![八王子市科学館の音のレンズ 八王子市科学館の音のレンズ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/2d/9384135469063b93021ddf7840a49192.jpg)
前回、「音のフレネルレンズ」というものをご紹介しましたが、これはフレネルレンズとは言っても、音の屈折現象を利用したものではなくて、回折現象を利用したものとご説明しました。今回、ご紹介するのは、音の屈折現象を利用して、焦点に音が集まって聞こえるようになる「音の屈折レンズ」です。
この写真は、東京の八王子市にある科学館にある「音の屈折レンズ」です。(現在展示されているかは不明)大きな風船(ラジオゾンデ用の風船)の中に炭酸ガスが詰められていて、風船を挟んで声を出してしゃべると、反対側に音が集まっているのが体験できます。これは、炭酸ガスの風船で、音が屈折しているからです。
![国立科学博物館の音のレンズ 国立科学博物館の音のレンズ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/31/e3469e8b231e5c4c35f15308cdf40762.jpg)
同じような展示としては、右の写真のように国立科学博物館の2階でも展示されていましたが、現在はありません。
![音の屈折のしくみ 音の屈折のしくみ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/2c/515bdc0e80c73a33f06112ccc8c946ee.jpg)
音は空気中を 約 340m/秒(1気圧/気温15℃の場合)の速さで進みますが、空気よりも比重の重い炭酸ガスなどの中を進むときは、速さが遅くなります。そのために、炭酸ガスと空気の境界部分で音の進む角度が変化します。これが屈折という現象です。
光も、空気中から密度の違うガラスの中に入るときに、進むスピードが変わるので、屈折するのです。
![音の屈折のしくみ 音の屈折のしくみ](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/08/4ef1a4b5f52bd88b818295a0f1ea298b.jpg)
音の屈折について、このサイトでFlash Movieで紹介されています。
振動数によって、屈折率が異なり
光の分散が発生しますね。
光の可視光領域で、屈折率の値の変化が
1をまたぐのを異常分散
1をまたがない場合、正常分散というそうです。
いろいろと大変ですね。
前回取り上げた「フレネルレンズというレンズ」の末尾に昨日補足したのですが、光学レンズの「回折レンズ」は屈折レンズとは逆の分散をさせて、両方を重ねることで、分散を無くすそうです。
光の波長レベルでの加工精度で、それが民生品として生産できるというのは、キャノンのすごい技術力だと思いました。
メーカーの研究所では、研究者たちが、日夜、研究されているのでしょう。
メーカーの研究所は、大学の研究所より凄いですね。
事業部でなく、基礎研究所などは、ほとんど物理の研究みたいな感じなのでしょうね