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朝日新聞の3Dメガネで、光の波長の違いを見る

2010-12-30 17:58:00 | 科学もろもろ
前回、朝日新聞が3Dの記事と広告をするという投稿をしましたが、その続きです。
さて、この3Dメガネですが、もう一つ面白い使い方があります。それは光の色による波長の違いが直視して見えるのです。
下の写真が、赤、橙、緑、青のLEDの点をこのメガネのフィルムを通して見た写真です。それぞれのLEDの光源を中心として、左右に沢山の光の点が並んでいるのが見えますが、これは回折格子によって作られる回折光の点です。
回折格子とは、プリズムのように光を分光する物で、ガラスや透明なフィルムに細かなスジが1ミリに数百本から数千本という細かさで刻まれた物です。格子とはいいますが、縦横にスジが刻まれているわけではなくて、通常は一方向だけで、細かくスジが刻まれているほど、巾の広いスペクトルを出すことが出来ます。CDなどが虹色に見えるのは、CDに刻まれているスジが回折格子の役割をするので虹色に見えているのです。

ご存知のように赤い色は波長が長く、橙、緑、青となるほど波長が短くなります。
この写真を見ると、確かに赤いLEDが作る回折光の点は間隔が広くて、青色に近づくほどに、光の点の間隔が狭くなっているのを見ることが出来ます。
このように、光の波長の違いが直接目で見る事が出来るというのは、なかなか面白いですね。ちなみに、このフィルムに刻まれているスジは、1ミリに30本程度と思われます。
回折格子でも光学の実験用や、中学などで太陽の光を分光するのに使うレプリカシート(グレーチングシート)は、1ミリに500本~1000本のスジが刻まれていますが、このようなグレーチングシートでは、点の間隔が広くなりすぎて、このような光の点としては見えません。そういう意味で、この3Dメガネのフィルムは貴重ですよ。
回折格子で見る光の点

朝日新聞が3Dの広告を始めるそうな!!

2010-12-30 13:54:22 | 科学もろもろ
朝日新聞3D広告今朝、自宅に配達された朝日新聞を開いて驚いたのですが、なんと新聞で3Dの記事や広告を新年から始めるという広告でした。私は埼玉に住んでいますが、全国対応なのかはわかりません。《朝日新聞広報
広告によると、来年の3月までの毎週日曜に3Dの特別紙面がスタートするとのことでした。
そして、その3D特集を見るための紙製の組立式メガネが折込みチラシにはさまれていて、3D画像のサンプルとしての写真も印刷されています。
左の画像が、その紙製の組立式のメガネです。このメガネを通して、その写真を見てみると、確かに「多少」奥行きを感じて見えます。赤青メガネなどのように明瞭な立体画像が見えるというわけではありません。
このメガネにはレンズではなくて、透明なフィルムが入っています。このメガネを通して景色を見ると、以下の写真のように、輪郭部が多少虹色になって見えるので、細かい筋の入った回折格子の一種であることは分かります。
風景の見え方 メガネで見ると
〈▲通常に見える景色〉 〈▲このメガネを通した景色〉
この立体視は「分光視差方式」という方式で、透明に見えるメガネフィルムにはたくさんの極々細いスジのようなプリズムが刻まれています。この極微のプリズムと光の色による屈折率の違いで、画像の色ごとに見える位置がズレるため、青色の像が遠く、赤色の像が近くに見える様に作られています。
立体的に見えるしくみは《こちらのサイト》でご覧ください。