 ノーベル賞をもらった蛍光タンパクの実験 フラーレンモデルの組立




宇宙線を見る:霧箱と泡箱(国立科学博物館)

2009-10-16 10:13:42 | 科学館はおもしろいぞ
国立科学博物館:霧箱宇宙線を見る装置としては、他に「霧箱」という装置があります。英語ではクラウドチェンバー といいます。この装置もいろいろな科学館に設置されています。
アルコール蒸気を飽和状態に入れた断熱容器を過冷却状態に冷やしておいて置くと、その中を宇宙線が通過します。
その宇宙線が通過した部分のアルコール蒸気が、宇宙線に刺激されて小さな水滴(アルコールの雲)となって、白い雲の筋として見ることが出来ます。
国立科学博物館:霧箱宇宙線は絶え間なく、いろいろな方向から通るのと、装置自体や設置してある建物を作っている材料などからの放射線も出ていて、これらにも反応するので、良く出来た霧箱の中には、絶え間なくもやもやと線が走ります。
この霧箱は東京の国立科学博物館の新館地下三階にある大型霧箱装置で、国内でも五指にはいる大きさです。(最大の霧箱は東海村にあります)
国立科学博物館の霧箱の設置場所は地下三階で、地上から20m近くも深いので、こんな地下深くまで、どれほどの宇宙線が届くのだろうか?との心配もありましたが、事前に小型の霧箱を持ち込んでの実験でも、十分な観察が出来ました。
この下の写真は、国立科学博物館の工事のときに撮影されたもので、表はカバーが取れた、裸の状態で、四つの脚の霧箱が見えていますが、壁面の裏側には2台の冷凍機が設置されていて、強力に霧箱を冷やします。
裸の霧箱装置 裏側の冷凍装置
国立科学博物館:水素の泡箱また、似たような装置として「泡箱」という装置があります。宇宙線よりも強いエネルギーを持った粒子を観察するための装置で、極低温にした容器に液体水素を満たして、そこに加速器で加速した高エネルギー粒子を打ち込むと、その粒子の刺激で、液体の水素が気体となって泡の筋として残ります。その時の泡の筋を観察して、粒子の通った経路を調べるのです。
この泡箱は、「高エネルギー研究所(KEK)」が1972年に製作した日本初の水素泡箱で、国立科学博物館の新館地下三階に展示されています。
この泡箱で観測された写真などが「函館酸素株式会社」のサイトで紹介されています。
なお、最初の霧箱の写真の両側に写真がありますが、左側の写真は泡箱と同じく高エネルギー研究所(KEK)で、素粒子の解析に使われている「BELLE測定器」の写真で、右側は、宇宙から降り注ぐ「ニュートリ」ノを観測するための「スーパーカミオカンデ」の写真と、カミオカンデで使われている「光電子増倍管:ホトマル」の実物です。
つまり、このコーナーに、宇宙線や素粒子などを検出するいろいろな方法や実物がまとめて紹介されているのです。

宇宙線を見る:スパークチェンバー(大阪市科学館)

2009-10-15 10:44:22 | 科学館はおもしろいぞ
スパークチェンバースパークチェンバー宇宙線というのは、宇宙からいつも降り注いでいるエネルギーを持った粒子で、私たちの体の中もたくさんの宇宙線が通りぬけています。(宇宙線とは
この宇宙線を見る装置として、スパークチェンバーという装置が大阪市科学館にあります。宇宙線の軌跡を目で見えるようにした装置で、2センチほどの間隔で、数十枚の電極の板を重ねた物で、ヘリウムガスが入っている密封されたガラス容器に入っています。
名古屋市科学館スパークチェンバーこの電極板には一枚ごとにプラスマイナス交互に高電圧がかけられていて、この中を宇宙線が通ると、その宇宙線が通った部分のヘリウムガスがイオン化して(電気が通りやすくなる)放電が起きるのです。そのためいろいろな方向から入った宇宙線が電極板を通過して、斜めの光の線として見えます。
このスパークチェンバー装置は、大阪の科学者が発明したものだそうで、装置の横には、その論文が紹介されていました。(スパークチェンバーとは
スパークチェンバー装置は演出でバチバチ!!っと音が出ていたり、見た目もハデなので、いろいろな科学館にも設置されています。右の写真は名古屋市科学館にあるスパークチェンバーです。

太陽の姿の観察体験(大阪市科学館)

2009-10-14 10:08:12 | 科学館はおもしろいぞ
太陽の観察体験太陽の観察は、実際の太陽を見て観察するのが一番良いのはもちろんですが、一般の方に前回書いたような「太陽望遠鏡」の投影像をみてもらっても、どこに注目したらよいのかが分かりにくいのです。
たしかにこの投影像をじっくりと見ていると太陽表面のもやもやや、黒点が刻々と変化している様子なども観察できますが、立ち止まってじっくりと観察されている方は少ないです。
実際の太陽の観測は、黒点の大きさや位置、太陽表面の様子などを高い倍率の望遠鏡などで観察します。そこで、その観察の方法を擬似的に体験してもらおうという展示で、大阪市科学館にあった物です。
中央の黄色いブースがその展示部で、黄色いテーブル上部からはプロジェクターで太陽の像がテーブルの上に、直径15センチほどで映し出されています。
太陽の観察体験 太陽の観察体験
来館者は用意してある観察用紙(B5サイズほどの紙で中央に丸い円が描いてある)をテーブルの所定位置に置いて、太陽の像と丸い円を合わせて太陽の黒点の位置や大きさをエンピツで写し取ります。
この太陽の投影像が、太陽と同じに動いているのかは未確認ですが、映す時間によって黒点が動いていれば面白いでしょうね。